フィルム式カメラの修理受付サービス開始
on 2016年6月25日
㈱関東カメラサービス取引開始のご案内
今日はオーディオとは直接の関係はないかもしれませんが、私達でんき堂スクェアが、関東カメラサービス様のサービス窓口として受付を開始した事を、オーディオを愛しフィルムカメラを愛する皆様にご報告致します。
そもそも、オーディオを趣味とされ音楽を愛される皆様方と長年接していて感じられるのは、ハイファイオーディオと言うその趣味としての高尚さに同軸して、実に多くの皆様方が、それらと水平な位置にそれと似た精神性のプライドの高い趣味を複数楽しまれているな、という事です。
やはり店頭で皆様と接していて話題に上がるのは、勿論本業であるオーディオは当然ですが、話題の及ぶ範囲は本格的なカメラであったり、少々手の掛かる車やバイク、ロードサイクルに鉄道模型に時計に万年筆やその他、手間と愛情とお金を、少しでもその深淵に触れた人間には、故に多大に要求してくる非常に恐ろしくも魅力的な物ばかりです。
私自身はオーディオを職業として選択している以上、個人の趣味でオーディオをお客様方に語る事の無い様にプロとして心がけておりますが、皆様が趣味に示される情熱や愛情の深い話に立ち会える瞬間がとても好きで、お話を伺っていて大変に楽しい気分にさせられます。それは自分の全く預かり知らない世界で有っても、オーディオに凝られるお客様がその他に示される愛情は、それ故に大変良く理解出来ているつもりです。
さて、私自身は個人的に写真の世界に居た時期があり、今は趣味としてカメラに携わっている状況で、未だにフィルムカメラのユーザーです。個人的に40年以上の時間の経つオリンパスをこの25年間だけでも3,4回オーバーホールして使い続けています。その際に大手メーカーが手放した旧型機のユーザーが頼りにするのが、文頭に申し上げた㈱関東カメラサービスの存在です。
ここはフィルム機を特に得意とし、メーカーでは対応しなくなったモデルを幅広く修理を受けてくれます。彼らの修理受付リストには、フィルムカメラを愛される皆様が未だに大事にしておられると思われる大半の有名なモデルが多く並んでいます。
今までは事あるごとに近所の馴染みのカメラ屋さんの店主に
「またいったよ、肝心な時に。こことここんとこ頼むわ、モルトも張替だね、ついでに機械式シャッターの高速側もチェックね、MR-9(水銀電池)の代替えアダプターも頂戴!」
と言えば簡単に済んだんですよ、まさに阿吽の呼吸の感覚で。だってそこに居る店主プロだしカメラ詳しいし。後はそこの親父が然るべきメーカーに、駄目なら関東カメラサービスに送って見積出して、私は修理料金を納めて再び愛機と再会です。
と、こ、ろ、が、この十年ですね、雲行きが怪しくなったのが。
急速な勢いでの画像のデジタル化と全国規模のカメラのキ○○ラに代表される様な量販型チェーンの伸張、進出が、個人店を完膚なきまでに叩き潰してしまいました。要するに街のカメラ屋は滅びました。その辺は街の電器屋と家電量販の関係、或いは私の居るオーディオ専門店との関係に良く似ています。
量販チェーン店も勿論カメラの修理の取次はしてくれます。しかしですね、もうこれが、全然話にならないというか、お粗末な極みで、人材を使い捨てする量販の悲しさで、専門店を掲げながらそこに出てくる人間がもう何も知らないの。愛情もって大事にしてるカメラが死にそうだから何とかこいつを助けて欲しいとお願いする私の様な旧世代の人間に、フィルムも見た事無い様なゆ○り世代の特徴と世間一般で言われている様な特徴丸出しみたいなのが、何の感情も示さずに修理要望箇所の人の話を理解してるんだかしてないんだか、マニュアル的に応対する姿に怒りを通り越した物を感じて、その場で愛機取り返して帰りました。
誤解の無い様に言わせて頂くと、ゆ○り世代がフィルムカメラ知らなかろうと黒電話で電話かけられなかろうと、コピー頼んだらコピーしたままコピー機に何十枚そのまんまでも、電車で年寄目の前に立たせたまま優先席に腰掛けスマホいじりながら何の痛痒も感じていない姿にも、私は一向に構わないのです、彼ら彼女らはそういう人種で世代だから。勿論皆が皆と断定しているつもりもありません、そういった特徴はどの世代にも程度の差こそあれ一定して共通に存在しています。
問題なのはカメラ専門店がカメラの修理受付と言う最も慎重さと相手の要望を聞きとるという、ある意味販売以上に高いスキルが要求される応対に、素人以下の人間しか用意出来ないのかという点です。
簡単に言えば、病院に具合が悪くて出向いたとしても、実際に施術する先生は別の人だとしても、最初に患者の話を伺って診察するのもある程度の知識を備えた先生であるという事です。なんでカメラ屋に行ってカメラ触った事無さそうな素人に自分の想いを伝えなきゃいけないの?具合悪くなったボディもって行って渡せば一目で理解してくれたいつもの親父は、街のカメラ屋は、皆どこへ消えてしまったの?
そこで私はハタと気が付きました。
フィルム機未だに愛している皆様はきっとあちこちで同じ思いをしているに違いない、そしてその方々はかなりの確率でオーディオも愛しておられる。私達の店は商売としてカメラ製品は扱ってはいませんが、それらを愛している皆様の気持ちはオーディオに示されるそれと同じくらい良く理解しているつもりである、と。
そこいらの鳩にでも話しかけた方がまだましな反応を示しそうな、話の伝わった感じのしない専門店を謳う量販の素人より、少なくともそれその物をお客様が愛している事を理解している私の方が、同じ修理業者に回すにしてもきっと話が進めやすかろうと。
早速、事の経緯を関東カメラサービスに伝え、私の立ち位置をお伝えした所、彼らは気持ちを理解して下さり気持ち良くオーディオ屋の私に回路を開いて下さいました。よって、今後、藤沢市湘南台にあるでんき堂スクェア界隈でご来店可能範囲の、オーディオを愛している方で且つ、フィルム機もついでに任せていいかな?何しろ近所のカメラ屋無くなったんだよ、あんたオーディオ以外にもカメラの修理取り次ぐなら頼むよ、と思われた方がいらっしゃいましたら、是非一度ご連絡を下さいませ。
最後に、繰り返しになりますが、関東カメラサービスはフィルムカメラ機ならばかなり幅広く面倒を見て下さいます。また、フィルムカメラでも電子制御機よりは機械式系列が特に得意の様ですね。
以下駄文
精緻の極みを尽くし一時代を築いた世界に誇る日本の機械式カメラ全盛期を知る皆様方からすれば、どんなに高性能高画質化されたデジカメ時代の今となっても、石油化合物の練り物に電子基板が入ったカメラには、心からの、効き眼を通しての感情を委ねる右手の支配下にあるシャッターへの一体感と浸透感は得られないのかもしれません。それは今、オーディオの世界でもデジタル圧倒的優位の現状下で、アナログLPとプレーヤーの魅力に取りつかれた方々が多く存在する事でも推しはかれると思います。
そこには「温かみの有る音」程度の、それらを語る際に無闇に使われる良く聞く知った様な言葉で飾られる以上の、回転体自体のメカとしての魅力も多分に含まれているからなのだと思うのです。
本来オーディオ製品と言う趣味性の高い製品は、お客様方がそれに示されるこだわりの高さと愛情の深さ故に、大型家電量販店に並ぶ範囲の製品レベルでの応対や、そこに帰属する店員レベルの知識、経験、年齢面も含めて、一般的にはそれら量販の、お辞儀の角度や朝礼で社長語録を片手にそこに書かれた妄言に近い約束事を集団で連呼して集団的覚醒を覚える様な、監視カメラとセットでマニュアルで管理されたおもてなしでは些か物足りないと、専門性を求めて来店されたであろう趣味深き皆様が、きっとそう感じられるで有ろう事は容易に察せられ想像出来ると言うのは少し言い過ぎでしょうか?
私達専門店は、規模では大型量販店に及ばずとも、その取り扱い製品の精神性故に、皆様がその製品に求められる愛情の深さ故に、その存在をまだ必要とされていると考える所以でもあります。
以上が蛇足ながらも私の簡単な想いです
TEL:0466-20-5223 (お問い合わせはこちら)
http://www.kantocamera.com/index.html (株)関東カメラについて