皆さん今晩は、忙しいを理由にロクにコチラに顔を出せずじまいで、せめて4月になる前にと三月最終日にコレを書き始めましたが、相変わらずの未熟なキーボード捌きも有り、ポチポチ指先で叩いてる内に日を跨ぎおまけに内容も纏め切れなくて結局公開時には4月となってしまいました、今年度も宜しくお願い致します。
皆様も無事新年度を迎える事は出来ましたか?私は色んな意味で昨年度を引き摺りながら暫くの間はのたうつ予定です。

さてお仕事。
最近は減少傾向にありますが、アンプの入力端子。CDとかTUNERとかLINEとか一般的にはRCA端子がズラリと並んだ背面を思い起こして頂ければ良いと思いますが、その全てが機材で埋まっている方は、30年前ならともかく最近は滅多にいらっしゃらないですよね。思い返せば私自身も昔は10ある入力系統にほぼ全機材埋めてた時代がありましたが、複数のTAPEデッキもDATもMDもDCC(←そもそも誰も使ってないか)も更にTUNERやグライコも使わなくなった昨今は、アンプに繋がって居る機材はCDやDAC程度で、良くてレコードプレーヤー程度と言う方が大概なんじゃないでしょうか。
そうなってくると最近の3~4系統程度の入力チャンネルのアンプであっても間違いなく未使用の入力端子が空中に向かって口を開いている事態となり、ありとあらゆる電気製品内に通信回路を含む電子機器が跋扈する現代は、以前より生活空間に漂う電波的ノイズは間違いなく増えている状況に於いて、この解放された入力端子が実に悪さを始めます。使っていない端子なんかセレクターで選んでなきゃ関係ないでしょ?と思う向きは、一部の超高級国産アンプならいざ知らず、例えばですね、LINE1に接続したCDプレーヤーなぞを再生した状態のままで隣のLINE2をセレクターで選択し、こちらに繋がった機材は再生しない状態で或いは何も接続しない状態でボリュームをど~んと上げてみて下さい、何だかスピーカーからチャラチャラ聴こえてきませんか?無音だと言う方はよっぽど優れた回路のアンプでもお使いなのでしょうが、私は古い機材を好むので、殊更接続機材複数を同時に再生してしまうと、曲が終わる度に隣に繋いだ機材の音が盛大に回路を伝って漏れてスピーカーから聴こえます。当然選択したソース以外は再生しない、或いは電気的に遮断してしまうのが正解なのですが、では口を開けたままの未使用の端子はどうなるのさ?との疑念が当然頭をもたげます。
かなり以前ですが、真空管アンプに機材を繋がない状態のラインケーブルを挿したままにボリュームを大きめに開いて『ノイズが出る、不良だ!交換しろ』と、客とは言え論評し難い無知から生じた理不尽に等しいクレームを受けて辟易した経験がありますが、機材未接続のラインケーブルがアンテナ化したこの事例はともかくとして、未使用の端子の数だけ何らかの影響元である事は一応考慮しておく事をお勧め致します。勿論先の例の様な機材未接続のケーブルがぷらーんなんて状態は論外ですが。

 

RCAショートピン純銅チップ付作成の図
3Mの超強力テープをポンチで抜き、所定位置に貼ります
純銅チップとショートピンの樹脂部は予め脱脂を施します

 

さて、そんな空き端子をどうにかする為に各社から『ショートピン』が発売されています。注意頂きたいのは読んで字の如くの電気的ショートを目的とした、ホットとコールドが短絡したピンですから、これを挿した端子は自動的に電気的閉回路になります。つまり、入力端子が5系統あるアンプだとして2系統が使用されていて3系統が空きだとします。そこに3系統分6端子このショートピンを挿し込む事によって、実質的2系統入力アンプとして振る舞い外来ノイズ元の遮断の一助となる訳ですね、最近の一部の高級アンプが極端なまでに入力系統を減らしたがる理由はこの辺に理由が少なからずあったりもします。
また、このショートピンは形こそ端子保護のキャップと似ていて実は違う目的なのですが、ここは何度説明しても判らない人、或いは話なんか聞いちゃいない方は一定数世の中にどうしてもいらして、やはり以前ショートピンを販売した際に『絶対に使わない“入力端子”以外には挿さないで下さい、出力端子に挿したら駄目ですよ?』と念を押したその直後の閉店間際に音が出ないとクレームの電話が入って、何度確認しても自分は絶対間違って居ない、責任取れ、今すぐ見に来い!と豪語されるので、やむを得ず夜中にハンドル握って1時間くらいの距離走ってお怒り気味のお客さん宅まで出向いたら、見事にダメって言った筈の出力端子に件のショートピンがばっちり挿してあって、抜いたら当然音は出て、態度豹変させて言い訳気味の詫びの言葉を述べる声を肩越しに聴きながら踵を返して黙って帰って来たこともありました。
よって、まぁここを読まれている方々は心配ないでしょうが、上記の様なレベルの方以外向きの商品と思って読んで頂ければ幸いですが、ショートピンは非常に安く高い効果を得られるアクセサリーです。何はともあれS/Nの向上が体感できます。例えばそれが古い音質的にボーボー気味のアンプだったとして、ショートピンを各空き端子に挿していくと効果覿面に再生音の雑味が消えて、数ランク高級なアンプみたいな清楚感も得られます。
また、この辺の事は他の方もどこかで書いて居らっしゃいましたが、空き端子を全てショートピンで埋め尽くすより、少し解放端子を残した方が音が良かった等の様々な報告も見受けます。その辺は各自是非体感頂きたいのですが、端子が多ければ多いほど必要とするショートピンの数が多くなる訳で、立派な仕上げのメーカー品は勿論魅力なのですが、以前の私の様に10系統ある入力端子のうち8系統16端子分をもう使わないから埋めたいなんて時には、相当な出費となる訳でして、実際効果が有るかどうか体感していないうちにはなかなかお金も使い難い物ですよね。
そこで上記の写真となるのですが、以前よりでんき堂では市販のショートピン(一個150円程度=上記写真中央付近)を扱っております。これなら8系統埋めたって16個2,400円程度の出費とそんなに経済的に苦しまずに体感出来る筈ですね。実際実に役立つアイテムですが、じゃぁ各社の造りも見栄えも質量も立派な高価な高級ショートピンとの違いは何なのさ?と言う問いは当然出て来る訳でして、簡単に答えてしまうとそれらと安価なショートピンとは電気的ショートとしての効果には差が無く、違いは見栄えと端子に挿し込んでの壮観さと、投じられた素材の質量がもたらす故の端子面裏側に通ずる回路部への制振制御ですね。
よって基本は工夫と廉価な方からお勧めする方針のでんき堂としては安価なショートピンで高級品の制振性も欲しいナと思い、業者にお願いして純銅チップを打抜いて貰い件のショートピン背面に貼り付け、実質見栄え以外の高級品同等の性能を得て可能な限りお安く提供しようと考えました、上記はその作成風景です。

 


貼り合わせ後に締め上げの図

 

それにしても昨今の金属、特に銅価格原価とこういった金属加工業者の工賃の上昇は相当なもので、少々の私の手間賃を入れてどうにかペアで1,000円税込みと言ったところで御許し頂ければ幸いです。写真はスコッチの強力かつ弾性に富んだテープで貼り付け、以降の剥離や脱落防止を目的に、万力にて一定時間に亘って締め上げ、貼付対象と粘着面の貼り面同士の継続的安定を図っている姿です。

 

 

ハイ出来上がり、今回は御依頼にて20個作成致しました。即ち未使用の入力端子が10系統とはAVアンプ等でしょうかね?ともあれ効果の程は挿してのお楽しみです。

尚、重ねて申し上げ致しますが、RCA入力端子専用です、全機材への実効保証の限りは無いのですが、デジタル入力空き端子に対して(最近のCDプレーヤーはデジタル入力搭載機種が増えましたよね)の使用もかなりの音質的効果が確認出来ました。また、マッキントッシュの様にアンバランスとバランス回路が同じ入力系統を持ち合う機材などでは、バランス入力使用時に同系統のRCAに挿すと音が出なくなるケースが発生しますので、ご自身がお使いの機材の特性を良くご理解頂いて使われる事をお勧め致します。

最後に、言わずもがなですが、当店オリジナルのコチラはあくまで廉価にその能力を広く皆様に体感頂きたい目的のもので有って、決してメーカー謹製品に対して(ショップオリジナル系製品にありがちな)勝負を挑む目的ではない立ち位置で販売している事をお客様方もメーカ関係者の方々もご理解頂ければ幸いです、経済的余裕がある方は是非とも各社から出揃っている高級タイプを御所望くださいませ。

 

でんき堂オリジナル、純銅チップ貼り合わせ済みショートピン1,000円税込みペア→0466-20-5223