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’91年ぐらいだったか、ソナスファベールと言う読みづらい綴りのミニマと言う聴きなれないスピーカーに驚かされたのは。

当時人気だった三菱のDS1000Zと似たような価格でありながら、サイズも表現する世界も価値観も全然違う物が、世の中には有るものだと教えられました。かたや巨大ウーハーに最新ハイテク素材で固めた3WAYで垂直にそそりたつ立派なお姿。かたやそれまでの価値観ではなんとも形容し難い、小さな箱の小さなユニットの2WAY。ウーハー径やユニット数、ハイテク素材に支えられた電気的特性と価格対比に、確かに目を奪われていた自分は、一聴してその艶やかさと響きと豊かな声域に、皮を巻いた丁寧な箱作りに目を耳を奪われました。

特に実用音域での可聴帯域にエネルギー分布を充実させた音楽表現が、それまでのどのスピーカーとも違って新鮮でした。

勿論世界は広いですから、色々な洋物高級機にはそういった世界は存在していたのでしょうが、当時主流だったサンスイやオンキョー等の普通のプリメインアンプに繋ぐ対象としての、金銭的流通的な購買可能対象価格の範囲でのこういった音は、時を同じくして人気のあったハーベスと並んで、「国産ハイテク絶対無共振デジタルサウンド対応3WAY」とか言う今考えるとわけわかんない製品群に洗脳されていた僕らには驚き以外の何物でもなかったと思います。

いや、まぁ確かにあの日本家電メーカー謹製オリジナル墓石スタイル3WAYにも結構世話になったので、別段悪く言う積りは無いのですよ。ただしかしですね、カタログであれだけ数値的マテリアル的コンピュータ解析的絶対優位を誇った数多の品々は、みなどこに消えてしまったのでしょうか?ロッキーチャックの最終回のウサギの気分ですよ、僕は。(←スイマセン、わかりにくいですね)

思いつくままに書き連ねても三菱、オンキョー、デンオン、オットー、パイオニア、ケンウッド、ヤマハ、ソニー、テクニクス、ビクター云々キリがないのでやめておきますが、オンキョーが生産してる事さえ自らが忘れてるかのように80年代スタイルD77一機種残ってる以外文字通り“壊滅”

世の中進歩して良くなってっるなら、その次や新しい姿を見せてくれればいいのですが、何しろ当時あれだけ各社自称凄かったんだから、今もっと凄いでしょと思えば、ハッキリ言って彼らにはもう昔日の面影もなく、下手すりゃオーディオ部門ごと或いはブランドごと消えてというか実態を失ったりしていて、このミニマの復刻版の様な、人々を熱く温かい想いに帰らせてくれるような製品はもうないのです。

復刻版と言え勿論現代の製品です、ただやはり懐かしいし嬉しい。そして音楽的に趣味的に楽しませてくれる。

イタリアの小規模なクラフト集団が昔の顔でスピーカー出して私達を楽しませてくれるのに、何故超巨大電気メーカーどもがかつての製品の一つでも復刻させて僕らを楽しませてくれないの?

ミニマの良さを書こうと思ったら国産の愚痴になってしまって、すいません。とにかく昔を知る方も初めて知る方も、イタリアの小さな逸品を心からお楽しみください、いいものは時代を超えて残る見本のような例ですから。出来れば当時のあのスタンドも一緒に帰ってくればねぇ、ちょっと難しいのかな・・・

それから上記書き連ねたブランド中、最近ソニーがなにやらそのクラスのスピーカーを出していて、きっと物も良いのでしょうが、何しろ彼らは結構良いHI-FIオーディオを作ってオーディオショップには商品を流通させないという凄い営業センスなので、家電量販じゃない私はソニーと最近付き合いが無くてコメントの立場にありません。きっとソニー製品の取り扱いのある大中規模家電屋の店員の方が、ソニー製品を売れる価格で取引してもらえないオーディオ専門店の担当以上に親切丁寧に詳しく説明してくれると思いますよ、きっと、多分、責任は持てませんが。

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