IMG_2154

 

注意書き及びあらかじめのお断り。

下記に連なる一連の駄文は、極めて主観の強い文言や特定の企業のごく一部の姿勢を非難、あるいは褒めすぎてるかもしれない様に感じられる印象を、読まれた方がいたとすればなのですが、与えかねないかも知れませんので、鷹揚な精神をお持ちの大人な皆様方には稚拙な人間の幼稚な文章だと笑い飛ばして頂き、そうでないと書くと語弊があるので、免疫が無いと自身で思われる方には最初から目を通されないか、最後の方の

「閑話休題」

以降に目をお通し頂ければ幸いです。

また、これらの内容が、これを読まれた方のオーディオを楽しみ、選択する事への一切の邪魔だてにならない事を切に願います。

ではスタート!

30年近く前に御巣鷹山で起きた、不幸な事故を契機に活動を停止したマクソニックブランドが、最近になって株式会社SRCによってその意志を引き継がれ復活しました。
あの衝撃的事件からもう三十年も経ったか、という思いと同時に、忘れかけていたマクソニックの響きが名詞、音ともども帰ってきた事が素直に嬉しいですね。

それに比べ、関係者が墜落事故に巻き込まれての不可抗力でオーディオ製造を諦めたわけでもない超大企業のパナなんちゃらが、不定見にテクニクスブランドをただ社内の問題のみでユーザー不在のままに興したり潰したり復活させたりを繰り返して、大手家電系のオーディオブランドを愛する層の心と懐を弄ぶかの様に感じられる姿勢は、今回の同じ復活とは言え、何度目かの再び高級機を引っさげて帰ってくるテクニクスブランドに対する素直な感嘆よりは、どうしても今までの彼らがとってきた自社販売製品へのアフター面も含めた、噴飯物の姿勢を含めて、懐疑的な気持ちや甚だ不愉快な印象を抱く自分の気持ちを隠さずにはいられない、とか書き出すと場が荒れるので止めときましょう。

先日のたいそう交通の便の良い寒風吹き晒す海っぺりの埋立地のヒトケのないビルで、テクニクスは凄いの発表してたみたいですが、あれだけ凄いの出しといて十年後どうすんですかね?またいつものアレですかね?

数年前に、少々時間の経った高級アナログプレーヤーの修理の必要が生じた際に、はなから期待はしてなかったのですが、念の為に何かしら斡旋先やパーツの情報だけでも得られないかと、テクニクスブランドをかつて擁した胴元へ電話して、散々ナビダイアルで何度も1番だ3番だの電子音声での指示の下、やり直しだ7番だとプッシュボタンを押させられ、たらい回しされながら、漸くたどり着いた受付対応先でやっと松下の誇る生きた人間様の声を拝聴出来るまでの有意義な待ち時間を

「あなたの会話は録音されている」

みたいな文句の案内と無意味な音楽が流れる受話器を耳に押し当て、日が暮れかけた頃にやっとお出まし頂いた生きた人間と思われるその相手に、要件をやっとの思いで伝えたら

「テクニクスといったそういった事業部はもう存在致しません、古い製品なのでわかりかねます」

と勝ち誇ったように(こっちが勝手に感じた)、これに比べればおたくのカーナビのデジタル信号で記録された案内音声の方が今時温かみを感じるぜおい、と思わせる態度の口調(勝手にこっちが感じた)で電話口で親切丁寧に心無く対応くださったあなた、お元気ですか?
もしかしたらあれも電気的な自動対応だった、方がよっぽどマシだ。

そうですね、三千円のラジオなら10年ももてば諦められるしあんまり無茶を言うべきでも無いと思いますが、何十万のプレーヤーやウン百万のアンプだスピーカーを、自社の他の白物家電の同程度の価値基準とルールで扱われてしまうのでは、製造後七年程度で補修部品の保有期間の義務は確かに果たした事になる訳で、これ以上書くとトゲが立つからやっぱり敢えて書き続けるし今更遅いけど、ラックスの二十年前に買った超高級プリメインアンプにして名機の誉れも高いL570Z’sが五万円程度の費用で、製造元で完璧に整備されて帰ってきて素晴らしい音を奏で、そのラックスの人金技術ともにウンゼン倍以上(もっとか?)の規模を誇る超大企業の松下の同じ時期の高級セパレートアンプSU-C7000/SE-A7000が、もはやどうにもこうにも少なくとも松下においては面倒見てもらえない現状は、今後の彼らの出す少なくともオーディオに限ってのみの話ですが、高級機を選択する際の判断材料として一つの目安にはなるでしょうね。
要するにオーディオは企業規模ではありません、製作者側のマインドです。

誤解無いように書き添えますが、私自身はラックスもテクニクスも所有し使って愛しています。どれも素晴らしくどちらも大したものです。
例に挙げた上記の二社のモデルに限らず、メーカーの大小に関わらずきちんと作られたオーディオ製品はどれも素晴らしいもので、ちゃんとセッティングが出された状況下においては、音などは当然素晴らしいもので、その時点(発表時)での善し悪しを製作者でもエンジニアでも無い外野の私が論評するような次元にはないのです。
ただ、一つだけ言えるのは、それらが二十年以上経過して今、大事に使われてきた両者が今まさに寿命が尽きかけんとした時点で、前者はユーザーの意志においてその蘇生なり延命なり復活が図れ、我々販売サイドはその手助けができ、後者に関してはユーザーの延命再生復活の意志に関係なく、製作者の都合によりその生命を絶たれるわけで、我々はただそれを黙って見ているしかないわけです。
人様のモノとは言え、丁寧に作られた超高級機が為す術もなくゴミと化すのをなんの手助けも出来ずに見送るのは、オーディオに趣味として商売として関わる身として非常に悔しさを覚える瞬間です。
勿論腕利きの修理専門業者に一縷の望みを託すという手段は残っていますが、前記ラックスと松下の企業規模を比較し鑑みるにそれも随分とおかしな話ではありますがね。

閑話休題

新生マクソニックは励磁型スピーカーやSITアンプで市場に返り咲きましたが、それらはまた次の機会にさせて頂くとして、今回は比較的関わりやすい存在のオーディオケーブルの紹介です。
桐の箱に納まった手触りの良い、しかもオーディオケーブルとしては驚く程柔らかい感触の、淡い色調の草木染めを施された綿で織られた被覆を持つこのケーブルは、その手触りや質感から感じられる印象そのままの極めて自然な風合いの音を聴かせてくれます。

同ブランドの案内を見るに、導体には自然銅を用い、その絶縁体にはテフロンを巻き、芯線被覆には絹を用いるという自然志向型の作りは、ここ最近のハイテク系素材の下の高精細高分解ハイスピード鮮烈系のサウンドとは明らかに違います。
勿論その両者の違いを善し悪しで語ろうとは思いません、世の中同じ目的を持った製品でもこうもアプローチが違う製品が存在し、それぞれが得がたい魅力を放っているという事を知られるだけでも、このマクソニックのケーブルは一聴する価値に値すると思うのですがいかがでしょうか?
電気製品にそんな自然的風合いや人間的情緒が役に立つのか等と言う方は、音楽やオーディオを愛する方には恐らく居られないとは思いますが、やはり人間が作るものです、その姿勢や魂といった部分が電気的製品とはいえ、外見内面共々大きく左右し大事なのだなと、改めて感じる次第です。

しかも不幸な事故によって一度は消えたブランドをなんとか復活させようと言う篤い気概の方々が作られたお品です。
態々悪いものをこさえて帰ってくる心配など、あるわけないですよね。

とある家電量販が、かつて創業時以来有したオーディオコーナーを、自らの企業としての成長過程で不採算部門のレッテルを張り、そこにいた専門家を不要人罪のレッテルを貼り追い出し、一度は閉じたオーディオコーナーを、多少会社規模に余裕が出来た時に巨大モールに進出して、結局どこも似たような物しか並ばない売り場面積が余った際に、思い出したように復活と称して手慰みに、半端な専門スタッフと高級オーディオ並べて、他の量販店とは取引しないと“豪語”するブランドを置く事によって、それを並べない量販店との差別化を謳ってみたり、またそこへ再びアメリカ帰りの経営とやらを勉強したらしい、経営者の息子とか言う世間一般にありがちな印象を肯定させてくれる人間性の後継者が再びそれを縮小してみたり、スタッフの着用するベストの背中に貼られた名前を読み取れる高性能の監視カメラの下、本部からモニター越しにインカムでスタッフを駒の様に右往左往させてみたり、本部からの朝電話一本で契約を盾に事前の通告も当人にはなく、その店員を当日17:30きっかりで首切ってみたり、白物家電系超大企業が不採算や時代の趨勢とやらを理由に、技術者もユーザーも諸共放り出したオーディオ事業を、少し雲行きが変わると再びかつての人気の名前にあやかって高級オーディオブランドの復活を自称するような体質、製品、人間性とは、根底が違うような、やはりこういったものはキチンと分けて考えるべきなのかも、知れませんね・・・

再びお断り

上記文章中後半にはある特定のブランドや販売店や関係者雇用者被雇用者などが含まれているかの様に感じられるふしがありますが、もしそのような印象を抱かれる方がいらっしゃいましたら、謹んでお詫び訂正を申し上げ、これらの文章を読まれて皆様の脳内に想起された販売店やブランド、或いは個人名は全て脳内イメージ幻影に過ぎないとご理解くださいませ、アハハ
よくできたドラマ、いや、よくできてさえいないドラマでさえ徹底してリアルな表現を追求しながらも、結局そのエンディングで掲示される例のアレと同じで

「この物語はフィクションであり、登場する団体・人物などの名称は「マクソニック」のくだりを除いてすべて架空のものです」

と表示させていただいた上で、このどうしようも無い駄文を〆とさせていただきます、大変失礼いたしました。