皆さん今晩は、5月中旬にしては関東は雨模様で肌寒いと、仕舞い掛けたハイネックを着て出社したりしている店主です。さて、忙しいを理由になかなかコチラで紹介が出来てこなかった今日のお仕事ですが、滞りがちになった3月分の辺りから随時紹介していきますね、毎度変わらんぞと言わずに宜しければお付き合いくださいませ。

 

 

写真はお客様から届いた電源ケーブルです。自作だったかな、確か。内部の接続を当店お馴染みの英国QED AIRLOC処理応用の角圧着処理依頼です。まず外した姿がコチラです。毎度おなじみの姿です。剥いて撚った線を直接螺子締めでプレートに挟み込んでありますね。因みに自作、メーカー品に関わらず、この留め方の仕様は全て引っ張れば抜けるし接触点としての加圧も電気的接点も要するにそう言う事です。相当高価なプラグが付いて居るように見えますが、この状態で語るべきは音質面より安全面です。外れかけて枝毛が一本でも出て隣に触れば結果は洒落になりませんね…

 

 

コチラが角圧着仕上げですね、バラバラだった撚線が一本の角柱に強力にプレスされていて、その断面は完全に融着化していますよ。

 

 

この写真は他のプラグですが、圧着化した端子と撚線状態でのプラグ内部での咬み具合の比較写真です。勿論下側が角圧着処理です。価格帯に関わらず、コンセント内でのケーブルの留め機構は基本的どれも同じです。この構造に対して撚線を差し込んでどれだけ締め込んでも相手が撚線である限りは、撚線全線を均等に咬み込む事は事実上難しく、写真の様にどんどん力が逃げて行きます。特にはみ出した線は事故の元になります。電源ケーブルの自作経験がおありで、装着時にこの部分に不安や疑問を感じていた方は是非手元の電源ケーブルを確認くださいませ。その上で角圧着処理に興味をお持ちの際には是非当店までご連絡くださいませ。

 

 

コチラはお客様指定のゾノトーンの電源ケーブルとフルテックのプラグで作成です。

 

 

勿論角圧着処理です。尚、今回はアース線は無しの仕様です。作成依頼時にこの箇所は必ず要望をお伺いしておりますので、その際には皆様ご家庭の電源事情に応じて御指名くださいませ。

 

 

はい、出来上がり。ただの偶然と言えばそこまでですが、フルテックのロジウム仕様のプラグとの色味が抜群の組み合わせを魅せます。勿論その音は角圧着処理の接続から得られる確実さと安全性共々お約束いたします。

 

 

今度はプラグが固定式で本来外せないゾノトーンの完成品を敢えて両端切り落としてのお客様好みのプラグへの換装です。内部は角圧着処理接続、シースに好みのカラーも被せて更に、最近その交換で驚くほどの音質変化を確認できたFI-11M(Cu)の樹脂クランプをステンレスクランプへの交換です。尚、このケーブルへの好みのカラーのシースを被せて、配線時の露出部のお洒落は結構好評ですよ。写真の橙色、他には赤、黒、白、黄、青、緑、灰、半透明の全9色からお選びいただけます。

 

 

今度は2芯ケーブルでの作成で、線径を活用してアモルメットコアをプラグ内に手挟めるように差し込みます。

 

 

この様に角圧着処理とアモルメットコアを同時に行います。尚、線径がこれ以上の際にはアモルメットコアは内装出来なくなるのでケーブル上にての外通しとなります。

 

 

コチラはシースに黄色を指名頂きました。なんだか運気の上がりそうなケーブルですねなんてね(笑)

 

 

電源ケーブル作成は続きます。今度はアース線活かし仕様です。電源環境でアースが取れている場合は有効ですが、それ以外でアースを活かすと機材に対して不要なアンテナ線と化すか3極型のタップ上でのアースループを起こすのでご注意くださいね。
しかしまぁ、全ては紹介していませんが、ここ数ヶ月間とにかく本当にたくさん作ったな…

 

 

角圧着状態の線材をプラグ内深くに差し込み強力に締め上げます。その際には写真の様に収縮チューブなどを施し可能な限り通電箇所の露出を控えるのが基本ですが、自作だけでなく市販品も含めてここがかなり危なっかしい物を見掛けます。特に自作系で撚線をただ剥いて差し込んだ作り方をした方は、今直ぐ見直すことをお勧めいたします…

 

 

同じ要領で複数作成します、コチラは二本とも持ち込みの端末処理依頼だったかな…

 

 

コチラも既製品のお預かりの内部処理依頼だったと思います。プラグを外したらまぁこんな感じでした。大分ひしゃげて縮れていますねぇ…
ケーブルに各々通してあるのはこの製品のオリジナルのノイズ対策機構でしょうね。

 

 

全端子圧着処理を終えた図です。先程の状態とどちらでプラグに繋いでみたいですか?

 

 

圧着処理を終えてプラグを装着し直して出来上がりました。先程書きました様に、線径が太い際には写真で判る様にアモルメットコアは外通しとして差し込みます。今回は追加使用で、NSに加えて中域の厚みが稼げるとメーカーより説明されているNSTタイプ(黒い方)も通しました。

 

 

お次は非常に便利なのにも関わらず、メーカー側の思惑程には出回っていないL型プラグ、FurutechのFI-12を用いて作成です。壁側/機材側から基本的に左右上下4方向に自在に電源を取り出せる優れたアイテムですが、作成前に取り出し方向を決めて取り掛からないといけない及び、取り出し方向毎に内部での切り出し長さの調整が必要と言う、通常のプラグ以上に作成時のノウハウが必要とあって、作成に応じられるお店が殆どないのが実情だとの事。しかしなんなんでしょうね、この製品を狂った様な安価で売り散らかす家電カメラ量販を見掛けますが、凡そ個人レベルでは作成が難しそうなこのプラグに対して、販売側としての何らかの自覚なり配慮はあるんですかね?例えば料金を払ったら作ってくれるような。
エアコン販売しといて自分で取り付けろとは彼らも滅多に言わないでしょうし、勿論料金払えばプロが取り付けてくれる訳ですが、こちらもお金払えば付けてくれるプロが存在するんですかね?数千億円の売り上げとメーカーヘルパー含めて超優秀なスタッフを山盛り揃えて殆どのオーディオ専門店が逆立ちしても敵わない様なオーディオ製品の在庫金額と展示量を誇る売り場を有す彼らは。
まぁ、不幸にしてコチラをそんなお店で買ってはみたけれど、エアコンや洗濯機は取り付けるけど電源プラグは対応しませんて言われて困った方がいらっしゃいましたら、一度近所のオーディオ専門店に相談してみて下さい。それでも他店購入品持ち込みお断りとか、その他の事情等で駄目だったら当店までどうぞ。
そう言えば日本で恐らく一番有名かもしれない、専門店専売を標榜する高級アンプメーカーが以前、当社の製品は地元で買うべきであって、安いからって秋葉原の通販店やWEBで買う奴はろくなもんじゃないし、ましてや値引き優先の家電量販等の取り扱いは論外であるの意をあくまでも非公式の場で上から目線で述べていましたね。だったら秋葉原の通販店やWEBで売るお店の取引をしなきゃいいのでしょうが、彼らとしてはやらないと言っていた家電量販店での取り扱いも平然と継続している現状を見るに、理想論だけではいかない彼らなりの事情や都合やエゴや思惑があるのでしょう。故に私レベルが超大型家電カメラ量販店が取り付ける気も無い事に対して後ろ向き(に感じてしまう)なオーディオ用の電源プラグを安価に売り散らかす姿勢を糾弾するのは筋違いかもしれませんね、ごめんなさい。件のアンプも電源プラグも皆さん自由に好きなお店で地元とか関係なく購入されればよいと思います。

 

 

ゴタクが過ぎました、そうこうしているうちに完成です。便利なL型機構を活かして今回は機材に対して下側に引き出す仕様です。勿論角圧着接続でアモルメットコアも通しました。シースは指名で緑を被せました、写真映りの関係でちょっと明るく写ってしまってますかね、にしても緑色はここ最近結構人気です。

 

 

コチラの持ち込みケーブルは私もギャフンとなった案件ですね。お客様が弄っていてケーブルを留める埋め込み螺子が中で横向いちゃったから出来れば内部の角圧着接続処理と並行して直して欲しいってそんなぁ…

 

 

あまり見掛けない米国製の医療用プラグで、つぶさに観察してもカシメ構造で壊さずにバラせないのよね、コチラ。まぁ最後にはどうにかしましたが、どうやったかは秘密ですが、一度中で螺子を回しすぎて傾けてしまうと、修正には時間と手間が滅茶苦茶掛かるので、このタイプお使いの方は無闇に触らない事をお勧めいたします。

 

 

反対側のインレットプラグは内部をエポキシ樹脂かなんかで固めてありました。コチラは交換です。

 

 

何とか仕上がりました。確認の為の音出しでは、修正前と大幅に変化した音楽再生を確認出来ました。それが好ましい方向であったかどうかはご依頼下さったお客様の耳に委ねますが、安全性は間違いなく向上されています。

 

ちょっと長くなりすぎました、続きはまた今度。実はここ最近担当した電源ケーブルの半分も書けませんでしたが、私の方がもういっぱいいっぱいです、今日は皆さんおやすみなさい、長々とお付き合い有難う御座いました。

 

電源ケーブルは音質や製品価格、投入部材のグレードを語る前に、安全性と接続の確実さを、と個人的には思います→0466-20-5223