中学上がるかどうかぐらいの子供の頃から時刻表眺めては、列車 / 鈍行 / 夜行 / 電車 (←最近はもうどうでもよくなってますが、20年くらい前までは両者は旅の移動手段として語る場合は明確にそれぞれの通称で意味合いが違いました、今回は説明を省きますが)に乗って日本中巡ったりしてたので、比較的地理や地名に親しんでる積りだったのですが、我ながら物を知らなかったなぁと思うのは、当時、瀬戸物の産地をその字面から勝手に何となく瀬戸内海周辺のどっか、まぁ兵庫や岡山や広島、愛媛や香川県の沿岸部くらいに薄ぼんやりと思っていた事です。
その間違いに気が付いて、つまり愛知県の瀬戸市界隈が瀬戸焼の発祥の地であり、ほどなくしてその繋がりで陶器と磁器の違いを知ったりして、まぁそうやって間違いと恥を重ねながらモノって覚えていくんでしょうね。
総じて陶器全般を瀬戸物と呼ぶのはその発祥の瀬戸地域が窯として最も古くから有名だったからでしょう。また、これは最近知りましたが、畿内、即ち京の都を中心と見立てた東西でその呼称は変わるようで、畿内から西では唐津焼と呼ばれるのだそうです、ふ~ん。西日本にお住まいの皆さん、これで間違っていませんか?関東の人間はどうも自分達の常識を日本の常識と思いこむ節があるので、こういった全国区で語りかける場では尚更気を付けていきたいと思っています。
そういえば随分と昔ですが、落語家が巡業先のご当地ネタをやる段で、真鶴(神奈川県)の回だったんだけど、延々と『岸壁の母』を枕にしたネタを喋って、そりゃ京都の日本海側の舞鶴でしょ、戦後のシベリア抑留者の引き揚げ港だよ、悲劇だよおい!ってTVに向かって高校生だったかの頃突っ込んだ事がありましたね。
可愛そうな噺家はその後も間違いに気が付かづに延々とそのネタをひっかけ真鶴の会場の皆さんがしら~としている空気が画面越しに伝わって来たのを今でも良く覚えています。真鶴みたいな小さな半島には漁港くらいしかないし、シベリアから引き揚げ者乗せた貨物船が態々津軽海峡抜けて太平洋側に回ってくる理由なんかある訳ないのですが、まぁいいや、こんな話。

さて、相変わらず長い前ふりで何を言いたいのかね君はと、そう、今回はセラミックシェルです。
その昔SAECのWE308SXだったかで採用されたりしたセラミック製のシェルです。製作の難しさやコストの兼ね合いもあって長らくセラミックシェルはSAEC以後あまり見掛けなかったのですが、一昨年だったか、愛知県瀬戸市にあるヤマキ電器と言う、送電線等で重要な碍子などその業界では非常に有名とお伺いする会社が異業種参入の形でオーディオ業界にその技術力を誇るが如く、何十年振りかのセラミックシェルを投入して来たのですね。
その際に初めてお会いした担当者さんが名刺と同時に何故か『崎陽軒』のシュウマイを下さって、シュウマイのお土産は嬉しいけど何故シュウマイ?と怪訝に思った私に向かって

「ヤマキ電器と申しましてもどなたも存知ないでしょうが、崎陽軒のシュウマイに入っている磁器製の醤油さし、そう、ヒョウタンの『ひょうちゃん』ですね、あれの殆どを製造しているのが当社でございます」

と言うではないですか。
おぉ、なんと分かりやすいプレゼン。そうか、瀬戸物の産地はセラミックの工業も盛んな訳だ。

 

 

崎陽軒のシュウマイの販売数を考えると『ひょうちゃん』だけで年間何百万個の生産、これは凄い…って、本業は勿論それだけではない日本の産業に関わる重要な部分なのですが。
その時出たジルコニアセラミックス製ヘッドシェルZHS-01W/B(白黒二色展開)が好評 (【オーディオアクセサリー銘機賞2018】を受賞  ) で、今回新たにその勢いをかって追加モデルとしてアルミナセラミックス製ヘッドシェルAHS-01H及びAHS-01L共に32,000円税抜き、が発表されました。
詳細はリンクに譲るとして、アルミナセラミック製の方がジルコニアセラミックより比重がより軽いのだそうで、セラミックの利点をオーディオ製品的に更に生かせるのだとか。因みに末尾に付くHとLの記号は質量の違いで、Hが16g、Lが13gとなりますので、それぞれのアームに見合った仕様を実際に取り付ける針に則して選らばれれば宜しいかと思います。

店頭では早速同じく新登場のaudio-technicaのAT33PTGⅡを装着して再生してみましたが、シャープな音色が身上のテクニカ33系列の音を更に切れ味よく明快ななりで聴かすのは、間違いなくセラミックスのなせる技と言ったところでしょうね。

 

 

でんき堂スクェア店頭では実物も試聴体験頂けます、今上り調子のヤマキのセラミックシェル、是非皆様のお好きなカートリッジを据えてコレクションに加えてあげて下さいな、その際のリード線も含めた取り付けに纏わる危険で面倒な調整等も勿論併せて承れますので、来店、電話問わず遠慮なくご用命くださいませ。
以前ミュージシャンのサエキけんぞう氏がこの崎陽軒の『ひょうちゃん』を物凄い数のコレクションをされているのをTVで見掛けましたが、氏には到底敵いませんが、私もシュウマイ食べる度に色々な表情違いの『ひょうちゃん』を洗っては手元に残しています。
秋の夜長に崎陽軒のシュウマイつまみにしながら、色々な表情の『ひょうちゃん』並べて眺めて愉しみながら、氏が主宰した音楽ユニット 『パール兄弟』 のLPにヤマキのセラミックシェルに据えられた針降ろして楽しむのも宜しかろうなんて、いったい何人いるんだよ、そんな奴ぁ。マニョマニョ~ ♪ (笑)

 

ヤマキのシェルもテクニカの針も取り付けも→0466-20-5223