立ち上がる時につい

『よっこいしょういち』

等と、元号跨いだ昭和中期のダジャレがつい口を衝いて出る皆様お疲れ様です、そして今晩は。私もそんな皆さんの味方です。

さて、つかみは十分な様なので本題。
FurutechにFP202と言う俗称ピストル型バナナプラグがあります。一般的バナナプラグが真っ直ぐにスピーカーターミナルに挿さりケーブルが伸びるのに対して、こちらはケーブルはプラグに対して斜め方向からの導入構造となり、極太系ケーブルがスピーカーターミナルに負担を掛けたり、背面の壁に当たったりするのを避け効率的に綺麗な配線を実現する事が出来る優れた製品です。金メッキ仕様とロジウムメッキ仕様が、かなり古くから流通した定番品として存在しています。

 

 

プラグの背面のスクリューをねじ込めば、スピーカーターミナル内でのプラグ先端が開いて接触密度を増すと言う凝った構造はなかなかです。
ただ、そこまでは良いのですが、これはフルテック及び製品側の問題と言うよりは、主に仕様側の理解度やセンスに負う面が強いとしか言いようがないのですが、実際にこのプラグを用いた方の殆どが、この開口部に直接撚り線状態のケーブルを挿し込んで、写真にも写っているイモ螺子で締め込んで使う傾向が実に多いのです。その上でネジが届かないとかケーブルがすぐ抜けたみたいな話が実に多い。否定的断定は本来は販売店の立場としてはしたくないのですがこの件はやむをえません、それ間違いです。
本来は使いたいケーブルにリングスリーブを被せ圧着ペンチで咬むか半田で整えた状態にしない限り、イモ螺子で幾ら撚り線を締め込んでも適切な留めは実現出来ません。この件は普段から再三ここでも他のプラグの際にも指摘はしていますが、このプラグはご覧の通り対応ケーブルの対応が太いだけに尚更その傾向が顕著となります。

 

 

写真は今日の仕事で用いた線ではないですが、左側が当店ではお馴染の、QED AIRLOC応用の角圧着処理です。全方位からの高圧プレス状態で、右の撚り線がスリーブ内で圧縮され金属棒状態と化した姿です。
如何でしょう、右側の剥いた状態の撚り線で先程のプラグに留めるのと、左の状態でプラグに締めあげるのと、皆さんはどちら側に接続と電気的接点の確実性を感じられそうですか?

 

 

今回のお仕事はACROLINKの7N-S1400 Leggendaと言う、メートル辺り税込16,500円もする超高級スピーカーケーブルにそのFurutech FP202(R)を、角圧着処理を介して強固に固定です。しかもバイワイヤ接続なので総計16箇所の処理です。お客様のご指名で最近人気上昇のアモルメットコアも手挟みました。プラグ下部には伸縮チューブを被せて絶縁性と見た目も同時に確保してあります。
スピーカーケーブルは、一般的にはケーブル剥いてプラグを留めるだけだから簡単な作業に感じられるだろうし、自分で取り組む事も勿論悪くありません。しかし写真の状態にまで持ち込むには実際にはかなりの技量と道具を擁して時間も掛かります。宜しければ是非腕の確かな専門店に作業を託してみて下さい。こういった作業を行うのはうちに限った事では無いとは思いますので、是非皆様にとっての信頼のおける専門店に相談頂きたと思いますが、QEDのAIRLOC及び角圧着処理は、事実上当店のみの対応かもしれません。
ご来店の難しい方も是非一度連絡を頂いて、電話等で打ち合わせてからのお客様の望む姿でのケーブル作成を致します、既存手持ち使用品でも他社購入品でも持ち込み送り込み喜んでお受けしますので、お気軽にご相談下さいな!

 

内緒でメーカーさんも依頼に来るケーブルの加工は→0466-20-5223