皆様こんばんは

今これを記してる時点で本日は11月の最終日、即ち晦日であり明日からは師走、ろくな事のなかった西暦2020年及び令和2年の最後の一ヶ月です。超手前味噌ですが、無自覚無責任な為政者共の口車乗ってゴォトゥ~な予定ではない方は、無用な接触を控えられるオーディオと音楽で是非この年末をお楽しみくださいね。でんき堂的には諸般の状況や事情を鑑みての、ご来店叶わぬお客様方に対しても可能な限りのサービス精神でもって無接触でのオーディオの相談なりご購入に対して店頭対応同等の精神で応じる積りですので何卒宜しくお願い致します。

さてお仕事

今日の御紹介は、その無接触型サービスの一例ですね。
以前当店にケーブルの作成を御依頼下さったお客様が、その出来栄えに感心して下さり信頼をおいてくれたのでしょうね、再びの依頼は電話で要件を伺いました。
内容は現在ご使用中のメーカー製電源ケーブル、1.8mの物を奇麗に半分の地点で二つにちょん切り、新たに二本になったそれぞれの端末には当店お得意にしてプラグ内部で唯一無二の接続が叶うQED AIRLOC応用の角圧着処理を施した上で、一方は既存のプラグを付け直し、片方には新たに購ったプラグを装着して新規に作り直し、同時に両者共に外装シースを被せアモルメットコアも通して性能の嵩上げを図るという、元の一本の高級ケーブルから新たに長さ90cm二本の性能的進化を遂げた状態でのケーブルに作り替えるという、非常に合理的かつ興味深い作業です。
そんな面倒しなくてももう一本買えば?と思う方もおられるやも知れませんが、例えばメーカー製ケーブルは一般的にはその長さの選択肢は多くなく、1.5mや1.8mの物が多いと思います。しかしお客様のお宅毎に配置も配線も自ずと異なる状況で、実はもっと短くてもよいのだけど、このケーブルが不要にとぐろを巻いた状態は何とかしたい、といった事例は実に多く、適切な長さに切り詰めて欲しいという依頼は結構多いのですね。
勿論製品を提供する側のメーカー側からすれば不特定多数の皆様にとって使い易い一般的な長さで製品提供を考えているので、こういった事例に対応しきれていない現実に私自身はあまり批判的立場ではないのですが、各々の機材へ設置環境に応じた、適切な長さと見栄えで接続されたシステムの配線と配置の美しさを、そこから得られる見栄え音質共々知る立場としては、是非皆様にも一度オーディオ機材周りの配線の見直しにも目を向けて貰えればと考えています。要するに整理された接続は大変見晴らしの良い眺めであり音な訳です。
また、買い増しと違って一本から二本に切り分けた線材で作る二本目は、基本的に元の線と同じ音質傾向の電源ケーブルな訳ですから、同じ線で揃えたシステムバランスを得る意味でも大変優れた方法だと思いますよ。

 

 

写真は早速宅急便で届いたケーブルを二つに切り分けて既存のプラグを外しに掛かったところです。まぁよくある一般的な内部接続方法でした。撚線直締め、それ自体は悪くはないけれども、強く引けば抜ける奴ですね。
尚、チョキンとやる所は撮ってません、高級ケーブルを切断するのって幾ら御依頼といえども勇気がいるのですよ…

 

 

剥き直したケーブル端末にQED AIRLOC応用の角圧着を施します。今回のお客様宅は、電源環境にはアースラインが整備されているそうなのでG線も活かしてあります。更に元の製品自体がシールドを壁側G線に落とす構造に作られていましたので、今回新たにプラグを装着する二本目も含めて、シールドのG線壁側接地処理を施します。写真では真ん中の線に対してもう一本の銅線が沿っているのが確認できると思います。

 

 

複数の工程を経て作り上げ更に同じ事をもう一度行い二本のケーブルが仕上がりました。白いプラグが元のケーブルに付いて居た物で、青い方が新規装着分です。また、元のプラグは何やらベトベトと結構な汚れ具合でしたので、奇麗に端子も含めて磨いておきました。
今回はブランドこそ違いますが元のケーブルを尊重して新しいプラグもロジウムメッキ仕様を選択し、双方とも中村製作所のアモルメットコア、NS-285を通してあります。外装シースは二本の見分けとお客様の好みを尊重して、今回は赤と橙に掛け分けました。因みに現時点ではその二色の他に、黒、灰、青、緑、黄、白、半透明の計9色の外装シースが選択頂けます。なかなか良い仕事が出来たと思いますが、皆様の目にはどのように映りましたでしょうか?近いうちにこちらのお客様から寄せられるやもしれぬ感想共々楽しみにお待ちしていますね。

 

 

こちらは別件で真っさらの新規作成です。OYAIDEのTSUNAMIにFurutech FI-11-N1のロジウム仕様を装着しました。勿論内部接続はQED AIRLOC応用の角圧着仕上げです。シースは橙色の御指定、元の線の外装が白いこともあり、被せたシースの色味が非常に映えた見栄えとなりました。作成完了後、店頭で暫し音出しを済ませ出来上がりの状態と音質と安全を確認してから出荷です。
ところで、こういった切り売り線をベースに電源ケーブルを作成するにあたって、メーカーによって最小の切り出し単位が1mの対応だったり50cm、或いは細かく10cm毎であったりと様々です。都度確認対応が必要となる案件でもありますので、作成依頼時にはその旨併せてご相談くださいませ。尚我々店頭としては、ケーブル各社さんに対して出来るだけ、高価な品は特に細かい切り出しを要望こそしていますが、彼らにも諸般の都合と事情があってなかなか一筋縄でいかぬこともご理解くださいませ…

 

 

こちらは以前、当店のオリジナルケーブルを納めさせて頂いたお客様からの出戻り加工依頼です。
出戻りというと何かクレームっぽいですがさにあらず。こちらのお客様は大変熱心かつ当店の良き理解者で、以前よりFurutechのFP-220AgとFI-11(Cu)で組んだ当店のオリジナルケーブルを大変お気に入り頂いて多数使っていただいているのですが、今回はそのケーブルに対して、是非静電気対策の施されたNCF仕様のプラグを試されたいとの事で、インレット側にFurutechのFI-C15 NCF(R)を付け直して比較してみたいというご依頼においての作業です。
尚、このFI-C15は元来丸型プラグでは使いにくい狭幅な端子周りの機材用に開発された細身が身上のプラグでしたが、既存製品に比べて内部の取り回しは比較的大きめに作られていて、その外見の割には作成側としては扱い易いプラグです。当店お得意の角圧着仕上げも対応いたします。写真のように用いる線材自体が太すぎなければアモルメットコアの内包実装も可能です。また、現在NCF対応した製品が増えるFurutechにおいて、FI-11系列より一足先にそれが施されて来ました。フルテックさん、11系列も早くNCF対応をよろしくお願いいたしますネ!

 

 

今回はお持ちの中の二本に対してその変更を施しました。インレットプラグ側のFI‐11(Cu)→FI‐C15 NCF(R)への変更が音にどう表れたかは、後日お客様からの報告を待って改めてご紹介したいと思います。

 

さて、取り留めもなく11月のお仕事紹介でした。今年もあとひと月を残すばかり、或いはあとひと月ある!と考えるかはそれぞれの立場如何でしょうが、でんき堂的にはこのまま全力で年末に突入です。皆様くれぐれも健康に留意してお過ごしくださいませ、そして気が向いたら是非当店にもお仕事を下さいませ!以上

 

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