世の中はアナログブームなんだそうです。

レコードを聴くにはプレーヤーやカートリッジやシェルやリード線やトランスやフォノEQなんかと色々必要になります。
クリーニング関係のメンテナンス用品も、毎度のスプレーと青いベルベットの気休め程度のものでなくキチンと揃えれば、大型家電カメラ量販で山積みで売っている信じられない様な価格の安いプレーヤーより簡単に値が張ります。
まともな音で愉しむには色々調整も必要で、買ってきてすぐ簡単に音が出る物では無いと個人的には思います。
後は繊細な物を取り扱うと言う覚悟と意識と自己責任を持てるかどうかです。
豊富な資本力と取引先との強圧的力関係に於いて、彼ら超大型家電カメラ量販が売り場にさらすアナログプレーヤーやカートリッジを眺めていると、つくづく双方の不幸を感じます。
双方とは、訳も分からず会社の上層やバイヤーとか言う人種が仕入れて来たレコードプレーヤーとか言う、見た事も聴いた事も無いモノを売らされている店員共とそこから購入する方々です。
オーディオ専門店でさえ、一定水準のアナログプレーヤーを取り扱えるだけの知識や経験を有した人間は全スタッフの半分もいないでしょう。
ましてや売り場に人事の都合で配置される彼らが、TVやエアコンはメーカーお膳立ての勉強会程度でどうにかなりましょうが、アナログ製品と言う、それを取り扱うには仕事以上の何かを必要とされる製品を、何の見識も無く平然と取り扱う姿勢には唾棄さえ覚えます。
私自身は本気でアナログを触り出してまだ僅か二十五年です、人様にある程度の事を伝えても問題無いなと感じられるようになってまだ十数年です。
それでも日々追求心と研究と実際の行動が何より必要なジャンルです。私にはまだまだ知らない事が沢山あります。
その私が怖れを為す様な製品を平然と並べ売り散らかす大型家電カメラ量販のオーディオコーナーには、きっと私の経験や知識や技量ではとても及ばない様な素晴らしい技量と能力を有したアナログのオーソリティがいらっしゃる事なのでしょう。
社員の在籍平均寿命が5年程度と言われる人材消耗消費型の彼らの売り場で、見る限り年若いスタッフばかりが並ぶその環境に本当にそういう人間がいる事を切に願います。

詮索は無用ですが、私が以前籍を置いた秋葉原にあるオーディオ専門の老舗店でさえ、アナログプレーヤーに真剣に取り組んでると言いきれるのは私を含めて3人程度でしたね。
そのうちの一人には、今でも私は敵いません。

 

 

ある日、アナログ物色してた私に、おまえにはこのSMEのアームを安く廻してやるが、後は自分で覚えろと言う大変素晴らしい姿勢で臨んで下さったので、私も畜生めと応じて頑張っていますが、この方にはなかなか追いつけないなぁ・・・
その後私はある大型家電量販に頼まれその社内にHI-FIオーディオ専門部署を立ち上げ、私の責任に於いて延べ20名以上のスタッフを集めましたが、プレーヤーにアームを組む様な経験、或いは自己所有してまでそれを覚えようとしたスタッフは結局居ませんでした。
余りに程度が低いので、下取りで入った素晴らしい状態のターンテーブルをタダ同然で与え、これで最低限の事を覚えるようにと申し伝えたスタッフも、一年後に腕を試したら何もしていなかった事が判明してドタマに来た事があります。こういう奴に限っていっぱしの口をきくんだよね
「アキュのサウンドが目指す世界は~」とか「やはりエソさんの造り出す機材は~」みたいな。
それで、おまえ偉そうなこと垂れる前に、一枚レコード磨いてみなって盤とクリーニング液渡したら、数滴を滴下して使うクリーニング液を、ボトルキャップごと蓋開けて何の考えも無く逆さに垂らしてアルバム片面水浸しにして茫然としていたりね。
勿論初めての方がこれやっても僕は何とも思いません、全て経験です。
しかしオーディオ専門店の専門スタッフがこれをやったら許されません、簡単な話です。
一昔前なら上司の命令でオーディオ的に芽の有りそうな若いスタッフに強制的に何百万のローン組ませて高価な機材を買わせ込み、いやがおうにも覚えざるを得ない状況に追い込むと言う手法も有りましたが、今はそういったスパルタ教育は通用しません。

*以下、これよりどうしようも無い話が繰り広げらりますので、皆様が読み進めて気分を悪くされない為にも予め遥か下段の

閑話休題の行へ飛ばれる事をお勧め致しますが、それでも読まれる方は自己責任に於いてよろしくお願い致します。
尚、この文章は、オルトフォン及びポールスターのアーム用の嵩上げ用のアルミスペーサーの新発売のご案内の為に書かれています。
なので、こういった物が分かり切っていらっしゃるベテランの方には、更に下段の一番最後の価格や写真の所までお飛び下さいませ、勝手言って申し訳御座いません。

さて、読まなくても良い続き。

勿論私はそんな事やってませんよ。
ただ、今ではすっかりコンプライアンスとかお客様の側に立ってとか言って、社内にカメラ仕掛けまくって客と店員の会話まで盗聴しているモール好きのどっかの大型家電量販店が、まだ相模原界隈でほのぼのとオーディオとテレビと何故かエアコンを売っていたバブル後半から1990年代初頭、初めて私はそこにメーカーのヘルパーで店に立ったですが、その時のこの会社って暴走族の頭はってた様な奴がトサカやパンチパーマのまま入社面接受けて、その頭戻して来たら採用してやるみたいなノリの会社だったもんだから、私の居た店にも居ましたが、正にそのまんまの主従関係で運営されていて、蹴りは跳ぶはパンチは出るは失敗した部下の掌にホチキスは撃ちこむは、もう出鱈目の極みでした。
そんな環境下で、その怒るとホチキスな店長が新入社員に何百万のオーディオをローンで無理やり買わせて、その彼可哀そうにその店の二階の倉庫に家に持って帰れない様な大きなオーディオが、箱から開けもせずに置いてあったなんて話は当時の語り草です。
大和店だったかなぁ、まぁその怖い店長ももう会社離れられた様子だし、その店もそこには存在しないのでただの昔話ですがね。

皆さん信じられない?
でもここの社長は自ら店長殴ったり責任者にお茶ぶっかけたり競合他社から入った部長と熱海で取っ組み合いしたり、しまいにゃ兄弟で喧嘩して会社割ったりと大変勇ましい方だったので、下がそれ見て真似しない方がおかしいでしょ?
ある日129号沿いにあった店の二階で、休憩しながら店長とだべってたら、この社長が凄い剣幕でゴルフ帰りの恰好で現れて、たまたま覗いたオレ様の店舗に何か不満でもあったのか、開口一番、馬鹿野郎言って私の目の前で店長二三発ブン殴った時は流石に驚いたもんです。何しろ背が高くて顔デカくて声でかいから、これやられると大抵の人間萎縮しちゃうし、そんな姿をその後も沢山見たり聞いたり最後には私もやられたりしました。
やられた店長は悲しいぐらい会社に忠実な人間だったので、店長降ろされた今もその会社にとっての追い出し部屋みたいな物流倉庫に追い込まれて、今でもいらっしゃるらしいと風の便りには伺いましたが。
因みに私は萎縮しないタイプの人間だったので、その社内で大騒ぎになって結果今こうしてますが、なんだか細かい事は当の本人は外部に口外されたくないみたいなので今日はやめときますね。

閑話休題

さて皮肉はこの程度にして、今日はアナログブームとは関係ないアナログ製品のご紹介です。
話判る方に特化して書き進めるので御承知を。
ガラード等で見掛けますが、タンテーブルが厚いフォノモーターの横っちょで、アームがギリギリまで背を伸ばしてる姿、私は以前からどうにも気になって仕方が無いのです。
カメラの三脚のエレベータもアームの軸の高さも、基本あまり伸ばさないのが良いに決まってます。
あくまで微妙な調整の為に使う場所であって、根本的な高さ違いはアームを据えるべきベースを嵩上げしたいと思います。
それで今回、まずはオルトフォンのアーム殆どに使えるアームとキャビネットの間に手挟むスペーサーを専門業者に依頼して作って貰いました。

 

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アルミ製、正確に言うとアルミ合金の5052S板材から切り出しです。
外周はサンドブラスト掛けました。

 

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↑写真は上段左より、ノーマル、5mm、10mm、5+10mm、10+10mmの順となっております↑

厚さ5mmと10mmを用意しましたので、場合によっては組み合わせで15mm,20mmにも対応可能です。
サイズは丸型ベースのオルトフォンアームにネジ開口部含めてドンピシャですが、一応書きますと外形49.75mm、内径22mmです。
重さはそれぞれ20gと40gですがまぁこれはあまり重要ではないでしょう。
因みに、ポールスターのアームへも同サイズなのでお使い頂けます。
尚、こちらは価格を抑える為に包装や過剰な仕上げはされていません、また、少量生産品工場直出しです、傷や仕上げの程度と言った部分の機能に直接関係無い部分はご容赦ください。
要するに、私が図面持って直接金属加工屋さんに出向いて

「これ安く作ってよ、お願い」

と無理言って作って貰った物に必要最低限の利益を載せさせて頂いて提供する、正に必要な方だけに必要なパーツです。
だからブームに関係無いと書きました。
こういったベースをアームに噛ます事によって、当然ながら音質的変化も望めますが、敢えて今回はそこを主眼にはおきません。
世の中には似た目的の物は沢山見掛けますので、ただ、今回のお品はその中にあって比較的お安く手に入る物だと思います。
もし宜しければ使われた上での音質的変化のインフォメーションでも頂戴出来れば大変嬉しく思います。

二枚重ね用の少しお値引きした価格も用意しました。
オルトフォンアーム使用のベテランユーザーの皆さんには一度プレーヤーを横から覗いて頂き、おいおい首が5mm以上伸びてんじゃん、ってなった方は是非、手前共のアームスペーサーをご用命下さいませ。その際にはどうせアームを一度外す作業です、新たに長いネジやボルトも必要になりましょうし、ついでにアームケーブルやシェルやカートリッジも新調下さいませってのは、ちょっとむしが良すぎますかね、へっへ・・・

尚、生産依頼側の懐事情の兼ね合いで、今回の生産量は各10枚です。
継続できるかは売れ行き次第です。
もし好評なら他のアーム用も検討致します、何用が人気でしょうね?

勿論ここに書いてある事なんて、オルトフォンアームを展示もして在庫も抱えてポイント山盛り載せて売ってる大型カメラ量販のオーディオコーナーの店員方の皆さんには余裕のよっちゃんイカでしょうね。
皮肉の駄目押しして今日はこの駄文を〆と致します、皆様お付き合い頂き誠にありがとうございました、おしまい。

2023年11月11日追加

以下の画像はスタッフNのが過去に自宅のシステムに施した際の物です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でんき堂スクェアオリジナル オルトフォンアーム( ポールスター使用可 )用
アルミ製スペーサーDSQ-ARMSP/ORT

販売価格
5mm嵩上げ用:4,600
10mm嵩上げ用:4,900円
10+5=15mm嵩上げ2枚併用:8,600円←2枚同時購入特価設定です。
10+10=20mm嵩上げ2枚併用:8,800円←2枚同時購入特価設定です。

価格は全て税込みです。

 

TEL:0466-20-5223 (お問い合わせはこちら)