オヤイデ電源タップOCB-1で遊ぶ
on 2020年3月27日皆様今晩は
どうにも宜しからぬ状況が続く毎日ですが、無茶せずインドア向きな趣味であるオーディオと音楽で、当分の間は各自安全に戯れて頂ければと思います。尚、でんき堂スクェは通常営業で開店しておりますので、無理な来店でなくとも電話等でも相談も御注文も承れますので遠慮なくどうぞ。
例えばここによく出てくるケーブルの加工やカートリッジの装着などは、半分以上が県外からの来店無きご注文だったりするのですよ。事前に電話等で十分な打ち合わせを重ねて、お客様の手持ちの部材を宅急便等で送って頂いての加工なども実に多いのですね。
それは店頭での加工、ましてや他店購入品の持ち込みに気軽に応じるオーディオ専門店が、東京でさえ思いの外少ないのがその要因なのでしょうが･･･
さてお仕事
写真は言わずと知れたオヤイデ電気の大ヒット商品、電源タップの基本のキのOCB-1ですね。電源で音が良くなるなんて口にしたらキ印扱いされた様な何十年も前に、我々に対してそこの重要性を説いてくれたオーディオ趣味における電源アクセサリーの位置付けを大いに高めた、エポックメイキングたる存在です。
写真はお客様お持ち込みの物で、何回かのチェンジを経て現在の姿になった最新型と思われます。専用の箱やプレートを奢られスパイクが底に付けられるようになったりとか、初代の既存の電在部品を寄せて組んだ物からすると隔世の感がしますね。
私も30年ちょっと前かな、まだユーザーサイドの立場だった学生当時に、今とは違って活気と変態性がぷんぷん香っていた月間ステレオ誌のザラ紙頁だったと思うけど、このOCB-1の松下電工の病院用WN1318を搭載した仕様の存在を知って、とにかく欲しくて小田急と総武線のって秋葉原行きましたよ、郵便局でバイトして工面した小遣い握って。
当時のそこは今とは違って、正に電気街そのものの活気に満ちていましたが、まぁどの店も今では考えられない様な魑魅魍魎が跋扈する空間でね。（時流れて現代の秋葉原は、変てこなコスプレまとった違った意味での魑魅魍魎が跋扈しとりますが･･･）
スマホなんか当然ある訳ないから雑誌の広告から書き写した手書きの地図（そもそも金ないからその雑誌だって友人の借りて読ませて貰って･･･）握って漸く辿り着いたガード下の小柳出電気は、10代の僕にはそりゃもう衝撃的で。
何故って、ロールに巻いた電線みたいのとか部材が山盛り所狭しと積まれたその空間はどう見たって一般人が立ち寄っていい空間には見えず、どう考えたって業者さん向きの店頭に、更に怖い顔したおじさんがマイ灰皿立てて煙を鼻から口からふかしながら出口にぶっきらぼうに立ってんだもん、怖いの何の。しかもそんな感じの人達が小柳出電気に限らず当時の秋葉原四方八方にね、だから別に小柳出さんが悪いって意味じゃないすよ、悪しからず。
僕『あのあのあのすすすいませぇ～ん』みたいな感じね。
タバコおじさん店員『なに』
僕『あのそのお、お、おお～し～びぃ･･･』
タ『あぁ？』
僕『あ、つまり雑誌に出てる･･･』
タ『なに、タップかぁ、そこよそこの棚、自分で取って、ほら』
と、店内奥側だったかを、ヤニの染み着いた黄色い爪した指でさされ、線材部材がわんさと積まれた棚の奥の上の段から茶箱に入った箱を私は恐る恐る抜き出して、当時の価格で1万円ちょっとだったと思うけど、その怖いおじさんになけなしのお金払って脱兎のごとく逃げ帰った思い出があります。そういやその頃話題になり始めた『じゃんがらラーメン』も喰ったけっかな、その足で･･･
散々怖い思いはしたけれど、今より遥かに純真だった自分は、帰りの電車の中で何度も紙袋の中を覗いてはワクワクしながら帰宅した事をついこの前の事の様に覚えています。
閑話休題、ともあれ、今回のお仕事は私にとってもその想い出のOCB-1の末裔のちょっとした改良です。
今回のお客様の要望は、タップの中の空間に制振効果その他を狙って、水晶を入れてみようという事です。私も先の想い出のOCB-1は30年以上経て未だに大事に使っていて、自分自身のオーディオ弄りが段々上達する様になって種々のテストベッドと化しながら、この様な水晶も入れ込んで未だに現役です。
さて、写真の様に蓋を開けてでんき堂でも販売している屑（不等粒状）水晶を入れ込みます。当店での扱いは1キログラムで2600円です、OCB-1の内部に7分目程度入れるのにその半分くらい使いますかね。
今回の水晶の入れ込む量は箱の7分目程度にしました。
写真には写って居ませんが、実際に作業する際はコンセントはバミテープなどで塞いでから作業した方がいいですよ、私も一度小さな粒をスリット内部に填め込んで取れなくしてしまいえらく往生した経験があります。
さて、蓋閉じて完成ですが、作業を見守って居たお客様がその変わりゆく姿に期待を膨らまされたのか、せっかくだからプラグも替えて下さいとなって、FurutechのFI-11M(Cu)に元の防水型ゴムプラグからすげ替えました。勿論内部処理はでんき堂お得意の、QED AIRLOC応用の撚り線に対しての高圧プレスの角圧着端末処理を施した上でのプラグ装着がされています。
お持ち帰りになったお客様のコメントが私も今から楽しみです。今回の様な水晶を詰める程度の比較的簡単な作業はお客様自身でも勿論出来ますし、御依頼頂いても構いません。端末交換等同時に行うのも宜しいでしょう、水晶も普段は1kg袋の単位で販売できる在庫がありますよ。
尚、文中小柳出電気が怖いみたいな事を書きましたが、あくまでも30年も前の秋葉原電気街全体に横溢していた空気を、雰囲気を、肌身で感じた純真で純粋だった当時の10代の若者の目線での話であって、決して今がそうだと言う意味ではありませんので悪しからず。
コロナだ自粛だ戒厳令だ！どっかの首相の奥さんは懲りもせず花見とかしてるようだけど、まともな神経の僕らは家に籠ってオーディオ三昧→0466-20-5223
