皆さん今晩は

ここでも頻繁に紹介させて頂いてきた英国QED社のAIRLOCシステム。詳細は別項に譲りますが、おかげさまで各種スピーカーケーブルとQEDプラグ端末を専用の強力なプレス機で金属的溶着でもって一体化されたAIRLOC接続から得られる、高い音楽再現性に皆様からの評価を頂戴出来、この仕組みを取り扱い以来、当店では正確には数えておりませんが数百セット以上は仕上げて参りました。
何度か書かせて頂いておりますが、欧州を中心にこのQEDのAIRLOC方式はケーブル端末の処理方法としてはかなりメジャーになっている様子なのですが、何故か日本では殆ど流通せずに未だに高価な線材と高価なプラグの質のみを騙り、実際の接続は疎かと言う状況なのが些か残念な状況ではあります。要するに剥いて捩って縮れた状態の線を高価なプラグも安いプラグも共通の例のイモ螺子で留めてお終いと言うアレですね。ひっぱりゃ抜けたりしてね・・・
QEDのAIRLOCの場合はプラグの質そのものよりも、線材とプラグ、アンプ-スピーカー機材間の確実な受け渡しを配慮した構造と仕組み側に大きな力点が置かれている、他のケーブルメーカー、各種プラグ製品とは一線を画す存在です。

 

 

写真は既出の物ですが、一般的なケーブルを同じく一般的なイモ螺子留めプラグで組んだ物を外してみた姿です。メーカー組み品でもこの様な状態を見掛けます。散らばる細かい線は、締めあげた際に千切れた線達ですね。プラグ筒内でこれらが散逸している訳だし、イモ螺子自体が撚り線状態の多数芯線に対して均一に接していない事も容易にご理解頂けるかと思います。遊んでる線もあると言う訳です。
気をつけなければいけないのは、このプラグ自体、線自体がいけないと言う訳では無い点です。あるべく姿に持ち込めていないと言うのが正しい答えでしょうか。車に例えれば、高価なホイールとタイヤを正しく組んでバランス取って空気圧測ってアライメント合わせない限りは何の役にも立っていない、下手すればまっすぐ走らない、止まらないという事態になるのと同じですね。要するにキチンと組んでいない高価なケーブルと端子は、キチンと組んだより安価なケーブルと端子と比べても遥かに音楽再現性においては劣ります。

 

 

先の写真のこの件に関しては、正解はこれ、この写真の姿ではないかなと我々は考えています。QED AIRLOC応用の角圧着処理ですね。捌けて縮れて捩れた線材を剥き直し綺麗なうちに専用のスリーブを被せ相当な力を伴う加圧でもって多数芯線間から空気を完全に追い出し一個の金属棒上角柱に仕立て直して、そこに初めて端子のイモ螺子を締めあげる、故に全ての多数撚り芯線に対して均一な接点が確保された状態と言う事ですね。
更にこの上を行く接続確保が今回の話の主役のQED AIRLOCと言う事になります。角圧着の紹介ではAIRLOC “応用” と書きました様に、あくまで圧着処理を施した線材先端に既存プラグをイモ螺子留め致します。

 

 

そしてコチラ、QED AIRLOCですね。バナナやY型プラグ自体を直にケーブルへ360度全周から加圧金属溶着かさせてあります。先程のプラグとイモ螺子の一工程が省け、線材導線とプラグが完全に金属的に通電的に接点フリーで一体化しています。これは引っ張っても外れません。
ならば初めからプラグ等用いずに、撚り線をアンプやスピーカーターミナルに直接強く締めあげればと言う考え方も当然出ては来ますが、結局はターミナルにどれだけ強く撚り線を締めあげた所で、それは結局はバラけて縮れた線材の不均一な接触に過ぎない訳で、その状態と比べても、この先端のプラグ形状が有す接続の確実性には及ばないと思われます。それは聴感でも容易にお分かり頂ける筈ですね。
さて、話が長くなりましたが、上記写真上側は毎度お馴染のQED AIRLOCのABSバナナと呼ばれる形状のプラグですが、今日の本題がその下に並ぶ細いプラグです。先端形状は同一である事がお分かりになると思います。

 

 

こちらが今回より取り扱い開始の、QED AIRLOC MINIですね。構造や効果は同じで、対応線材を小径仕様2.5mmφ迄に特化し、プラグホルダーを省略した廉価版です。廉価版と言っても得られる高価と作業工程は全く同じで、プラグに関わる部材代部分がお安くなった訳です。以前から英国本国では存在する事を把握していたのですが、輸入元と漸く話がまとまり晴れて当店での扱いが可能となりました。

 

 

写真の上三つが今までのAIRLOCプラグ後端で、上限5.5mmφ~上限2.5mmφ迄に応じてインナースリーブを使い分けて対応していましたが、一番下の今回のAIRLOC MINIは、対応ケーブル芯線径上限2.5mmφ迄に特化した訳ですね。
故に今までは線径に関わらず、特殊な構造のケーブルに対しての追加作業が発生しない限りはこのAIRLOC ABSバナナ仕様でAMP、SP左右プラスマイナス計8箇所処理でケーブルお持ち込みにおいて22,000円/税込、ケーブル購入時同時依頼で17,600円/税込でしたが、新たにメニューとして

QED AIRLOC MINI 上限2.5mmφ迄、圧縮部外皮伸縮チューブ被せ仕様

8箇所処理、ケーブルお持ち込み価格 / 15,200円税込

8箇所処理、ケーブル購入時同時依頼 / 12,200円税込

を追加致します。繰り返しですが、対応芯線径は2.5mmφ迄、では具体的に2.5mmφと言いますと、ZonotoneもSAECもortofonも他のどれも、各メーカーラインアップの大概、洋の東西価格の多寡問わずに、スピーカーケーブル全体の凡そ8割の芯線はその範疇に収まるのですね。
今までのAIRLOC処理のお客様にはそれらも含めて全て標準型プラグで応じて来たのはやむを得ないとご理解頂き、見栄えとプラグホルダーが無い故の抜き差しの際に生じる多少の力加減の難しさを除けば、主に価格的メリットでもって積極的にこちら、AIRLOC MINIを選択頂いても今までの標準プラグと比べて何ら失うものは無く、また、まだそれを施して居ないケーブルとは雲泥の差があるとここは敢えて強気に申し上げさせて頂きます。
今まで価格的に今一つ処理依頼に踏み切れなかった皆様にも、是非ともQED AIRLOC処理の他とは一線を画す効果を体感頂く良い機会になると思います。また、でんき堂としても今後基本的には、このAIRLOC MINIの方で対応出来る線材の方にはまずはコチラの方から、即ち効果は落とさずに皆様方の出費の抑えられるAIRLOC MINIの方からお勧めしていく積りです。

 

 

そして勿論QEDケーブルに一番ぴったりなのはQED AIRLOC処理であるのは言うまでもありません。写真は同社のXT25に対してAIRLOC MINIを据えた姿ですね、ほぼ完璧な仕上がりと見栄えと性能ですね。
そもそもQEDのスピーカーケーブルはAIRLOC処理前提なので、その作業が出来ないのに線材を売り散らかす大型カメラ量販の姿勢には全く持って疑問符が付きますが、勿論そんなお店で購入されたQEDは勿論、各種各ブランドのスピーカーケーブルも遠慮なくでんき堂までお持ち込み下さいませ。喜んでAIRLOC処理お受け致しますよ。
因みにQED AIRLOC処理が行えるのは、輸入元に伺う限りは当店を含めて全国で3店舗だそうです。そのうち輸入されたプラグの約8~9割は当店での処理と言うのは余計な話ですかね、すいません。ご近所に処理対応店が見当たらない際には是非でんき堂までお声掛け相談下さいませ、既存使用品他店購入品オークション品、なんでも喜んでお受けします。たった今しがた駅前のカメラ量販で切り売り入手したその足で当店へAIRLOC処理依頼持ち込みなんて方も結構おられます。
その上で、これは嫌味でも皮肉でも無く全国のオーディオ販売店の皆様やメーカの方も、お客様にAIRLOC処理の相談を受けた際には遠慮なく当店までお仕事を振って下さいませ。貴店、貴社の販売されたケーブルにも喜んでAIRLOC処理致します。何しろQED AIRLOC処理は工具が専用な上にベラボウに高価であり、その対応もなかなか煩わしい訳で、例えばビンテージな車を整備に出せば、そのお店が板金、エンジン、電装、ラジエター周り、マフラー専業等と言った各々のエキスパートに仕事を振って最終的に優れた姿の一台が完成する訳で、お客さんがそれらを一軒一軒回って歩く訳では無い様に、QED AIRLOC処理等はそれを得意とする所に回してしまう事自体はなんらおかしなことではないと個人的には考えています。
以上余談ながら皆様の抱えるお得意様へのサービスの足しになるならばご参考までに・・・

 

もう縮れていじけた先端で接続するのはお終いにしませんか?

→0466-20-5223