皆様今晩は

どんどんハイテク化される時代の趨勢に疎い私は、先日籠に商品入れたままセルフでレジ済ませろと言うユニクロの店頭で、慣れた様子の他の客に交じって一人大汗をかかされました。個々に読み取るでもなく一気に複数の商品を籠ごと会計する仕組みが一体どういう仕掛けになってんだかよく分かりませんが、一つくらい有人レジ残しといてくれませんかねぇ・・・。
昔は国鉄も名鉄も京急辺りも、自動券売機が当たり前の時代になってからも未だ、東急や小田急等とは違ってかなり遅い時期まで窓口での切符が買えたもんだから、私自身は好んで『新名古屋まで往復一枚』とか『三浦海岸まで』なんて言ってそっちで買ってました。何しろ硬券で発券される切符に改札でパチンと挟み入れて貰う感覚が良いんだよねって、もう伝わらないか、こんな話。

閑話休題、HighphonicのDL-102専用トランス、HP-102Mが好調です。値段的には3万円代中頃で購えるこのトランスを通して聴くDENON DL-102が提供するモノラルLPの音楽世界は、正直今迄自分は何をしていたのかね?と恥ずかしい思いをさせられる程の鳴り具合で、その特有のインピーダンス(220Ω)故にMMポジションで再生可能と言われているDL-102に対して、実は私達は大きな勘違いをしていた事に気が付かされます。要するにMMポジションでも音が出ます程度の話であって、その後に続く『けれどもDL-102本来の性能が得られる訳ではない』の文言が本当は有ったのだろうなと。それが本来、専用トランスとペアで使われる業務機だった筈のDL-102が、単体カートリッジとして民生市場に流れる様になって以来の数10年に於いて、その位置付けや本来の意味が段々と忘れられて変異して行ってしまったのだろうとさえ考えます。それくらい衝撃的な組み合わせです。まだ専用トランスで組んだ音を知らないDL-102ユーザーの方々には是非専用トランスで聴くこの製品本来の持つ能力を体感頂きたいと思います。
さて、そうなると今度はオリジンとしてのDL-102本来の接続方法に回帰する事になります。即ちピン2本出しのこのカートリッジから、現代のステレオシェルに対してリード線2本のみを用いたモノラル接続となり、アームケーブルはシェルに接続した側のみのチャンネル、例えば赤緑を使った場合は右(R)チャンネルのみを当トランスに接続し、昇圧後初めて均等2本出し、即ちデュアルモノラル状態でフォノイコライザーへ接続する訳ですね。面白い物でカートリッジからピックアップした直後の微弱な信号状態でのY字型リード線を用いたチャンネル均等割りよりは、昇圧後の安定した信号での均等割り出力に明らかに聴感上の優位性を感じられます。
その際に、先程も書きました様にリード線は大概、赤緑(R)青白(L)の4本組みで販売されている訳でして、せっかくトランスも用意してシェルも奢って少し良いリード線もとは誰しもが考えますが、二本の為に四本購入するのもどうにも勿体無い気が生じるのはこれは人情と言う物です。例えば4本で11,000円リード線買って実際には使うのは2本、余った二本も特に使い先も無くと言うのは、手元の残高に関わらず、お金の使い方としては些か問題を覚えなくもありません。それはいくら商売とは言え、販売する側の私達としても、明らかに使わないと分かっている物を承知で余計な物をお客様へ販売する事には躊躇いがあるのは事実です。
確かにメーカー側の理論としては、本来世の中の殆どがリード線は4本一組で使われる中に、年間に300個も作られて居ないDL-102カートリッジ(!)の、更に僅か1割に満たない程度の使い方のユーザーの為に態々商品をバラシて販売するメリットなど何もなく、ましてや原価で売ってるのではないですから、4本1万円でパッケージされて売ってる物を2本にしたから5千円で販売出来る訳でもない事は、ごく稀にいる商品を部品原価で語るおかしな思考の方を除けば自明の理です。
とは言え、当店的にはリード線が2本のみ必要な機会が十分に増えて来て、世の中にリード線が1種類しかなければそりゃこっちでバラして販売すりゃ造作も無いですが、下は数百円~上は何十万円まで、リード線の種類はそれこそゴマンと存在しています。その上その全ては4本一組なので、お店で下手にバラして半額で販売しようものなら相方を失った各種リード線が2本ずつ累積して即日赤字必至です。何故ならお客様の数だけ欲すリード線は当然違う訳で、お店で余った二本のリード線を気持ちよく買ってくれる善意等には、有難くも甘える訳にもいかないのです。
そこでリード線に関しては間違いなくスペシャリストのKS-Remastaの柄沢氏にお願いして、氏が関わるリード線は基本的に全て当店に対して2本での出荷を協力頂けるようになりました、しかも価格も実質半分です、何と言う懐の深さ。即ち、DL102+HP-102Mで組む際に、今までリード線に予算を5,000円程度割いていたとして、入手出来るリード線は4本で5,000円のもであり、実際に用いるのは内二本と言う事になりますが、これからは同じ5,000円の予算で4本1万円のリード線が選択叶う訳です、こりゃもう頼むしかないなって思いませんか?

 

 

こちらが実際にHP-102接続用にDL-102を組んだ姿です。お客様に御用意したリード線はKS-RemastaのKS-VWS-Spirit.Ⅱ/N、4本一組11,000円税込ですが、勿論今回必要なのは二本ですので5,500円で購入頂きました。(因みに使用しない端子には、念のためにショート接続を施してあります)
更に、AETの衝撃のステンレス製中空螺子、Evo-CSSHも本来長短二組計4本セットなのですが、こちらもAETさんの好意で当店はばら売り対応として組んでいます。リード線を半値で買ってもクラスはその上が手に入るってちょっと面白いじゃないですか。DL-102+Hiphonic HP-102Mは素晴らしい組み合わせなので是非皆様にお勧めしたいですし、その際には柄沢氏の所のリード線の本来の予算の是非一クラス上のリード線を指名してみて下さいな、ただでさえ衝撃の鳴り具合の当組み合わせの驚きと感銘が更に倍増する事請け合いますよ。
不思議な事に、ワンクラス上のリード線をお選び頂いてもお店の売り上げ自体が増えない所に、今回の企画のどこかに些かの問題を感じない訳ではないのですが、間違いなく皆様へのサービスとDL-102のモノラル再生時の音質は向上するかなとは思いますので、この企画に協力下さった柄沢氏共々、是非ともこの組み合わせを今後皆様にお勧めしていきたいと思います。 

 

DENON DL-102&Highphonic HP-102MにKS-Remastaのリード線で最良のモノラル再生を愉しみませんか?→0466-20-5223