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創業二十周年を経てますます好調のトライオード。
順調に成長した企業はその経た時間に伴い、開発され市場に送り出された製品数も多岐に亘り、どうしても新陳代謝を図らねばならぬ時が訪れます。
平たく言えばカタログの整理です。
この会社が送り出すものはどれも良く出来ていて、社長自らがどの製品も愛してることがよく伝わります。
よって一度開発した製品をなかなか簡単には引っ込めません。
その上で新しいアイデアや欲求が生まれまた新しい製品が開発されるので、カタログがどんどん賑やかになり倉庫の在庫もどうしても膨らみます。
純粋に新しい製品が次世代モデルとして登場した場合は、先代は静かにフェードアウトすれば良いことなのでしょうが、どうもこの会社は同じことを繰り返すことが好みではないようなので、新製品は新たなコンセプトで登場し、その前のモデルを否定することなく違った魅力を持ち新しい顧客を掴むきらいが高いので、それ以前のモデルが旧式化する訳でもないのが特徴でしょう。
現在トライオードのカタログを開くと、恐らく国内最有数のアイテム数を、特にアンプ系統において誇っていることを幾ページか覗くだけで容易に確認できます。
では何か被った製品が存在するかと少々意地悪い視点で眺めてみても、どれもそれぞれに存在意義のある製品が並び、容易に篩にかけられないのも事実です。
例えばよく似た筐体で展開されるこの会社の主力モデルである

TRV35SE

trv-35se_s

 

 

 

 

TRV-88SE

trv-88se_s

 

 

 

 

TRV-88SER

trv-88ser_s

 

 

 

 

TRV-A300SER

trv-a300ser_s

 

 

 

 

を並べて眺めれば、ハッキリ言って外見上は真空管の形が違う程度でどれも似たりよったりです。

ところがそれぞれの要所と魅力を理解すればするほど、

「あ、これは全部目的とユーザーが違うわな」

と容易に判断でき、不用意に取捨選択など出来なくなることくらいはすぐにわかります。
外野の私でさえそう思うのですから、開発者である山崎氏自身の気持ちを察すればどの製品も可愛く手放せないのは尚更のことでしょう。
そんな経緯で積み重なったモデル群が現在三十数アイテム、おいおい。国内最大勢力じゃん。

経営側の愛情なくルーティンで製品を送り出す家電系大手の、手慰み程度のオーディオの名を語った製品は、一定のサイクルを経て自動的にモデルチェンジの為のチェンジを繰り返し、旧製品は大型量販で、知識のない店員の格好をしたカタログ棒読み代行員の手によって、内容を把握されぬままに叩き売られて消えていきます。そして七年後には修理不能のゴミと化します。メーカーが修理しないんだから仕方ありません。
だからどんどん開発してどんどん捨てられます。
よって高級品をウン十万から数百万で売りつけた挙句、七年後には修理を拒否する上記の様な大企業家電系メーカーと違い、純粋にオーディオブランドにして彼らに比すれば断然小規模のトライオードの場合、創業二十年以来の自社製品はどれでも気持ちよく修理を受け続けた上で、更には新製品も送り出し続けるので、どこかで何かをどうしてもやむを得ずと言う姿勢で手放す日が来ます。

前振りが例のごとく長くなりましたが、今回残念ながら山崎氏が泣く泣く継続を諦めたモデルが

ヘッドフォンアンプの

TRX-HD82

です

trxhd82

凝った設計で贅沢な部品が奢られ機能面も多岐にわたります。
当然音は折り紙つきです。
ではなぜやめるかというと、結局製品アイテム数が増えている中、製造側の都合で一度に作る最低台数がどうしても大量に要求されるので、現在所有する数十アイテムを三百台づつとか、これは現実問題無理なのです。
それで今回このモデルが次期生産計画から外れました。
前回はフォノイコライザーのTRV-EQ3でした。

trv-eq3se_s
これも本当に良いモデルでしたが、市場で必要とされる数に対して、生産側が要求する数と金額が噛み合わなくなり残念ながら消えました。
後継モデルは存在しません。
あと一台展示品があるので、お探しの方はお早めに。次同じもの作ったら多分五割は価格が上がります。

http://www.a-sq.net/item/trveq3sete.html (TRV-EQ3展示品販売はこちら)

閑話休題

ともあれTRX-HD82はあと数台のみ新品が用意できます。
しかも定価の4割引です。
私がこのモデルを好きな最大の理由は、真空管やUSBやハイレゾ対応と言った面以上に、トーンコントロールをきちんと機能させれる性能で搭載している点です。
ヘッドフォンイヤホンあれだけ種類があって特性も違ってしかも人の数だけ耳の形も鼓膜の性能も趣味も感性も違う中、ボリュームしか触れない設計のストレート一本槍のアンプはどうにも私には使いにくいのです。
そのへんの感覚ご理解いただける方にはこちらは尚更大変なお値打ちですよ。

最後に、おまえ褒めすぎだろ?と言われないように一点だけ疑問点を。
こちらのアンプ、ヘッドフォン端子2系統あって大変重宝なのですが、何故だかどちらもミニジャックなのです。
別段世の中の99%のヘッドフォンは変換プラグにおいて標準ジャックを被せさせられているので、電気信号的には被り物を外して挿せるこちらが正しいかもしれませんが、ちょっとだけ不思議には思いました、以上。

追記

上記稚拙な文章表現内において、大手家電系メーカーが経営者の愛情もなく無責任に製品を売り散らかして七年で修理を放棄するとか、大型家電量販で愛のない店員がカタログを棒読みで知りもしない製品を売り散らかしているとか、読者の皆様にはとても失礼に感じられてしまいかねない事実を書いてしまいました。
不快に感じた方がいらしましたら謹んでお詫び申し上げた上で、何卒是非とも、販売後二十年たっても、三十年たっても、他のオーディオ専業弱小企業ブランドなみに、自社の製品を丁寧に愛してユーザーに修理やサポートの手を差し伸べて下さり続けている大型家電系企業や、エキスパートが親切丁寧に高い知識で趣味性の高いものを販売してくれるメーカー系専属ヘルパーに頼っていない売り場の超大型家電量販屋さんなどを

「おまえ、世の中広いんだから、こんな素晴らしい超大型家電企業のオーディオ製品や超大型家電量販の売るオーディオだってあるぞ」

と是非是非お教え下さいませ。
世の中広くあまねく見渡せているわけでもない私からのささやかなお願いです。

まぁ官民あげて13年経った車を目の敵にして重税を課し製造メーカーは部品を供給せず高い車検でユーザーの首を絞め上げ、製造段階と廃車後のバッテリーなどで猛烈な環境破壊を撒き散らすハイブリッド車を大量に売ることが正義と信じられているこの国ではちょっとむつかしそうですがね。
欧米諸国の先進系自動車ブランドが今、徹底して自分たちの古い車を色んな視点で守ろうとしている今この時代にですよ。

日本人が日本で作られた素晴らしい車を日本国内で維持するために、現在10数億毎年手にするフランス人がふんぞり返るその企業からは部品を分けてもらえずに熱心なアメリカ人に頭下げて部品分けてもらってる現状とかおかしくないですか?S30とか510とか。
その金あったらその数分の一の金額でかつて自らが作り出した車を愛して乗り続けるユーザー方へ必要なパーツを必要な人達に供給出来るとか発想はないですかね?

私先だって83年型の赤と黒の二色塗りで有名なターボのついた国産クーペの車動かすのに、埼玉のエンジン屋さんと広島のラジエター屋さんと厚木の板金屋さんと静岡の自動車屋さんのデッドストックのマスターシリンダーとどっかの解体屋のジャンクヤードの部品と札幌のマニアショップのゴム類とどっかの個人オークションと地元のエアコン専門業者とその他諸々総力をあげての大仕事でようやく形になりましたが、1969年型の英国車は、彼らのパーツリスト全部丸すれば一台新車が作れる現状、日本の大企業、趣味性高いもの売る資格無いんじゃないですかね?

趣味性の高い車もオーディオも、メーカー側の都合のみで数年でゴミにして本当にいいんですかね?

以上、妄言

TRX-HD82

新品在庫限り大特価

定価:102,900円(税込)のところ40%オフ

販売価格は59,800円(税込)です!

完売しました。

TEL:0466-20-5223(お問い合わせはこちら)