皆さん今晩は

この二十年くらいはオーディオ製品の電源ケーブルがインレット対応型になって、多くのメーカーでそれが標準となりました。故に皆さんお好みの電源ケーブルを選択出来る様になった訳ですね。30年前に固定型電源ケーブルが標準だったサンスイのアンプの電源ケーブルをどうにかしようと苦労した身としては今の状況には隔世の感を覚えますね。ところで電源ケーブル差し替え交換対応とはいえ、機材サイズやメーカーの考え方の問題で3極ピン対応ではない、眼鏡型プラグと言うその断面が8の字をした小型プラグを採用した機材も結構存在致します。今や選ぶのに苦労するくらい各社選択肢の揃った趣味性の高いオーディオ用電源ケーブルですが、眼鏡型タイプは殆ど製品としての種類が存在致しません。よって既存のオーディオケーブルや新規の切り売り線に、フルテックが用意した高級タイプのオーディオ用眼鏡型プラグを誂えて作る事になる訳です。

 

 

今回はそういった眼鏡型機材に、高級ケーブルを接続したいと言うお客様お持ち込みのメーカー完成型高級ケーブルのインレット側を外して、フルテックのFI-8N NCF(R)に換装です。同時に壁側コンセント内も当店お得意のQED AIRLOC応用の角圧着端末仕上げとしました。ケーブル導体外径が非常に太い仕様でしたので、眼鏡型プラグが取り付けられるように多少の加工も必要で、このクラスを弄る際にはある程度の技量と経験が必要ですと一応申し上げておきますね。

 

 

写真の眼鏡型プラグの付け根に注目頂ければ加工者としては報われる次第です。さてこのプラグを奢るお仕事は今迄も数多くお受けして来まして、その際にフルテックのこのタイプを用いる事が多いのですが、以前よりそのプラグ内への線材の接続に使うイモネジの付属のレンチが本締めで『なめる』傾向があり、おかしいなと手元の工具に持ち替えてもあまり変わらず、径はヘックスレンチの1.5㎜なのですがどうもおかしい。そこでインチに持ち替えたらなんと1/16インチでピッタリ治まるよ、おいおいおいおい。つまりこのプラグの採用している極小のイモ螺子はインチ規格ですね。確かにインチとミリの工具はその径が近い際には共用される(7/8インチ≒11㎜)等の場合も無いとは言い切れませんが、1/16インチとは正確に言うと、1.588㎜、1.5㎜とのその差は僅かに感じるかもしれませんが、この小さなサイズにおいては大きな差ですよ。軽く回す分には問題なくても本締めには無理があります。

 

 

写真でその差を見極めは無理でしょうが一番右が1/16インチ、その左隣が付属の1.5㎜です。左のは細径用のインチ工具のセットですので、工作系の方はこういうのを持っといた方がいいでしょうね。
私がここで言いたいのは、メーカーが商品の付属に付ける様な工具の成否やレベルを云々論う目的ではなく、何であれ作成する方は、道具は付属品等には頼らず一通り揃えましょうねと言う意味です。そうでない方は自ら手等下さずに、遠慮なくその作成は近所のプロか当店までお任せくださいませ。

とまぁ今回は殆どの方にはどうでもよい細かい手順も踏んで新たなケーブルが出来上がって無事納品され、後日お客様からお喜びの報告の電話を頂戴出来た次第、お客様にとってはミリだろうとインチだろうとその苦労など関係なく、良い音がお届けできれば嬉しいですよね。

 

好みのケーブルで眼鏡プラグ型高級ケーブルを作りましょう→0466-20-5223