product_ro

なんだか過去形で語るのもどうかと思いますが、私達の関わっているこの業界には「オーディオ全盛期」ってのが確かに存在してまして、もう殆んど追憶の彼方みたいな昔話になってしまってどうしようもない感じになるのですが、じゃぁ最近の若いデジタルオーディオ世代に

今は「何期」なんですか?

とか聞かれてしまうと、まぁそうですね、オーディオメーカーのトップクラスのWEB販売否定してる様なふんぞり返った連中にでも聞いて下さいとここは逃げておきましょう。

こないだどっかのユニットメーカーの人間がWEBで安く買う様な客は嫌いみたいな御趣旨の平気でこういう事言ってるの聞いて、心底腹が立ったばかりなので、文面多少尖鋭化してるのはお許し下さいね。え?毎度の事?こりゃまたしつれいしましたぁみたいな昭和的予定調和でごめんなさい、要するにオーディオ全盛期ってその辺の時期から暫くの期間って話って事です。

日本のオーディオブランドには本当にこういう事言う奴いるんだから困ったもんですネ、本当に。

因みに

「あなたその発言馬鹿にしてない?WEBでお宅の商品買うお客さん方を。秋葉原のオーディオ専門の老舗も通販別組織で名前変えた形態で電話一本で秋葉原価格の激安だし、工作系の老舗の有名どころも最近もっぱら店頭よりWEBの需要とおっしゃっていた様だし、新宿浄水場跡地発祥のカメラ系超大規模量販もお宅の商品ポイント付けて世界一級に安いじゃない」

と指摘したら、彼らは良くて、他の店は駄目なんだってさ、最低。

閑話休題

さて、なんで全盛期の話なんか持ち出したかと言うと、全盛期のオーディオがたいへ~んによく売れていた時期は、今では想像もできないでしょうが、綺羅星のごとく数多の国内家電メーカーも専業メーカーもこぞってオーディオブランドを有していて、信じられない数の商品構成を誇っていたわけですネ。

例えばいま、日本の代表的なオーディオ用スピーカーを出してくれているブランドと設問して、多少なりとも名前が通っている名前でいえば、フォステクスとえっとえっとえっと日本国内には全く顔が向いて居ないヤマハと最近TVやパソコンは手放すらしいソニーと、え~っと、デノン?ビクター?パイオニア?オンキョー?メーカーとしては存続してるけど何か堂々と日本製スピーカーここにありみたいな製品出してたっけ?と、あんまり自信もって回答できない自分がここにいます。

今隣にいらしたお客様と雑談がてらその話をしながら、お互い言葉に詰まって顔見合せちゃいました。

じゃぁ全盛期って何ぞ?となりますが、日本の誇る家電重電メーカーの累々たる系譜、キチンとしたスピーカーを出してた国内ブランド思いつくままに書き連ねてみますと、

PIONEER、ONKYO、Victor、SONY、CORAL、DIATONE、OTTO、SUNSUI、YAMAHA、DENON、Technics、AUREX、LO-D、OPTONICA、TRIOともうきりが無いのでやめますが、まさに豪華絢爛百花繚乱日本万歳状態ですが、この中には最近の皆さんには聞いた事も無い様な横文字ブランドが溢れていますが、何と皆全て日本の有名企業のブランドで、三菱、松下、三洋、東芝、シャープ、日立が上記のブランドの背後に隠れています。

今は無責任にも当時の自社の製品としての一切の関わりを否定してる様ですが等と書いても全く通じない話かもしれませんね。

でも少なくともオーディオ的には現在より遥かに商品構成量だけ見ても凄い時代だった事だけは確かなのは伝わりませんか?

で、その全盛期の数多のブランドの本当に気の遠くなる様な種類と数のスピーカーを一体どうやって造っていたか?と言うと、今だったら国産代表格スピーカーユニット系ブランドだろうと英国系老舗だろうと世界一有名な米国製スピーカーも含めて

教師 「オーディオはどこで造ってるか知ってるひと~、誰か分かるかな~」

生徒A「ハイ!中国です!」

教師 「あつき君正解です!」

全員 「わ~ぱちぱち~」

と胸張って答えればいいのですが、今私が話題にしてるのは、周恩来がパンダを外交のネタにしてたかどうかぐらいの時期の話なので、日本の企業は日本の土地で日本の資本体制で当然日本人の従業員によって日本人的丁寧さと正確さでもって日本製スピーカーを造って日本国内で販売していたわけですね。

つまりくどいですが全部日本製です。因みに米国ブランドは米国製で英国ブランドは英国製の時代です、わかりやす~い。

これ以上書くと友達減るのでやめておきますが、要するに物事シンプルで大変わかりやすい良い時代です。

で、その日本製のスピーカーを完全自社製かと言うと、スピーカーは木工技術に大きく左右されるので、元々家具や楽器系に強く自社木工工場を有(した)すヤマハやビクターはともかくとして、多くの家電系メーカーは木工家具屋さんにキャビネットはお願いしていて、当時はその仕事だけでも大変な重要ですから、実に多くの木工企業が大メーカーのオーディオブランドの箱作りに協力したわけです。

さて、例の如く前振り長くてすいませんでした、ようやっと今回の本題です。

今回、上記に書き散らした、当時の全盛期の物作りを支えた吉本キャビネットさんとお取引を開始致しました。

上記にも名前の挙がったブランドを前身に持つ、ケ〇ウ○ド等の有名な箱をかなり造られたりしていたところです。

今回は、造る喜びをなんとか現代に伝えたいと言う、大変廉価でしかも遊び心も持った素敵なスピーカーキットで、造り方も大変丁寧な配慮が行きとどいた製品で比較的簡単な作業で楽に行えました。

要所に木工ボンドを流してパタンパタンと折りたたむ様な感覚でキチンとしたダブルバスレフの箱が出来あがってしまいました、これかなり愉しいですよ。

ところで簡単簡単と書いておりますが、手前共のスタッフのNの君に一本造らせてみたら信じられないぐらいギコチナイ手付きで木工ボンドを撒き散らしながら・・・・

勿論ここを読まれる様な皆様には、何の問題も無く愉しく作れて良い音も楽しめて大変親しみの湧く製品です、是非軽い気持ちで一度スピーカー制作に挑戦してみませんか?

フルレンジ一発の、ネットワーク等と言った面倒はないシンプルで使い易いスピーカーが、どなたでも気軽に完成させられますよ!(除くNの)