皆さん今晩は、お変わりございませんか?

相変わらずケーブル関係の作製や手直しのお仕事を多数頂戴している関係でなかなかコチラに顔を出せていません、ごめんなさい。
先日、オーディオみじんこの荒川氏より電話を頂戴し、氏が炭山さんと共に担当されているミュージックバード内124chの番組『オーディオ実験工房』に於いて、当店オリジナルのアース線を、各社よりここ最近登場してきた数多のアース線と比較したいとの依頼を頂戴し慌てて作成して数本送った次第です。果たして如何様な評価を頂戴出来るか今からドキドキしているところです。オンエアの頃には再度御案内する積りですが、宜しければ是非番組に耳を傾けてみて下さいね。

さて本題、本日は表題のKEFです。英国の非常に長い歴史と人気を誇る優れたブランドのKEFを漸く私達『でんき堂スクェア』でも取り扱いの運びとなりました。

 

 

漸くと書いたのには実に色々な想いと経緯が有るのですが、そういった業界裏事情的うんだくんだは一先ずおいておいて、まずはこの個性的でかつ優れた音楽再生に優れたスピーカーを市場に送り出すKEFとの取引開始が出来、この優れたスピーカーを求めたいお客様方と『でんき堂』を通して関われる様に相成った事を素直に喜び報告させて頂きたいと思います。

私自身もKEF製品を長らく愛用して来たので、その成り立ちや音楽再現性には一応詳しい積りなのですが、数十年前の有名なBBCモニターへのユニット搭載時と違って、Uni-Qと称される同軸構造ユニットを同社が開発し採用し始めた頃から、英国系オーディオの伝統的な佇まいを見せていたKEFのスピーカー造りは大きく先進性へと舵を切った様に感じます。
写真に挙げたのは同社中でも知名度や求め易さで比較的中庸を占めるモデルですが、その音と佇まいは現在のKEFの有り様を感じ取るのに十分な性能を有したLS50 Meta (187,000円税込みペア)と言う製品です。
同社中標準的と書きましたが、同価格帯他社製品と比べると極めて個性的な外観に皆様の目には映るのではないでしょうか。選べるボディーカラーを纏ったお洒落なデザイン性の高い箱に納まった、まるでフルレンジユニットを積んだスピーカーに見えますが、こう見えて2WAYシステム。中低域ユニットの中心に高域ユニットを同一ライン上に配した、即ち音の出口の一点集中を狙った同軸構造ユニット、つまり2WAYと言う事になります。
英国系モニターを使いこなす際の基本となる、正三角形60度内振り設置で正確な焦点を狙ったモニター配置を狙った際に、ステレオ配置の2本の左右のスピーカー故の横方向のベクトルだけでなく、一般的2WAY機ならば高域低域二つのユニットが上下に配されている故に僅かに音の中心焦点が縦方向に分割される根本的な問題があります。横方向のベクトルは正確な距離と角度と位置出しでほぼ解決しますが、立体音響を極める際には避けて通れないフォーカス性能の獲得に対して同軸2WAYユニットは、音の各帯域出口が上下分割されて出て来る一般的2WAYに対しての、構造から来る問題の解決に大変優れた特性を有して居ます。
普段はオールドスタイルの英国機モニターを愛用しての立体音場型再生を好み、ソフトの録音時の各音源の正確な位置位相関係出しを得意としている(つもりの)私ですが、今以上のスピーカー設置から得られる正確な位相合わせは、現状所有機の構造では既に限界を感じていて、これ以上の精密なピント合わせは同軸構造ユニットを使わざるを得ないなと感じている次第です。
勿論同軸2WAY構造がKEFだけの物では無い事は確かですが、先進性の高いUni-Qユニットを中心に据えたスピーカー製品展開を前面に押し出す現代のKEF製品は、その際の選択肢の筆頭になる事は間違いないでしょう。是非一度皆様にもキチンと設置されたKEFを体感頂ければと思います。
尚、KEF製品自体は家電カメラ量販でも並んでいる様子ですが、その際によく見かける壁面にぎっしりとスピーカーが数多とバッフル面を正面置きに配した平行配置試聴で聴く限り、どんな音量で聴こうがフォーカス性能と立体音場獲得に関しては、他のスピーカーもそうですがKEFに関しては尚更全く性能が稼げていない、本来の姿を一切伝えきれていない誤解の拡大再生産な試聴でしか無い残念な姿である事も是非お伝えしたいものです。要するに使い手の腕が大いに試される性能の良い英国製のライトウェイトスポーツカーの様なものだと思って下さいな。

 

KEFを体感しましょう→0466-20-5223

 

カメラ量販以外のオーディオ店がKEF製品を健全に取り扱い出来るようになるまでの、大変興味深い20年近くに亘る業界裏話的ゴタゴタはまた次回にでも(笑)