皆さん今晩は

新型ウィルスの蔓延以降本当にロクな事が無い様な世の中の気がしますね、そのロクでも無い事に更に屋上屋を重ねる様な話で誠に申し訳ございませんが、DENONやmarantz関連で大幅な値上げが控えています。世の中の動向に対して製造側も小売り側もほぼ余裕を残せていないのも事実で、販売価格にそれが直結するのは道理とは言え心苦しい事には変わりません。値上げだけならまだしも、すっかり基礎体力を失いかけたこの国は、既に満足なレコードプレーヤーさえ作れなくなってきています。そもそも国の政策が物作りの根幹を為す中小企業や技術者に対してその仕組みが余りにも冷淡な構造故、今後ますます一般常識的範囲での購入可能な真っ当な製品造りは難しくなっていきます。
今回の値上げには定番としていつでも当たり前の様に存在して居たDL103等も含めれていて、その価格はいよいよ高級品の手前と呼ぶに相応しいところにまで迫りつつあります。かつて10人体制で組まれていたこの針も、今では僅か1~2名の手によって組まれていて、今回は値上げと言う形ですが、その次がどうなるのかは全く予測不能の段階に来ている予感が致します。
世の中的にはアナログブームの様な言葉が独り歩きしていますが、その実1970年代から1980年代には当たり前の様に存在した、大卒初任給の一月分から半分程度で手に入るまともなアナログプレーヤーは実質存在して居ません。例えばそれがトリオのKP1100だったとして、現代にその同程度を探せば、その製品は先般アームの制作メーカーの消滅によって半強制的に命脈の途絶えたラックスのPD171と言う事になり、その価格は50万円はしていましたので、今時分の初任給に当て嵌めて考えれば2倍強と言ったところでしょうか。そしてその金額を払えたとしても最早製造手段がなく入手不可な状況なのです。中堅製品の存在しない市場において一体何を根拠にブームを煽るのか、実のところ私には不明です。
ともあれ今後日本では大資本が海外で大量に発注するライフサイクルの短い一過性の大量生産製品以外、国内の製造技術と人材を使う製品は今後徹底して高価になるか消えて行くかのどちらかで有るのはほぼ間違い有りません。そしてアナログ製品等と言うものは正にその範疇の物なので、今手に入れられる方はとにかく一も二も無くその確保にお努め下さい。今回はまず9/1からDENON及びマランツ関連の一連の製品が値上げの対象となりますが、その他国内ブランド、メーカーが今後それに連なる事は容易に想像できます。とにかく日本はいよいよ物が作れなくなって来ているのです。

その実態も何も理解せずに大上段から物作りニッポンなどと無責任な言葉を掲げながら、余計な箱モノや不要な国策イベントばかり投資して、中小の国内製造業には何も配慮の無い愚かな為政者共に心底胸糞悪くなる毎日ですね、まともなレコード用のアームの一本も作れない国にいよいよなりました、次は間違いなくレコード針の番ですよ…

 

 

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