皆さん今晩は、関東は10日辺りから雪の予報ですね、積もるのかな?

さて、ついさっき知ったニュースでは、遂にONKYOが行くとこ行ったみたいですね。このブランドに対しては、趣味のオーディオを愉しんでいた側としても、私がこの業界に関わるきっかけとなったブランド販売員の立場としても、その後の取引側としても、その実情や数々の私の関わる範囲での30年に及ぶ行状を書いてやりたい気持ちは山盛り御座いますが、まぁまだ完全消滅した訳ではなさそうなので暫くは控えます。ただ感慨深いのは確かですね…

閑話休題、そのオンキョーより二足は早く実質的に一般的オーディオ売り場からは消えたDIATONEが、その全盛期より少し後に造っていたスピーカーの2S-3003と言う実質的放送局用モニターが御座いまして、NHKの使用で有名な1950年代後半から30年以上使われた名機2S-305の後継に当たり、また一般への販売もされた放送局用モニターにして超高級品です。先代同様一部の熱心なファンの支持の下に、今でも現役で活躍している個体が複数存在している様子ですが、問題はこのスピーカーが採用した接続端子。

 

 

スリーダイヤモンドを愛して信じて購入したコアなファンたちを、いざスピーカーケーブルを交換しようかと図った際に残らず地獄に叩き落す、レアもレアな他モデルへの採用実績が笛や太鼓叩いて探してもみあたりゃしない、オーストラリア製端子のFP-4-11ですよ。秋葉原の部品屋さんでもまず見掛けないですね、これだけは…
このプラグを採用した1990年当時にはそれが色んな理由でもって彼らのベストチョイスだったんでしょうが、普遍性の無い端子の採用に対するユーザーが抱える将来へのリスクは少し位は考慮してたんでしょうかねぇ?

 

 

閉鎖的な販売方法を選択して復活した数年前の話(最近また人知れず終了したっぽい)は兎も角、ダイヤトーンがスピーカー事業を閉じてからもう20年以上が経ちます。基本的な造りは放送局モニターを志した故に確かに堅固で、登場以来30年以上経た今でも先程書いた様に残存個体は複数あれど、その端子故に多くのユーザー方が心底苦労されています。何故ならビニール巻のケーブル等と言うものはその中身の芯線がどうであろうと、必ず経年によって外皮は溶けてぼろけてぺとついてと、最初の写真の姿の様になる訳で、そうなれば大概は線ごと買い替えて繋ぎ直すのが一般的であり、また積極的なオーディオ的探究心も満たせるのでしょうが、とにかくこのモデルはプラグ故の実質専用ケーブルであって、じゃぁ三菱の電気製品取扱店に注文したってそんなものは無いの一点張りでどうせ相手にされないしね。で、困ったお客様から何とか新しいケーブルでこの名機を再び愉しみたいと相談が入る訳ですよ、元製造側の母体企業の数万分の一の企業規模の当店にね。
それで頼まれた以上は出来ません知りませんを言いたくない私としては、対応を考える訳です。やれる事は二つ、今までのケーブルからプラグの半田を溶いて解いての再利用。もう一つはこの希少なオージー製プラグの入手。今回はお客様の要望で後者となり、どうにか探し回って豪州から直接この端子を仕入れている業者さんを探し出しての入手。更にはピンアサインをオリジナルから確認して今回は4芯のオルトフォンで新規作成、AMP側はQED AIRLOC処理。今回は全国で困っているであろう方の為にこの特殊なプラグの端子内部配列も特別に公開致しますので、オリジナル線からプラグ外して自分でケーブルに組む積りの方、或いはお客さんに頼まれて取り組む積りの親切な販売店さんいらっしゃいましたらどうぞ参考下さいませ、因みに接続は4芯です。

 

 

コチラが新たに入手したプラグで組み直したオルトフォンケーブル及びQED AIIRLOC端末仕様です。今回プラグの特殊さとその入手経路の関係故に少々コストは嵩みましたが、それでもこの三つに開く菱形を背負ったNHK御用達の名機が再び音楽を奏でてくれるならば、きっと皆さん納得されることと思いますよ。

 

未だ存続しながらも専用部品をてんこ盛りした自社製品を僅か数年後には一切面倒見なくなる事が目に見えている気質の企業体質が作り出す製品と、とっくに潰れて消え去ったか、事業から手を引いたにも関わらず、普遍的な部品で組まれていた故に未だに直して使い続けられる製品どちらを好み求められるかは、結局ユーザーの皆様の思考と嗜好と指向が決める事だと思いますのでその是非は私は断じませんが、今回のDIATONE然り、冒頭のONKYOも然り、そのユーザー方の今後の苦難の道のりは容易に想像が付き、また今後近いうちにそこに名を連ねる超大手企業のオーディオブランドの名前もちらほら耳にします。一ファンとしては残念であり、また販売側としては困ったもんですね…
おまえ少し厳しすぎやしないか?と感じたあなた、私は今日も45年前のレコードプレーヤーの修理品をDENONのサービスセンターから気持ちよく直してもらって受け取って帰って来た足で、今度は店頭では10年も経たずにその製品が直せないで困っているお客様の所有する、超大手企業が作り散らかしては見放したオーディオ製品への対応を、別に私が直接売ったわけでもないお客様方から相談や救援を求められたりしてる訳ですよ、多少舌鋒鋭くなると言うのもご理解くださいませ、悪しからず。

 

三菱の2S-3003のケーブルどうにかしてくれ!と、かつてそれを扱って今でもその母体企業とは取引のある大型家電量販のオーディオコーナーに相談に行ってみたら何故だか話が通じなかったら→0466-20-5223