皆さん今晩は、年末年始は如何お過ごしになられましたか?
でんき堂はお陰様で無事年を越すことは出来ましたが、新年も作業に追われてここに顔を出せないままにあっという間に一月は終わりもう二月、つまり早くも2023年の12分の1を無為って訳でもないですが兎に角経過させてしまった訳で云々とまぁクドいゴタクはやめましょう、さてお仕事。

ここでは毎度年がら年中、他店で購入して持ち込まれたケーブルの端末がどうしただの、売りこそすれど装着は断じてしないのが決まりの大型家電カメラ量販の店頭で購入したアナログカートリッジを持ち込まれて調整しただの、オリジナルケーブル作りましただのの話ばっかりなので、丸で当店がメーカー品や既製品に背を向けひたすらオリジナル品や加工作業に特化した面倒専門店かの様に誤解される向きもありますが、実際には当店も山ほど存在しない訳でも無くもない最早準絶滅危惧種の一オーディオ店に過ぎませんので、数多のお取引様の素敵な製品群を普通に皆様に紹介し販売するのがお仕事です。故にケーブル加工云々もそれに付随する当然の行為と思って取り組んでいるのですが、何故だか世の中にはウリ専が私共の想像以上に多かったみたいで、結果として当店への持ち込み対応が少々珍しさからか目立ってしまっていると言うのが実際のところですかね。
つまるところ当店とお取引いただいている数多のメーカー、商社が展開する多くのブランドのオーディオ製品はなんであれ喜んでご販売致します。また一部のショップにありがちな特定ブランドへの異常な執着や、その逆の否定も当店は基本的に御座いません、基本姿勢としてはお客様が選ばれたものこそがその方の環境に於いての正義と言ったところです。一見まるで主体性が無いかのようにも捉えられかねませんが、要はお客様が好まれるものを最善の状態で納めるのが私達の使命であって、その次に私達からの提案が存在しますと言う意味です。
欲しいと思ったオーディオ製品を相談に向かった先のお店で、個性的な店員とか明らかにメーカーの送り込んだヘルパー系に全否定された上に、聞いた事も無い或いは不本意なお勧め品を全力で捩じ込まれるみたいな昭和基調な店舗も、体験談としては面白いっちゃ面白いですが、最早昭和はおろか平成も過去となった今の時代にはそぐわないですよね。まぁその意味で言うと、懐かしの昭和が未だに体験できる最後の砦が一部のオーディオ店舗かも知れませんが(笑)
因みに当店は可能な限りお客様の求める製品を用意する様に努めて居ますが、それでも対応できない時が御座います。言い訳は良くないのですが、それらは当店と取引の無いブランドであり、更に言うと私達がそのブランドを排除したのではなく、そのブランド側が当店を通してはお客様方と接したくないとの意思表示だとご理解くださいませ。
ただ困った事に、そういったブランドを使われる皆様方への良い音を愉しむ為の総合的な音出しの担当も実に沢山承りますので、選民思想的に取引先と客を選んだ販売方法を志向し指向しながら実際にはその端末部の面倒見は販売側が行わずに非取引店に一定数依存するその事実にどういう見解をお持ちなのかは、それらの姿勢のメーカーやブランドには一度オーディオ雑誌上等で公式見解として公表頂くと良いと思うのですがね、まぁ無理か。
私自身は当店との関係に関わらずどこのブランド、どこのお店で入手した等に対する否定は一切ないので遠慮なく何なりとご相談お持ち込みくださいね。ただ、製品の経緯を把握する為に購入先をお伺いする事は勿論御座いますので、そこは遠慮なく教えて下さいませ。

 



audio-technica  FLUAT  AT-IC500R/1.3 メーカー希望価格26,400円税込み/RCA

さて相変わらずの前口上の長さに皆様が飽きた頃で漸くの本題です。
当店としては重要なお取引様のオーディオテクニカです。あまりにも有名でオーディオアクセサリーを扱うブランドとしては企業規模は最大勢力のコチラも、所謂趣味やマニアのオーディオアクセサリー界隈に於いては決してその知名度や評価が最大勢力とは言い切れないと書いても当のテクニカ担当者からも怒られないと思います。理由は簡単で、今迄最高に手間とお金を使った製品を開発し作れるのに、購入側にとっての優位な諸条件があまりにもオーディオを特に愛して居る訳でもない超大型家電カメラ量販系の売り場に偏っていたからですね。せっかく真面目に向き合おうとオーディオ専門店が本気を見せようとしても、パソコン屋に毛が生えた様な売り場でその製品が何であろうか触ったことも無い様な店員の元で、何故か我々には価格対応不可能な特価で販売されている事実を知れば、大概のオーディオ専門店の真面目な人間ほど嫌気がさして取り合わなくなると言うものです。
私も随分長い間このブランドに対してそういった思いを抱いたりもして来ましたが、ここ数年その状況も随分改善されて来ました。漸く専門店の知識と技量が必要とされるレベルの製品が、専門店では手も足も出ない価格でPC安売り専門店で特価で晒されている状況から脱しつつあり、徐々にオーディオ専門店からの信頼も取り戻しつつある様に感じます。

よって今度はこちら側からキチンとテクニカから示された条件を元に皆様に向き合う番となる訳です。

 

 

audio-technica  FLUAT  AT-IC700x/1.3 メーカー希望価格57,200円税込み/XLR

audio-technica  FLUAT  AT-IC700R/1.3 メーカー希望価格55,000円税込み/RCA

 

これら掲載している商品は今回試聴用に用意出来た一連のテクニカのオーディオケーブル群です。FLUATと綴ってフリュエットと発すなかなかすかしたシリーズ名を冠した同社の新しい高級ケーブルシリーズです。
テクニカは企業規模が大概のオーディオブランドより大きいので、プラグやケーブル類も既存品の組み合わせが多いオーディオケーブルジャンルの中で、優れた開発陣とお金の掛かった試聴室/検聴室を駆使して完全に自己開発オリジナルスタイルの製品を展開出来る強みがあります。今までもその名に恥じぬだけの手もお金も掛けた製品を市場に問い続けて来ていましたが、外野目線で眺める限り決して彼らがそこに投じた資力労力に見合った満足するだけの評価を市場で得られているようには見受けられませんでした。

 

 

audio-technica  FLUAT  AT-AC700/1.3 メーカー希望価格55,000円税込み

 

そうした数10年に及ぶジャンル中ライバル比最高品質を維持しながらもジャンル中最高の売り上げ構成比な訳でもない流れの中で今回、その辺の事を十分に理解した担当者が本気で取り組んだのが今回のFLUATシリーズです。即ち、自分達には開発力も技術力も資力も十分である、その上で今までの製品に対して欠けていた(と私には勝手に感じられた)音方向への取り組みのテクニカとしての明確なビジョンの提示と、オーディオを嗜好するお客様方とオーディオを志向し至高とする専門店への配慮ですね。
そして今回、間違いなくその約束は果たされていると思える出来栄えと市場展開です。きっとそこに関わって来ていたオーディオに愛の有る担当者としても、今までの自分達の市場展開には思う処が有ったのではないかと思います。逆に我々からすれば漸く高級オーディオを扱うだけの本来あるべきプライドを示した彼らの姿勢には、随分時間が掛かったけどやれば出来るじゃん、漸く大型家電カメラ量販の売り場並べ要員の地位と安売り対象のおもちゃの地位から解放されたね!と、その英断には賛意を示したい気持ちです。

 

 

audio-technica  FLUAT  AT-SC700BB/2.5 メーカー希望価格110,000円税込み

 

故に今回でんき堂としてもその姿勢にキチンと態度でお返ししなければなりません。その全てではございませんが、決して気軽に買える値段でもない製品も見受けられる今回のシリーズを凡そ揃えて、お客様各自のシステムで試聴頂くべく貸し出し用製品を数種類御用致しました。ご来店頂ける方には勿論、遠方の方には送料の負担だけご理解いただき7~10日間程度の期間で試聴を頂ければと思いますので、是非今回の機会にオーディオテクニカの新シリーズFLUATの各種ケーブルを知って聴いて頂き、願わくば購う切っ掛けとなれば良いなと思います。

追記:文章中テクニカに対して散々な事を書いた様に感じられた皆様にはごめんなさい、私自身はオーディオ歴=テクニカ製品愛用者でありかつ、業界での販売側に立ったその日から30年以上テクニカ製品と一緒に過ごしています。決して彼らに対して悪意は有りません、ただ期待が大きいだけなのです、悪しからず。

 

オーディオテクニカ『FLUAT』シリーズ試聴希望→0466-20-5223