皆さん今日は、今晩は。
寒さと少雨(主に関東南部の話)と物価高騰(当店は只今電気代に悲鳴をあげとります…)と『止まれ』の標識すら理解していない外国人共に無闇に免許を発行し車を貸し与え毎日無辜の市民が撥ね飛ばされる路上の恐怖や、わけわからん解散選挙に翻弄される日々を如何お過ごしですか?
まぁ地下に構えたオーディオ屋如きが天変地異や行政の無策や政治の無能を嘆いた所で大局には何の影響もない小さな存在なので、小さなオーディオ屋は小さなオーディオ屋分相応に、小さな針先を顕微鏡越しに眺めたりしている毎日です。

さて、これは何でしょう。
毎度お馴染みの顕微鏡で覗いた針先ですが、汚いですねぇコレは。そもそも、レコード盤の溝をダイヤ等の針先で直になぞって音を出す接触型機構のアナログ再生には針先の汚れは付き物であって、どれだけ盤面を綺麗に仕上げた所で、テーブル上で一定の速度で回転する限りは自らが大気中に漂う種々の不純物を引き寄せます。また盤面を手先で扱う限りは、それに付帯する油脂分他の人的要因の汚れも伴います。
即ち針先が汚れる事自体は結果であって、それそのものを責める理由にはなりません。では問題は何かと言いますと、この状況を放置した点です。この写真は度重なる再生の積み重ねで堆積した汚れが放置され、暫しの時間を経て膠着して瘡蓋のように固まった姿です。
皆様の中には汚れた針先を、それ自体を実際には観察した事が無くとも感覚的にブラシで清掃する方もおられると思います。マニキュアの様なスタイルの液体を塗布するタイプの製品も古くからお馴染みです。ただ、あくまで私個人の感覚としては、針先を正確に観察しない状況でのブラシタイプや液モノ系のスタイラスクリーナーの無闇な使用は控えたいとも考えています。勘違いはされないように願いますが、それらの製品自体を否定しているのではなく、用い方を話しています。

一つの理想としてですが、レコードを片面再生する毎に一度は、それを手間に感じたらせめて両面一枚再生し終える毎に一度は、アクセサリー各社より出揃ったトリモチタイプ、即ち弱粘着面に針先を静かにあてがい物理的に汚れを剥ぎ取る仕様のクリーナーの定期的使用をお勧め致します。つまり汚れ自体は盤面を片面20分程度もなぞれば既に相当な物であると理解し、それを持ち越さない、堆積させないと言う用法です。ではブラシタイプや液モノ仕様のクリーナーの立場は?となりますが、私はこのタイプは粘着タイプでは取り切れなくなった限度を超した針先に用いています。

因みに、付属品レベルで見掛ける機会も多い、写真のこの毛先が長く柔らかいタイプのブラシですが、冒頭の写真の様な汚れ状態に対してはほぼ無力で且つ、ブラシで針先を撫でる事が許されているのは基本的に盤の回転方向と同一方向のみなので、その反対側に対しては尚更役に立ちません。存在自体が全く役に立たない訳では無いのですが、埃払い程度にご理解下さい。尚、私自身は針先清掃の際の最終仕上げのカンチレバーの軸に絡んだり付帯した粒子や毛埃の除去に併用しています。

今回の針の状況は粘着タイプで除去できる範囲を既に超していました。それでもムキになって何度も針先を粘着性軟体に押し付けたりブラシで擦っているうちに手元が狂って事故を起こすかも知れません。
先ずは観察する事が重要ですが、針先をちゃんと眺めてコリャいけませんねと判断したら、いよいよ液体系クリーナーの出番です。固着してしまった汚れの時こそ液体系です。写真はほんの僅かにクリーナーを滴下した電動ブラシをあてている所です。

これが清掃後の姿の顕微鏡写真です、綺麗でしょ?
所で、先に液モノ系の普段使いは控える旨を記しましたね。その理由は簡単で、あの手はどうしたって付けて着けて漬けすぎるのです。良かれと思って洗剤使い過ぎたり、スプレー吹き過ぎたり歯磨き粉山盛りなんかにしてしまうのは人間の性ですし、私もそのケが多少なりともあります。洗濯機に洗剤入れ過ぎれば泡噴いてすすぎで苦労する程度の話ですが、カートリッジに液モノ付け過ぎると、どうしたってカンチレバー伝って内部に浸透して腐食や断線に繋がる要因になったり、その成分自体が接合針の接着や無垢針のカンチレバー接合部の接着剤を時間を掛けて融解に至らしめ、チップ脱落へと導く可能性にも繋がります。
要するに程度の問題では有りますが、針先を観察もせずに無闇に液モノは使わないに越した事はなく、また観察もせずに『ダイヤがすり減った』の様な話もするべからずと言った所です。
実際遠目に眺めて汚れで瘡蓋着いた状態の針先が丸まって見えたのか『擦り減った』と言う方が実に多いのですが、少なくとも私自身は今迄数千個の針先を眺めて来て、擦り減った針先を見た事は残念ながらないし、またビニールで一分間に33・1/3~45回転程度の速さでダイヤモンドを擦って削る方法も知りません。蓄音機の鉄針が純粋に擦り減った姿とか、それこそクリーナーの使い過ぎでチップが脱落した姿や、ダイヤ故の“欠け”は極まれに見た事がありましたが…
それら全てを総合して、針先は普段は粘着タイプを用い、非常手段として液モノを使う積りで結局は両方手元に揃えておかれる事をお勧め致します。その上で、針先の状態の観察や手元に自信が持てない方は、無理して壊したり折ったりする前にそれを購入したお店や扱っているお店に相談下さいませ。その上で彼らが販売する以上の責を果たしきれない様子だった時は遠慮なく当店までご相談下さい。店頭に直に持ち込まれた方は顕微鏡を覗いて自らの針先とそのメンテ具合を体感出来ますし、遠方の方には写真を撮って送ります。
*以下読みたい人だけどうぞ、無理して読まなくていい話だしその結果の感想は保証しませんしご意見も不要です、悪しからず。
序に言うと、メンテも装着も満足に出来んと国内外の綺羅星の如く輝くダイヤの針を売り散らかす超大型カメラ家電量販の資本も規模も構えも立派なオーディオコーナーの優秀な皆さん、なんなら装着やメンテナンスの外注お受け致しますよ。
あなた方が販売したエアコンやTVの取付けを、契約也委託也している工事業者に依頼してるのと同じ程度の話だと思えば、販売したアナログカートリッジの装着やメンテを外部の専門に委託したって問題無かろう、そちらで求められたお客様方々の為にもね、以上
カートリッジのメンテや装着で不安を覚えたお客様も、販売店も→0466-20-5223