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御茶ノ水の坂を下った先の、由緒ある鉄道橋をくぐって曲がった先の、とあるビルの薄暗い通路で人目を憚るようにそっと手渡された小さな包。
相手方に礼を述べるなり私はその包を懐にしまい、その場をそそくさと引き上げたのです。

これがどっかの大きな自動車会社の役員だったりしたら、イケナイ薬か何かというネタになるんでしょうが、私が手にしたのは細い線が四色四本並んだなんてことないブリスターパックです。
しかし中身は凄い、こちらも僅かな質量でぶっ飛べる凄いアイテムには変わりませんが合法的で健全です。
ましてやダミーの宝石のおもちゃ仕込んでその下に隠して持ち込んだりする必要も手間もありません。
ユニバーサルシェルでアナログオーディオやられている方にはどなたにでも楽しんでいただけます。
SAECの新しく発表したアナログカートリッジ用リード線の新製品、SR-500です。

 

sr500
質量2グラムあるかないかで定価1万円税別ですから、随分なものに感じられる向きも有りましょうが、新導体PC-Triple Cを用いたアナログ用リード線は、このジャンルとしては初めてですかね?
ともかく早速持ち帰って震える手をおさえ、箱から出すのももどかしい思いでDL103に付けてみました。

 

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今まではテクニカのMG10に標準で付いてるリード線で、今回はそれと付け替えです。
いちおうアルミの強化ベース手挟んであります。
ラックスのPD171Aにトライの真空管フォノイコ経由でマッキントッシュのプリメインアンプ通してB&W鳴らしました、最初に針を通したLPは国内盤のレッドガーランドかな?
誤解を恐れず言えば、業務機的乾いた印象を持つオリジナルDL103が、随分と色艶増した印象を抱かせます。
これは103から103Rに換装した時以上の差を感じます。決して103Rがレベルで103の上にあるとは言いませんが、このリード線を聞いてから針を買い換えるのも悪くはないでしょう、どのみちカートリッジには良い話です。
アナログディスクは音にまつわるファクターが非常に多いので、どこか一箇所だけをあげつらって論じるのは私自身は好まないのですが、きちんとしたセッティングが入口から出口まで行われている環境下での何かの変更において最も効果を得やすいのは、

プレーヤー→シェル→リード線→アーム→アームケーブル→トランス→ラインケーブル→フォノイコライザー→ラインケーブル→プリアンプ→ラインケーブル→パワーアンプ→スピーカーケーブル→スピーカー

と、書いてて面倒臭くなるような面倒なシステムがあったとして、それぞれが適切な配置とセッティングがなされていたとして、電源ケーブルも最低限の配慮がなされていたとした場合、1万円程度の投資で最も効果の高い部分は、やはりリード線ではないでしょうか。
なぜなら交換しただけの満足感を有無を言わせず得るには、他の部所間のケーブル類は、どうしても1万円を越してきますね、上記の組み合わせにおいては。

たかが1~2g、手を出して人生おかしくする薬もあれば、たかが1~2g1万円程度の投資で音楽観変わるアイテムもあるのです。
健全な心と精神を持つ我々は、ぜひ後者への投資でどんどん音楽を楽しみたいものです。

尚、当店ではリード線の交換など承る事が出来ます。お持ち込み、或いは確実な輸送手段に於いてお客様カートリッジを託して頂ければ、リード線交換やシェル交換なども僅かな費用で喜んでお受け致しますので、なんなりとご相談下さいませ。

しっかし仕入先取引先には狂ったように厳しい条件やルールを求める世界最大の自動車会社も、自身の役員の採用基準は随分と自由鞭撻なご様子で羨ましい限り、是非ともその手の人種をたくさん雇って昼から夢見ながらペイズリー柄のカラフルな模様が飛び交うポップでサイケな車を開発してください。

注記

上記文中で特定の自動車メーカーの役員や姿勢を揶揄するかの表現が見受けられますが、全てフィクションです、世界最大のハイブリッド車を作るメーカーを馬鹿にするとはけしからんみたいなクレームはお断りです。
また、カートリッジの件で震える手でと書いてありますが、私の手は普段血圧や薬などで震えたりしません、高価なカートリッジなどを扱う際の気持ちを表した文章です、あしからず。
それから件の自動車メーカーでは82年型のKPが好きでヤビツでスピンしました、関係ないですね。

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サイケでポップな時代にとある有名なミュージシャンが乗ってた車(画像拝借)

 

http://www.a-sq.net/item/sr500.html (販売はこちら)

TEL:0466-20-5223(お問い合わせはこちら)