皆さん今晩は

色々と大変だった2020年も後少しですね。例年とは違った年末年始を過ごされる皆様も多い事かと思いますが、コチラに目を通してくださるようなオーディオと音楽を愛している皆様にはきっと良い機会にもなると前向きに捉えて、是非家にこもって蕎麦啜って餅でも食いながらオーディオ機器と戯れて頂ければ幸いですね。
さて、でんき堂は昨日12/29が一応の仕事納めの予定だったのですが、本年最終日が本年最繁忙日だったのではないか?と言う混乱ぶりに陥ってしまい、出荷の積み残しや新年を迎える為の掃除など何一つ出来なかったので、本日定休日ではありましたが私はノコノコと街に溢れる危なっかしい運転を掻き分けての出社でお仕事です。
こと今月は私自身が作成の責任を持たねばならない、ケーブル関連の製作依頼を例年以上に頂戴した故に、コチラに筆を進めること自体が滞ってしまっていましたので、店内の掃除も終えての一段落、年の瀬最後にここ10日間程度の作成事例一気に紹介です。
来年度のでんき堂への皆様のお仕事依頼時の参考になれば幸いです。

 

まず手始めにコチラ。他店購入製品持ち込みに対して全く嫌な顔をしないと一部で人気の稀有な存在の一例としてのでんき堂の面目躍如のお仕事例です。ナノテックのスピーカーケーブルを送って頂いての端末処理ですね。お客様の使用機材の確認にや要望を電話で十分に話し合ったうえで、スピーカー側はQED AIRLOC処理、アンプ側はバナナプラグ非対応でしたのでQED AIRLOC応用の角圧着処理となりました。

 

 

コチラはゾノトーンの4芯ケーブル6NSP-Granster5500αの特性を活かしてシングルバイワイヤ仕上げです。

 

 

仕上がりの奇麗さも優先して、通常の作成工賃に多少の追加を頂戴して、2芯にまとめた側やプラグ全体に伸縮チューブを奢って、少しばかり良いものを手にした気分になれる仕上げとなっています。

 

 

今度はアクロリンクの超高級スピーカーケーブルにQEDのAIRLOC処理です。ケーブルの型番はすぐ思い出せないのと先を急ぐので割愛しますが、とにかく高級な凄い奴です。他社の複雑な構造の高級ケーブルに比べれば剥き作業自体はそう難易度が高いものではないのですが、シース内を完全に間隔を保って配線された平行ケーブルを、端末処理時に美しさを保つには多少の経験と技術を要します。

 

 

今度はORBの4芯スピーカーケーブル、INNOVA-TS7です。個人的感想ですが、もしあまりこういったケーブルへの処理経験の薄い方が個人で処理に臨むならば、正直言って同じ価格帯に存在する四芯タイプのゾノトーンより扱い易いと思います。勿論それが両者の音楽再生的優劣を指す訳では無い事はご理解くださいませ。敢えて言えばこちらはクセの無い聴き疲れの無いケーブルだと思います。勿論適切な処理を行ったうえでの話とことわり付きですが…
写真で分かるように今回はバイワイヤ接続で全端子延べ16箇所、並べて写せばなかなか壮観な眺めですね。

 

 

はい、コチラも当店の人気メニューの、持ち込み電源ケーブルの手直しです。メーカー品、個人作成、オークション入手と経路は様々ですが、総じて言えるのはどれもこれもあまり褒められた内部接続の施されていないものが多いと言う事ですね。中には発火寸前感電寸前否既に感電しているの事故レベル品もお見受けいたします。皆様も年末の大掃除ついでに是非手元の電源ケーブルの安全性を見つめ直して下さいね、不安に感じたら音質向上も兼ねて一度でんき堂までご相談くださいませ。

 

 

早速持ち込まれたケーブルのプラグを外します。メーカー名は伏せますが、まぁこんなもんです。剥いたケーブル捩った直締めで良く見る眺めですね。

 

 

それで毎度御馴染みQED AIRLOC応用の角圧着処理です。撚線に専用の筒を被せて超強力なプレスを全周囲から施し、撚線多芯線を完全な金属角柱状態へ持ち込み、プラグ内部での強力な接続を実現します。

 

 

再びプラグに装着です、しっかり留まった姿が確認頂けますか?
接続時の金属露出部分は可能な限り絶縁処理を施します。ここから枝毛が伸びている、見るのもおぞましい危険な姿の電源線の市販品、個人作成品問わずのあまりの多さに、最近私はちょっと怖れを抱いています。

 

 

シースを被せてアモルメットコアも通して完成です。悪くない仕上がりでしょ?

 

 

こちらも似たようなプロセスを経て仕上がったメーカー品の持ち込みケーブルです。プラグ交換、内部接続角圧着処理、新規シース被せにアモルメットコア通しと、最早製品購入時の原型を留めていませんが、間違いなく言えるのは今まで以上の安全性の確保と音楽再現性です。

 

 

こちらもほぼ同じ内容ですね、プラグはお客様の好みで今回は片側のみ入れ替えました。試聴してまた再び違う物へのコンバートもある事でしょう。

 

 

はい、でんき堂が多少皆様に知って頂く切っ掛けになったDL-103のアルミボディですね。雑誌などで紹介されたりメーカー関係者がこっそり買ってくださったりと、発表以来数年経ても尚好評です。オリジナルDL-103の振動系や電気系には一切の手を加えずに、精密加工業者にお願いして作成してもらった元の樹脂ボディと寸分違わぬ作りのアルミボディに換装したコチラが聴かす音世界の深淵には企画した私自身が全く驚くしかありませんでした。
レアモデルDL-103Mを除く全103系列に対応いたします。各種DL103へのお持ち込換装対応です。中にはどっかの駅前家電カメラ量販店で今まさに購入したばかりのDL103をお持ち込みになられるお客様もおられるほどですが、一応当店でもDL103は通常在庫を持っていてその価格も市場と大きく乖離はして居ない筈なので、ご検討の際には一声おかけ頂ければ幸いです。

 

 

こちらは有名なメーカーでレコードの作成に携わる業界関係者の個人所有物の持ち込みです。KS-Remastの高級リード線への換装依頼です。KS-Remast主催の柄沢さんとの共通認識は、リード線装着は本来個人で気軽に扱えるほど甘い物では無いという点で、自分のリード線は出来れば技術屋に装着を任せたい、でんき堂に関しては基本的に全て任せて構わないという有難い御指名を頂戴しています。
装着後の店頭試聴はお客様共々リード線の交換で得られる音楽再現性に驚くばかりでした。

 

 

えっとこれは、当店では扱い実績のないカナレさんの4芯ケーブルだったかな?剥いただけの姿でしたが、お客様の機材に見合ったシングルバイワイヤ用に仕上げました。持ち込み前と大きく変わった見栄えと使い勝手とその音で年末を楽しんで頂けていることでしょう。

 

 

今度は中電(←どっかの電力会社じゃないよ!)の新型MMカートリッジ、MG-3605(丸針)をシェル装着と同時に再び登場KS-Remastさんのリード線を組んで、PHONOPHILEさんのアナログゲージで針先位置出しを行っている姿です。とっても使い易い優れたゲージですよ、ご自身でアナログ調整される方は是非おひとつどうぞ!
また、中電の新製品MMカートリッジ、MG3605丸針及び3675楕円針は価格に見合わぬ高性能っぷり、こういった高級リード線への換装も軽くその再生結果で応えます。皆様もおひとつと言わず丸針楕円セットでどうぞ。

 

 

再びQEDですが、今度はケーブルもプラグも全てQEDのコンプリートです。プラグはAIRLOC-MINIと呼ばれる、小径ケーブル用に用意されている、標準型に対して効果は同じで価格を抑えた仕様です。即ち今回用いたXT-25と言うケーブルはミニタイプでも処理化可能と言う事です。尚、機材への抜き差しが多い方にはプラグホルダーを備えた標準型をお勧めいたします。写真では片側が先ほどから度々登場するQED AIRLOC応用の角圧着処理になっています。バナナプラグ非対応時の事実上の最良な処理です。

 

 

コチラは先と同じQED XT-25で作成したバイワイヤ入力タイプのスピーカ用に作成したショートワイヤです。ORBのYラグで圧着&半田のW処理で作成してあります。バイワイヤタイプのスピーカーは付属の金属プレートはどうしても音質追及時の足枷になりやすいので、バイワイヤ接続以外をお考えの際には是非ショートワイヤに目を向けてみましょう。こちらはなかなか評判も良いので、次期レギュラーメニューとして販売いたします、宜しくお願い致します。

 

 

はい、当店では定番化した米国MIL規格同軸ケーブルで組んだラインケーブルです。お陰様で一度耳にされたお客様からのリピートが非常に多く嬉しいのですが、完全にデッドストックの数に限りがある線材での作成ですので、興味ある方はお早めにご依頼くださいませ。

 

 

こちらも大分定番化してきた当店オリジナルの電源ケーブルです。フルテックのケーブル、フルテックのプラグで奇をてらわずに組んだ普通のケーブルを目指しましたが、内部の接続のQED AIRLOC応用の角圧着処理がもたらす安全性と音楽再現性が評価頂けた様子で、企画者の私の予想を上回る注文を頂けております。好きな長さ、無メッキ銅、金メッキ、ロジウムメッキの3タイプから選べるプラグ、赤、橙、青、緑、黄、白、灰、黒、半透明の9色から選べるシースのカラーもその要因なのでしょうね。今回はお客様のご要望で無メッキプラグ、シースは赤、端末の伸縮チューブも赤の拘り仕上げです、レッドな見栄えがカッコいいですね。

 

 

先程紹介したのと同じORBのスピーカーケーブルQED AIRLOC処理ですが、コチラはシングルバイワイヤ仕上げです、故にプラグは12箇所です。たまに自分のアンプのスピーカーターミナルの出力が1系統しかないからバイワイヤ接続が出来ないと思い込んでおられる方がいらっしゃいますが、要するに勘違いですので、そういったアンプでバイワイヤ接続に興味がある方は一度当店までご相談くださいね。

 

 

こちらはDENONのDL-103Rをオーソドックスに組んで音出し確認をしているところです。特に高価なシェルやリード線と組む時でなくても、当店は基本的にお客様のアーム/プレーヤーの機種をお伺いして針先位置を合わせてから納品しています。例えばSL-1200系列なら52㎜、最近のDENONなどは54㎜等ですね。

 

 

納品前の針先確認、顕微鏡確認も最早お馴染みの当店のメニューです。直接来店者には接眼レンズを覗いて頂き、遠方の方には撮影画像を同封してお送りいたします。

 

 

多少自慢を許して頂ければ、DL-102の装着実績は当店が事実上の日本一です。この誤解が多くかつ恐ろしくポテンシャルの高いカートリッジにてモノラル再生に挑戦されたい方は是非一度お問い合わせくださいませ。

 

 

当店のオリジナルケーブルで、先ほどの紹介は同軸タイプでしたがこちらは2芯シールドタイプです。米国MIL規格線を用いてあり、同軸タイプに比べれば製作手順も含めて安価なので、発表以来数年に亘って支持頂けている当店の標準ケーブルです。今までの制作事例では20cm~15mと、皆様の要望に応えて自在に応じられます。

 

 

そして2芯シールド線なので比較的簡単にバランスタイプも作れます。写真の様に特殊な目的でのXLR-RCA変換ケーブルも作成いたします。但し、こういった仕様の作成はお客様自身の深い理解と製作側の了解の範囲が一致しないと事故が起きますので、作成に当たっては十分なお話合いの時間を持たさせて頂いております。特に今回は3番ホット上流で下流がRCAと言う、何言ってんだか既に意味が分からない方は、ただ単に手元の機材のプラグ形状の一致のみを求めて用意するべきケーブルではないと敢えて申し上げ致します。

 

 

それを聴く全ての人間に癖のある音で嫌な気持を抱かせない、素晴らしい特質をもったシェルターの高級カートリッジ、Model901Ⅲの装着です。但し、今回はまだ正式に発表されていないモノラル仕様、これを手に出来るお客様は幸せですね!

 

 

ソリッド角柱ダイヤモンド無垢針の美しさをどうぞ!

 

 

こちらは個人的に大好きなGRACE F-8Lです。40年以上前のMMカートリッジですが、状態の良いものが手に入れば、未だに直接的にこちらの代わりになるバランスよい廉価なMMカートリッジはそんなに選択肢がない事に気が付かされます。今回は九州方面のお客様が入手されたものを盤上に再登板させるためのセットアップ作業が私の仕事です。

 

 

シェルもGRACEオリジナルだったので、またまたKS-Remastさんのリード線に換装する際に、一般アーム対応接続に配線を直します。この辺の話は非常にややこしいので、所謂『半端なマニアのGRACEの悲劇』になる前に、そこんとこちゃんと理解できているお店まで一度ご相談くださいませ。まともな返答が得られなかった際には当店までどうぞ。

 

 

預かった際には40年以上ノーメンテで過ごしたと思われる毛埃まみれで真っ黒の毬藻みたいな酷い姿でしたが、かなり時間をかけてクリーニング作業を施して、再びダイヤの姿形光が帰ってきました。

 

 

はい、本年最後のお仕事です。超高級電源線のACROLINK 7N-PC4030 Leggendaの切り売りにAcousticReviveのCSF-10を被せて、お客様が送ってくださったジョデリカプラグを装着しての作成です。中村製作所のアモルメットコアNS-295も通してと、ハッキリ言ってお金も手間も掛かっています。仕上がりは自信を持ってお納め致します、後はお客様の満足度が私の喜びですとだけ、敢えて試聴したその音には論評をひかえさせて頂いての本年の仕事納めといたします。

 

皆さん、一年間大変お世話になりました。来年はでんき堂は、より皆様に今まで以上のサービスが行えるように努めたいと思います。
なかなか大変なご時世ですが、皆様と乗り越え、再び明るい新年を店頭で共に迎えられれば幸いです、以上

 

新年は1/4(月)13:00より通常営業いたします

0466-20-5223

 

よいお年を!