皆さん今晩は

もう五月、しかし今回のコロナに端を発した社会構造の歪みや軋みが一挙に表面化した数か月でしたね。それに関わる人間共の心底腐りきった汚らしさを端的に体現して見せたかの様な政府謹製のマスクの不透明な発注経路を持ち出すまでも無く・・・

なかなか外に大手を振って出歩ける雰囲気でも無いここ暫くは、室内に籠る機会も増えるかとは思いますが、そんな彼らの不愉快なニュースばかり目にして耳にして腐っていても始まりません。せめて私達は整備の行き届いたオーディオ装置で綺麗な音でお好きなアーティストを聴いて心の健全さを保ちたいものですね。
因みに今キーボードに向かう私の背中越しでは、ジョン・レノンがあの眼鏡越しに全てを見通したかのような視線で世界に向けて発信している所です、50年近くも前にですよ・・・

さて、本題に入る前に一件だけ昨日の投稿でお詫びです。在庫が入りましたと御紹介した山羊毛ブラシなのですが、ご覧下さった方々から次々とお電話を頂戴して5/2深夜時点で残り一つとなってしまいました。
やはりこういった全国レベルでの発信はもっと数を揃えてからではならなかったかもと少し反省している所ですが、何しろ一度の入荷が少ない事と、その次の入荷が不確定故、もし残り一個以降の御所望でご予約になってしまった方には予めお詫びさせて頂き、本日、製作頂いて居る職人さんとの話合いとしては、次回分は6月中にはなんとかなりそうですと一応お答えさせて頂く予定です。
ただ、今回のコロナに限らず何事も不確定な状況の社会情勢故、誰がいつどこで何年何月何時何分系の思考回路の方には、予約される事はあまり強くお勧めしない事も予めお断りさせて頂きますね。まぁ当店のお客様方は良識を兼ね備えた大人の方が殆どなので、そういった話や心配は杞憂に過ぎないと言う物でしょうが、一応です・・・

 

 

さて、ここ最近ケーブルと水晶とアモルメットコアばかりが続いたコチラでしたが、勿論アナログカートリッジのお仕事も沢山承っています。こちらは当店お得意のDENON DL103をベースにそのボディを欅製に換装したモデルですね。しかも今回はDL103RをHighPhonicの城井氏がチューンしたPRO仕様です。ウッドボディ化の趣旨を尊重してお客様からは、シェルには山本音響工芸の柘植材を用いた木製シェル、HS-3を指名頂きました。
因みにこのシェル、良くも悪くも繊細で華奢です。取り扱いにはそれなりの慣れが必要ですので、音は間違いないのですが、自らの指先に不安を覚えた際には装着は出来るだけ専門家にご依頼下さいね。

 

 

換装作業を終えてシェルに装着しリード線も少し良い物を奢り、試聴も済ませていつも通りの顕微鏡での針先確認です。この写真は納品する際に印刷して同時に納めており、なかなかの好評を頂いております。この仕様を試聴する度に毎度感じるのは、全く大した鳴りっぷりだなと言う事ですね、仕事の手を止めて遣り甲斐を覚える瞬間です。
コチラのお客様は当店からすると大変遠くの北の大地からの御依頼でしたが、納品後にお電話で感動の声を頂戴し、まだお会いした事のないお客様に対して改めて感謝の思いを抱いた次第です。

 

 

こちらは先のお客様とは正反対の、当店から見るとうんと西からの御依頼です。テクニカの最新にして高級なMCカートリッジAT-OC9XMLですね、同時に発表された事実上の専用シェルに装着し、お客様のプレーヤーのアームに応じた位置へと針先を導いてから納品です。

 

 

やはり顕微鏡写真を添えて納品です。同じMCカートリッジとは言え、先程の103系と比べても随分違う物ですね。如何にもテクニカだなと思わせるシャープな針先がもたらす見た目の印象を裏切らない鳴りっぷりを身上とする針です。

 

 

はい、こちらはDENONブランド最古の製品DL102モノラルカートリッジで、その登場以来60年近くは経過してますね、すげぇなおい。
専用のY字型リード線の少し良い物を介してShelterのModel1011に装着し、写真に撮り損ねましたが、今大人気のAETの中央部孔開きステンレス螺子を用いて装着しました。

 

 

はい、針先です、丸針形状が僅かに見えますかね・・・

 

 

こちらは違うお客様、別件の仕事のDL102ですが、お客様ご提出のシェルに対して、お使いのプレーヤーをお伺いして必要とする針先位置へ導いたところの姿です。今回は54mmと少し長めの指定です。例えば現在ではDENONのDP1300系列新旧、DP500等がこの針先位置長さを採用しています。
毎度お馴染の事を繰り返しますが、DL102は特にシェルへの取り付けが難しいカートリッジです、どんどん使ってモノラル盤の深奥を愉しんで貰いたいのですが、取り付け調整は是非腕の確かな専門店へお任せ下さい。
でんき堂では他店の売りっぱなし品でもオークション購入品でも友人譲受けでも喜んで取り付け調整承りますよ、その際に、勿論ここまで紹介した物を含めて、こういったご依頼はご来店されずとも電話口での十分な話し合いの機会さえお付き合い頂ければ、お客様の望む仕様に出来る限り応じられると思います。

さて、今日何度目かの『想像してごらん』を聴いて、今日のお仕事はお終い

 

アナログ再生の善し悪しは物ではなく調整からですね、と個人的には思っています→0466-20-5223