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暑い暑いとこの季節が来る度に例年同じこと繰り返し喚いていてまるでアホですが、今年は出来損ないの便座のフタみたいな構造物に2500億円以上使うとか使わないとかで、ただでさえ暑い夏を愚かな為政者共がますます熱くしやがって、おまけにそのおぞましい落書きを消すのに60億円だとかで頭沸いてくるよ全く本当にもう。その金でみんなにかき氷でも奢ったほうがよっぽどマシじゃない?

2500億なんて大した金じゃないと言い放った奴もいるそうで、その大した金じゃない2500億で使い方さえ間違わなければ、日本中のいろんな問題が少しだけでも解決するって知ってますかね?

平和の祭典で環境破棄しまくってどうすんのかね、何がオリンピックだおもてなしだ、糞くらえと思いますが、一般庶民の僕らには関わり様がないレベルでのすったもんだなので、せめて頭冷やして心静かに好きな音楽でも聴きましょう。

長年オーディオ携わっていてつくづく思うのは、結局オーディオって極めてプライベートな私的行為なんだなということです。

要するに自分と向き合う時間以外の何物でもないのです。

趣味的なものって一歩踏み込んでその深淵を少し覗き込める地点に立つと、極めて深くて暗い奥底を知る瞬間があります。

大抵は友達に誘われてとか、誰かに勧められてとか始めたものでも、最終的には自分の精神的根本と見つめ合う時が来ます。

仲間と楽しく釣りに出かけても、真摯に糸を繰り出せば冷たい川面でも海面でもいいですが、とにかく道糸に続く見えない奥底に潜む魚との対話であり、更に踏み込めば見えない相手と格闘する想像力と自己を見つめ合う究極の瞬間となります。

カメラを構えて写真を撮るのも、結局はファインダー越しに見える被写体を自分のイメージ下に支配したいという欲求と、撮り手の技量との間での現実の制約との精神的葛藤であり、被写体がなんであれ周りにどれだけ人が居ようが、ファインダーを覗いている限りは極めて私的な瞬間に過ぎません。

複数のドライバーを要してチームとして耐久レースに参加しても、真夜中のサーキットをヘッドライトを頼りにコーナーを曲がりギアを上げ下げし決められたペースで周回する行為は、周りにどれだけの車がひしめいていてもピットで仲間が何人いてストップウォッチ見つめていようと、自己のイメージに正確にコースをトレースする作業は極めて孤独で私的な時間です。

紙飛行機を飛ばして空を眺めている時も山道歩いてる時も、田んぼでタモ網振り回している時も土星の衛星に望遠鏡向けてる瞬間も、時刻表眺めている時も鈍行乗って車窓を眺めている時も、連絡船乗って海峡や島嶼を眺めている時も、友人とヘボ将棋うって盤面前にして悶絶していようと夜中にバイクのキャブレタ弄っていようと2Bの鉛筆小刀で削っていようと、美術館で版画や絵画を眺めていようと、結局はその瞬間は孤独で緻密な作業の繰り返しの代償としての僅かな満足感を得るという意味での私的な行為に過ぎません。

瀬戸内の深夜のフェリーで甲板に寝転がって夜空を眺めたことがありますか?

岸壁を離れ沿岸部の光が遠くなると俄かに星が輝きだし天の川が姿を現し、音もなく頭上いっぱいに飛び交う流星群をたった一人で目にした瞬間、急に広い海上で自分が世の中のたった一人の小さな存在であることが無性に恐ろしくなり、飲んでたウイスキーの瓶蹴っ飛ばして慌てて船内に逃げ帰ったことがあります。

そこには温かみのある照明の下、沢山の乗客なりトラックのドライバーがいて、飲んだり呑んだり食ったり喋ったり眠ったりしているいつもの船内に過ぎなかったのですが、甲板一枚隔てての世界の違いと孤独の有り様にいたく感銘を覚えました。

結局はその瞬間をどう解釈するかの、対象者、感じる側の人の心次第なのですが、オーディオもある一定の水準を越すと、部屋全体に満ちた音場の中に無限の広がりを魅せ、更に二本のスピーカーの交点の向こう側に深いステージが展開し空間が歪み音が生き物のように縦横に動き出す瞬間が確かにあります。

「おまえ変な薬とかやってない?」

とか誤解されると困るし、確かにドラッグ体験者の体験談(書物ですよ、私を含めて身近な体験談じゃないですよ)などでは音が形になって現れ色も見えるそうですが、私はオーディオでその一歩手前までは十分行けると考えています。何も体にイケナイものを注入しなくても、セッティングの出たオーディオは十分に音楽と対峙し自己と向き合う孤独な瞬間を生み出せます。

一般に言われる良い音とか音質などといった話はそこには必要がありません、一種の恐怖というか幻想と錯覚の境界線の境目の体験です。

そして眼前の空間の歪みの中から、既にこの世に生を持たない筈のアーティストの鼓動が眼前に手を伸ばせば触れるような錯覚を持って展開した瞬間、たった一人で部屋にいることが怖くなる様な感覚に、深夜の海上で一人で流星群の乱舞を見つめた時の様な孤独感と高揚感を同時に得ることができます、凄いでしょ?

だって死んだ筈のアーティストが目の前で浮き出て飛び出てきて首を僅かに傾けながら

「一緒に行こう、目を閉じれば真実などどこにもない」

なぞと唄ってんですよ、夜中にこんなことやってると頭おかしくなりそうだ。

さて、ここからが本題です。

要するにオーディオを聴くという体験を実際に出来ている方は実に少ないのです。

それには様々な環境的な制約が伴います。

オーディオショップは実際には営業活動の為に存在していて、そこには店員がいて不特定のお客様が往来されます。

時たま試聴会など開かれますが、ここでは深く触れませんが、集団で音楽を聴くための機材セッティングや配置のスタイル自体が、そもそもたった一人の為の特上のステージを構築する為の、一般家庭内でのオーディオという個人的趣味空間サイズでの音場空間とは大きくかけ離れています、というか相反す行為で、実のところ非常に難しい問題です。

今これを書いている私共のお店は極めて狭く、空間自体は一般的な家庭のリビングにサイズが近いので、試聴で得られる感触自体は極めてリニアなオーディオ環境を得られるのですが、どうしたって営業ですから、そこには私の様な店員がいて接客も存在してメーカーの営業もやってきて他のお客様も来てなんかの勧誘が来てガスの検針が来て宅急便が次々荷物を持ってきて持ち出して、郵便も来て電話もなってと、よそも一緒でしょうが、とにかくアルバム一枚分お店を心静かに一人で専有などということは中々できないのです。

そこで今回実験的にですが、おひとり様限定で専有時間を設定することにしました。

目的はオーディオ機材の販売ではなく、オーディオを通してお好きなアルバムを一枚通してきちんと聴いて頂く時間の体験の提供です。

よって既に完璧にオーディオが組めている環境の方や機材の取っ替え引っ替えでの音試しの向きにはあまり必要がないかと思われます。

家で中々音楽を聴けないけどいつかきちんとシステムを組んでみたい方に、オーディオそのものの感覚を掴んでいただきたいと思います。

この時間は特定の機材や製品には指名も指定もなく、こちらも特定の機材の人気やブランドのプライオリティには頼りませんが、きちんとなる状態を提供いたします。

こちらでシステムを組んで一時間の範囲でお客様にお好きなディスクを通しで聴いていただきたいと思います。

お店の開店前一時間をそれに当てようと思いますので、その間は接客も説明もサービスも存在しません。

他のお客様もいなくて店員も接客体制ではなく営業も居ない時間なので音の大きさも常識の範囲で自由に扱えます。

一度、ある一定のセッティング環境下でお気に入りのアルバムを通して聴いてみたいと思った方、店員や他のお客様、或いは家族や友人の目も気にせずにアルバムを通しで聴いてみませんか?

当日はお好きなアルバムを持参頂いて遠慮なく聴くだけ聴いて、時間が来ればお帰りいただいて結構です。

その上でもしオーディオ的な質問や興味があれば、開店後のお時間に普段のオーディオショップとしてご対応致します。

まずは土曜、日曜の開店前の一時間弱、10:00-11:00をそれに充てたいと思います。

土曜日曜はお店は11:00開店ですので、その間は私を除いてお客様ひとりの時間です。

完全予約制でおひとり様限定、お連れの方もなしの完全おひとり様限定です、理由は上記に論った通りです。

静かな地下のお店でエアコンも効いております。

当初は無料でとも思いましたが、ここはけじめで専有時間に対しての対価としての1000円を頂戴したいと考えます。

ブラックのコーヒーでよろしければお出し致します、苦手な方は水でもご持参ください。

当面はCDの再生で行きたいと思いますが、アナログLPの対応も検討していますので予約の際にご相談ください。

鑑賞中は当方はお客様の邪魔をせずに裏手に控えておりますので、基本的にはディスクの取っ替え引っ替えはございません。

今まで試聴会などに参加されてきて、今ひとつ落ち着けなかった方にはよろしいかと思います。

きちんと音楽を通しで聴く環境を体験されてみて、その上で本来機材の話なのですが、どうもその順番が前後していることがあまりに多いので、今回極めて実験的ですがこの様な企画を思いついてみました。

興味をお持ちになられた方、一度お店の方までお問い合わせいただければ幸いです。

尚、普段の営業は土日は11:00からですので、予約がない限りはその時間はお店は閉じております、この時間の試聴体験に限り、数日前までにご予約を頂きたいと思います。

また、お店の配送や他の方の予約の関係でご希望の日時に添えないこともありますが、予めご了承くださいませ。

勿論普段の営業時間帯での普通にご来店いただき、オーディオ店としての普通にご対応することは幾らでも可能ですので、そこは誤解なきようお願いいたします、以上。

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TEL:0466-20-5223