皆様こんばんは

関東は週末は悪天候だそうです。見渡す限り日中の街の人波にその雰囲気は感じにくいのですが、一応外出自粛期間なので、真面目な皆様は今週末は尚更家に籠ってオーディオ愉しんでくださいな…
さて、挨拶もそこそこに本題です。

 

 

写真はZonotoneの6NSP-Granster 5500αを剥いた姿です。本来こうはならないのですが、敢えて判る様に慎重に外皮に切り目を入れて、4本の芯線との間にまかれたシールド効果目的のアルミ箔が見える様にしてあります。
このスピーカーケーブルは非常に人気が高く、今月はメーカー在庫の関係でお客様へのお渡しに少々時間を頂くくらいでした。今回はその人気ケーブルの、この構造上内部にまかれたアルミ箔が主題です。
オーディオとは最終的には音楽を愉しむ為の道具なのでしょうが、良い音のそれを追求するうちに、その過程自体が趣味となりえてきます。例えば今回は国内外の様々なスピーカーケーブルを試してこられたお客様が、その追及の過程で閃かれた方法を実現してくれるお店を探しているうちに当店に辿り着いたそうで、その希望はこの5500αの内包するアルミ箔に接地アースを接続したいというものですね。つまり4芯の導線を覆う最外皮との間に巻かれたアルミ箔のスピーカー側は解放とし、反対側のAMP側から何かしらの方法でアース線を取り出して設置させたいと閃き、製造元他幾つかのお店等にその希望を持ち込むもにべもなく断られたそうです。因みに通常このケーブルの外皮を剥くと、大概アルミ箔も一緒に剥けてしまうので上記の写真の様にはなかなかなりません。さて、その話を伺って私も面白そうな試みだなと感じ早速お仕事として承る事と致しましたが、さて千切れやすいアルミ箔と取り出す為のアース線をどう接続させようかなと…

 

 

結論からと言うと、アコースティックリバイブの単線タイプのスピーカーケーブルを用意し、その先端を5cm程度の長剥きとして、5500αのケーブル外皮と導線間に巻かれたアルミ箔へと深く差し込み、二本を手挟み念の為に外側からタイラップで締め上げ確実な接触と致しました。写真はその接続が確実に行われているか導通チェックをテスターを用いて確認している姿です。上側から来ている黒い線が隙間のアルミ箔へ接した状態で取り出されたアース線、その先端のYラグにクリップ型のテスターの一方をあてがい、下側はスピーカーケーブルの反対側、もう一方のテスターの尖端を導体と被覆間のアルミ箔に差し込み測っている訳ですね。液晶の表示がケーブルに巻かれたアルミ箔の上下流でもっての通電を証明していることになります。

ここまで読んできて一体何の事だか分らなかった方も多いとは思います。逆に『あっ』と閃いた方も居たと思うのですね、オーディオを愉しむアプローチには色々な形があると思います。一見傍目には理解し難い拘りや希望も出てくる場合もある事でしょう。私自身はオーディオ的には一つの思考に凝り固まった志向や嗜好は持ち得ていないので、私自身の技量でビジネスの範疇を逸脱しない限りは出来る限り皆様のオーディオ的拘りに対応できる様心掛けています。
今回の様な、試してみたい仕様があるのだけど応じて貰えない、なんて閃きや案件をお持ちのお客様いらっしゃいましたら、一度でんき堂までお問合せ頂ければ幸いです。勿論安全面や私の技量面からお受けできない案件も沢山あるとは思いますが、よそで受けない所謂面倒な仕事を比較的多くお受けしているのも当店のアピールポイントとして書き添えさえて頂きます。

 

但し、その『面倒』とは、『面倒な出来事』と『面倒だけどやりがいがある仕事』の違いは嚙分けてらっしゃる大人の方からの御依頼であると信じております(笑)→0466-20-5223

 

後日、上記ケーブルを納めたお客様より、狙った通りの効果が得られたとのお礼の連絡を頂戴致しました。本文中には書かなかったのですが、今回の案件はなかなか難儀した作業だっただけに嬉しいお言葉でした、ありがとうございました。