皆様今晩は

直接オーディオとは関係ありませんが、94年の歴史を誇る写真誌の代表格『アサヒカメラ』(朝日新聞社)の休刊がつい先日発表されましたね。その少し前にも『月刊カメラマン』が突如休刊しました。出版不況にカメラの出荷台数の怖ろしい勢いでの減少に加えて、今回のコロナ騒動が事実上の引導を渡した形である事は容易に伺えます。分かりやすく言うとアサヒカメラがオーディオ雑誌的位置付けで言う『ステレオサウンド』で、月刊カメラマンが『月刊Stereo』って感じですかね・・・。
私は現在一応オーディオ業界側の人間として振舞っていますが、7歳で初めて一眼レフを握って以来、学生の頃から卒業暫くはカメラ側、表現側の人間で、今でもカメラマンとして活躍する同期が多数います。片やオーディオは中学の頃から始めた趣味としての関わりが最初で、進むべく道として捉え専門教育を受けた表現側に結局は進めずに、趣味として始めた筈のオーディオ側に現在ではすっかり職業として、しかもバイト時代を含めても30年近く関わり現在日々悶絶している自らの現状に色々思う所はありますが、何を言いたいかと申しますと、どちらの業界も大変に厳しいと言う事です。
写真誌の休刊もさりながら、カメラ自体の出荷台数も10年前の半分以下になっているそうです。実際の所オーディオ製品、こと我々がHi-Fiと捉える機材も実際の所似た様な物です。オーディオ雑誌もここ数年の誌数及び発行部数の減少は目を覆うばかりです。どちらもこの10数年間でのデジタル化による飛躍的性能の進化と引き換えに、趣味性を失いその数さえも減らしていく共通性に怖れを覚えます。
でんき堂としては、業界内での影響力はそう大きくは無いでしょうが、衰退傾向のオーディオ業界での数少ない攻め基調の販売店として、今後とも考えられる限りの活動と目線で皆様に臨みたいと考えています、是非応援下さいね。

さてお仕事、連日電源が続きます。今日はお客様お使いの電源ケーブルのリフレッシュ作業です。

 

 

何かの批判的に捉えられると困るので今回は製品名は挙げずに話を進めますね、ともかく人気アクセサリーメーカーの定番人気電源ケーブルを、店頭で気軽にお逢いするには難しい距離のお客様から送って頂き、プラグを外していきます。写真はその姿で、まぁコチラに限らず外すと大体こんな感じですね、撚り線をプラグ内のプレートに直締めしてあります。それがいい悪いの判断はさておき、この方法が数十本に及ぶ(→調べましたら5.5Sqで70本近い本数だそうです)導線を構成する複数の線材に対して、均一の力で締めあげ接点を確保するのはやや難しいのではないか?と皆様にも感じて頂けるかもしれませんね。

 

 

毎度お馴染の眺めではありますが、先程の先端を切り落とし剥き直してQEDの専用スリーブを被せ専用工具で圧着した姿です。先程捌けて写っていた線の全てが、この一辺2.8mmの角柱にプレスされて金属棒状化しています。各線の隙間が無くなって密着して空気が追い出される状況故にAIRLOC、その姿を表した名称としてQEDの英国人達が付けた名前ですね。この状態でのコンセントプラグ内でのプレートへの螺子締めあげと、先程の撚り線たばけ状態での螺子留めのどちらが、より確実で枝毛等も出ない安全性が確保されているかは、皆様がご判断くださいませ。

 

 

はい完成、今回は同じ作業を二本の預かりです。一度外したプラグを据え付け通電チェックを済ませます。店頭で聴く限り、このケーブルが製品名として有す少々大仰な、地殻変動に伴う海洋現象に由来した名称も成程と思わせる鳴り様が確認出来ました。写真にも写っていますが、今回も中村製作所のアモルメットコアを通してあります、太めの導体なので16φのNS-295/8,580円税込を用いました。返却前に外皮も綺麗に拭きあげます、結構汚れている物ですよ。それだけでも再生音には変化を感じられますから、皆様も繋ぎっぱなしの電源ケーブルはたまには端子面も含めて綺麗にして見て下さい。その上でそれ以上の改善、今回の様な作業をご希望の際は是非でんき堂まで一声下さいね。

 

手元の電源ケーブルを一度見つめ直してみましょう、勿論買い替えも愉しいですが、リフレッシュも悪くない物ですよ→0466-20-5223

 

追伸:アサヒカメラと言えば、1991年5月号の表紙とグラビアに驚いた思い出があります。まだCM等で有名になる前の『蘭蘭』名義だった頃の当時15歳だった鈴木蘭々でしたね。カメラマンの力量もあったでしょうが、当時の彼女の瑞々しいの何のって。同じころの『月刊カメラマン』に出てた宍戸留美にも偉く感心したなぁ、オーディオ雑誌も表紙くらいは綺麗な女の人でも載せてですねって、あ、これじゃただのオジサンだ・・・