一年半ほど前にここに書いた、SME旧タイプ用の平行5ピン端子を利用してMIL規格線で作り直す記事ですが、思いの外問い合わせや依頼が多いのです、流石SMEですね。
SMEのアーム自体は現在RCA端子化されていますが、古いタイプは皆さんも良くご存じの、あの三角形したベークライトか何かのカバーで覆われた彼ら独自の物で、この規格の端子だけはどう探してもメーカーからの純正部品も代替品も入手が叶いません。よってこの時間の経ったすっかり劣化した純正ケーブルをどうにかしたいならば、アーム自体を相当な金額を掛けてRCA端子化改造する訳ですが、これがまた受け付けてくれるサービスさんの料金が最近とみに金額が張って来ていて、確か4万円を超す用になって来たと思います。
それで、その純正ケーブルの頭を再活用してのケーブルの新規作成となるのですが、これが実際にやってみると、とんでもない技量を要して手間が掛かるのですよね。一度でもこの端子をばらした方ならお分かりでしょうが、英国人の色んな意味でのひねくれ具合を直に思い知らされます、まぁそこが魅力ではあるのですが・・・
でんき堂としては出来るだけ最低限の金額でオーディオを愉しめればと考えて色々提案していますが、線材や部材の価格やその手間でどうしてもSME旧タイプ端子の加工は少々お金を頂きます。それでも納めた客様方からは評判頂けていますので、もしこのタイプのSMEのケーブルでなんとか端子を変えずにケーブルの質を高めたい方は一度ご相談下さいませ。冒頭のリンクに張った記事で紹介されている物は、MIL規格20AWG2芯平行線での作例で、アース周りもオリジナルと同構造で配線してあります。価格は基本1.25m仕上げで22,000円税込

 

 

それで今回紹介する方は、同じくMIL規格線ですが当店オリジナルRCAケーブルとしても大変好評の、同軸22AWG線での作例です。写真は三角形のカバーを外して内部の配線を半田を一本づつ溶いて、プラグ、端末を綺麗に起こし直している所です。全てを外して残りの半田も吸いとったら改めてここにMIL線を半田付けしていきます。結構な時間を経て下の写真が出来上がり、SME特有のアーム配線も再現してあります。また、SMEのケーブルが採用するRCAプラグは、当店が普段使うswitchcraft のオリジナル3502(←国内流通の3502Aとは全く構造が違います)と構造が同じ端末先端孔開きタイプなので、機材側への接触面も極めてオリジナルケーブルと近い仕上がりを見せますから、全然音の印象が悪い方へ違ってしまったと言う事はないと思いますよ。こちらは1.25m仕上げで税込27,800円、フォノファイルの革バンドお一つ添えて納品致します。

 

 

同じMIL規格線の作例ですが、手間と技量は変わらず線材の価格差として約6,000円の開きが出ていますが、得られる音質的面で言うと、個人的には多少高くとも今後はコチラをお勧めする機会が多いかも知れません。とは言えどちらも希少な在庫で数に限りがありますから、どの道お早めに・・・
尚、SME旧タイプの三角プラグのカバーは大変脆く割れ易い構造です。依頼の際はその危険性も承知の上で、実際に現物を確認した上での最悪加工依頼をお受け出来ない状態の場合もある事を予めご了承くださいませ。

 

この腐りきったSMEケーブルをどうにかしてくれい!→0466-20-5223