世の中ネット検索で全てが分かる様な風潮で、確かに便利で私も利用しますが、私の関わっているオーディオに於いてのみに話を限定しても、角が立たないレベルで表現させて頂いてでも、ハッキリ言って随分出鱈目とテキトーさと思い込みな情報に満ち溢れていてウンザリしますね。勿論私も間違いに満ちた人間なので、善意でそれらを書き込まれてるであろう方々を非難出来る御身分じゃありませんが。

さてそのネット検索で今日も探し物。
欲しい情報は山本音響工芸の砲金削り出し一体型の極めて珍しいアナログカートリッジCA-1M。
数多の針を触ってきましたが、これは初めて見ました。お客様に納めるのにデータが欲しい。
外見から型番とMCなのと、自重は量ればいいし内部インピーダンスも調べる術はある、ただ針圧だけはどうしても分からない。
結構古い針で、肝心の山本さんのページにも記述は無いし、どんなにさがしても海外のサイトにも恐ろしい位この針情報が無い。
今時大変珍しい事ですね、これは。
困ったなと、最後の頼みの綱で、かつてステレオサウンドが発刊していた年鑑、StereoSound YEAR BOOKを年代順に眺めていったら、あったぁ!

 


さすがぁ~、「当時の」ステサン
なんで当時のとカッコ付きかと言うと、数あるオーディオ雑誌で一番役に立つのは実はこれなんじゃないかと一部ではまことしやかに言われていたこの年鑑、2000年正月に発刊されたの最後に以後消滅。毎年コレ買ってへぇ~、世の中凄い物や素敵な物や愚かな物や何に使うんだか良くわかんない物沢山あるんですねぇ~等とと感心したり呆れたりしながら大変愉しいひと時を過ごせる読み物だったですが、なんで無くなっちゃったんでしょうねぇ。WEBに全部出てる?いえいえとんでもない、少なくともこのCA-1Mのデータはここにしか載っていない。やっぱり物は捨てちゃイカン、古い物も先人の知恵も年配も大事にしなきゃ。断舎利ざまぁみろの気分ですね。それに欲しい情報を狙い撃ちするWEBと違って、色々な情報を水平展開で見せてくれる書物は良い物ですよ。
と言う事で、全国に両手の指の合計にも満たないかもしれないこの貴重な針の資料を探して彷徨っているコアなユーザーさんに、このページコピーして公開!と行きたい所ですが、営業店舗としてはそういう事は出来ませんので、もしどうしても山本音響工芸CA-1Mのデータが分からなくて困っている方は一度でんき堂スクェア湘南までお問い合わせ下さいな。
コピーして掲載は問題になるでしょうが、一度私の知識として蓄えられた情報を必要な方にお教えする事はなんら問題が無いでしょうから。
そのついでにせっかくなのでお客様になって頂けたらなお嬉しいし、こういった細かい仕事に従事する身としては励みになりますよね。勿論買ってくれなきゃ教えないみたいな意地悪は言いませんので。
それから余計なお世話でしょうが、もっと規模の大きな、山本音響工芸製品を平然と漫然に扱っている大規模カメラ家電量販に問い合わせて頂いてからで結構ですよ、誰だって資本力が大きくて売上規模が何千億円で何でも揃っていてスタッフもわらわら沢山いて社内教育も徹底していて価格も激安の彼らのお店の方が知識も当然凄そうに感じるもんですよネ。
ここまで読んでおまえいい加減にしろと気分悪くされたかた居たらごめんなさいね、でもですね、先日ですね、

「あのぉ、おじいちゃんから貰ったレコード針について質問なんですが良いですか、シュアの何々ってやつで、コレの交換針とかって手に入るんでしょうかぁ」

と電話が掛かって来て先方様が電話線の繋がった見知らぬ彼方から問うので、別にうちの商売に直接は関係無かったですがキチンとお答えしたら、どうも電話の背後の暗騒音や当事者の受け答えがおかしい。
話終わった後に気になって着信番号それこそ便利なネット検索掛けたらなんと!

けっこう大きめな量販店の電話番号がヒットしましたとさ、ちゃんちゃん

おまえらええ加減にせぇよ

 

接着剤も使わずに綺麗にカットされたカンチレバーに
見事にソリッド角ダイヤが植えられていますね。

PS  総重量32g
針圧1.8~2.5g
内部インピーダンス1Ω←!!!驚愕の超低インピ
真鍮削り出し。1990年代後半製品