C.E.C AMP3300-BK
on 2012年10月23日一部の方には色んな意味で伝説的にやらかした事で有名な製品です。
何しろ設計者の名は特に伏せますが(最近は高級輸入アンプでその名前を見かけますね)、変態的な拘りの設計を見せる方で、本来この価格帯では追求しなきゃいい様な事を延々と製品に盛り込むもんですから、エントリークラスとして魅せるその能力は同価格帯他社製品に比べればブッチギリに優秀、しかし製品的安定度と言うか普通の価格帯の普通の使い勝手としては最悪の部類と言う、凄い製品です。
この価格帯で完全バランス回路設計で純A級って、当時この製品の内容聞いた時は、つい期待と不安の両方の意味でエッ?とか思いましたしね。
実際実機触って音出してみて、今度はナヌ?って感じだったですしね。
今を遡る事10年近く前、当時秋葉原の老舗オーディオ専門店に勤めていた私は、初めてその実機に接した時に、その価格帯からは想像もつかないレベルを狙った音楽再現性と造り、このクラスを求める層には理解されがたい不安定なその構造的脆さに私個人は大変に魅力を感じたのですが、案の定保守的で狭量な考え方しかできなかったその店の責任者には、ボロクソミソカスに貶され、営業に実機を持ちこんだ営業さんをそれこそ鼻であしらうかのような見下した姿勢で「ん、駄目だこんなもん、持って帰れ」と追い返した姿を、一社員に過ぎなかった私は
「何もそんなに失礼な態度で臨まなくてもいいじゃん、志は高い製品なんだし、要は接客において販売購入側双方の理解の度合いじゃないか」
と内心思いながら後ろから眺めていました。
結局その私の居た店では飾ってもらえずに(ま、あれじゃ営業さんも相当腹に据えかねたでしょう)、秋葉原駅前電気街口のラジオの名を冠した有名なビルの一階にあった同じ会社の店舗では柔軟で人柄のよい店長がいらしたので、無事展示導入され、同じC.E.CのCDとセットで良く売れていましたよね、そもそもが玄人好みのブランドのCP高い製品なんですから、キチンと展示して説明すればそりゃ売れますよ。
では一体何をやらかしたのか?
要するに良く壊れたのです、本当に驚くくらい。
音は良いんです。クラスを簡単に超えています。しかし音を追求するあまりに多少信頼度に掛ける部分が有りました。
ボリュームもあのティアドロップ型、デザイン優先のアイデアまでは良かったんですが、実際用いるとなると余りに動作に節操がなさ過ぎましたね。
しかしそれらは全て初期型のみの問題点で、製品としては一旦長い中断を経て再版された後期型は十分信頼に耐える良い製品に、何しろ大幅な内容変更をして会社傾くくらいお金使ったので、素晴らしく良くなったのですが、最初に付いて回った評判をとり返すことは最後まで出来ませんでした。
そして今回紹介の中古品はと言うと、なんと奇跡的に今まで壊れなかった初期ロット。
オォ、これは!と思いましたが、流石に販売するに当たりC.E.Cのサービス部門において徹底して加補修を施し後期型に造り変えてもらいました。
電解コンデンサだけでも40個交換と、新品みたいなもんです、もう。
余りにお金掛け過ぎて修理代が高くついたので、市場一般の中古価格に倣った価格で販売する為には店としての利益は今回諦めました。
決して皆に一様に“イイ”と言ってお薦めする気は有りませんが、ファンには申し分が無いと思います、お探しだった方にはいいチャンスですネ!
以下補修内容をサービス書からそのまま転載
コンデンサ×40個交換
PTCサーミタス×4個交換
ヒューズ×5個交換
ヒューズホルダー×4個交換
パワースイッチ交換
DIGM基板取り付け←ギャングエラー対策
ゲイン調整
基板半田修正
絶縁シート交換
出力配線×4本交換
入出力端子クリーニング
2012.10.19 C.E.Cサービスにてメンテナンス完了品
販売商品はACケーブル、リモコン有り
取説無し
28.000円税込
AMP3300データ→メーカーHPより転載
定格出力 60W + 60W(8Ω)、100W + 100W(4Ω)
S/N比 102dB
全高調波歪率 0.025% / 50mW
ゲイン XLR:22dB、RCA(max volume):28dB
入力端子 バランス(XLR) x 1、アンバランス(RCA) x 4
出力端子 テープ出力 x 1、スピーカー出力 x 1
電 源 AC100V、50/60Hz
消費電力 最小32W、最大300W
外形寸法 435(W)x 360(D)x 100(H)mm
質 量 9.2kg
付属品 ACケーブル、リモコン(電池付属)、取扱説明書、保証書
カラー ブラック、ゴールド
JANコード ブラック:4992287133006
ゴールド:4992287133013
標準価格 52,500円(税込)
A.I
完売しました。