スピーカーと言えば一般的に思い浮かぶ縦横比3:2程度の箱型スタイルを、現在の背高なモノへと認識を改めさせたのは、やはりこのB&Wのお陰でしょうかね、良くも悪くも。

B&W自体は70年代から既に一般的な意味での普通の箱型の躯体は採用せずに、独自の込み入った仕様と造りの製品を世に問うていたのですが、日本国内に於いての一般的認知と普及はやはり’90年代中頃以降で、当初はあれだけ違和感を覚えたちょんまげ呼ばわりされたツイーターも含め、今ではすっかりお馴染の姿としてオーディオの世界に当然のスタイルとして氾濫もとい普及しています。

この今回の804Sは、同社の800系列の中でも現場での小型モニターとして需要の高かった805と言う2WAYモニターシリーズの拡大仕様で、床面積は変わらずに本来はスタンドで支えているであろう空間までを筺体とした(中はただの空洞ではない凝った構造ですよ)3WAY 構造4スピーカー搭載の「フロア型」の範疇のモデルと言えます。

素姓の良い805のバランスを崩さずに容積とユニットを増した造りは、音楽再生においても設置性の自由度においても人気を呼び、このクラスとしては抜群の知名度と人気を誇りましたね。

設置の自由と書きましたが、これは805の様な小型スピーカーの適切な設置はスタンドを用意して載せるのですが、フロア型トールボーイスピーカーもスタンドに載った小型スピーカーも専有床面積はほぼ一緒なので、だったら同じ設置面積で容積もユニットも増したモデルの方が使い易くかお買い得なのではないか?と言う観点からの話です。

つまり805も804も置いた時に専有する床面積はほぼ同じです。

実際には積極的な音の好みとして小型2WAY+スタンドの選択もあるのですが、予算が拮抗した場合には、現代のオーディオシーンでは殆んどの場合、フロアスタンディングかつ細身のトールボーイ型のモデルがより多く支持を集めています、その代表がこの804と言っても間違いはなさそうです。

この度の中古は色焼けし難いMR色(ローズナット)、ワンオーナーの綺麗なお品です。元箱も揃っています。

B&Wのスピーカー群は色々な意味で使い手を試す、試される傾向の有る機材です。お買い得感のある804Sでその深みに入り込むのは決して悪い事ではないと思いますよ。

完売しました。