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その歴史、展開製品共に国内最高レベルに等しい知名度と実力を持ち、その名声が高いラックスマンですが、決して高い製品のみに固執する訳でもなく、かなり以前より日常の趣味のオーディオとしての愉しみを豊かにしてくれるのに必要不可欠なアクセサリー類も同社は古くから手掛けております。

一部の何もかもが高いブランドとは違って、ラックスは決して近づきがたい存在ではありません。古くから続く同社の廉価で使い易いオーディオセレクター等は、事実上ラックスの独壇場かもしれませんね。

90年代の初頭のラックス混乱期には絶望的に商品アイテム数を減らしてしまって、一時はどうなる事かと心配もしましたが、最近の好調な同社のUSB-DACやヘッドホンアンプ等の商品展開を見ていると、70年代後半の超高級アンプからチューナーにイコライザーにデッキ、真空管アンプ、ターンテーブルに加えてアクセサリー類や廉価なラックスキットを擁して幅広いオーディオユーザー層の期待に応えていた頃の勢いを思い出させます。

さて、そのラックスは同社ユーザー以外にも安心して使って貰える、高すぎないラインケーブル等を以前から展開していて、そのマイルドな傾向な肌触りの音調傾向は中々好ましいと私などは感じていますが、今回そのシリーズに新たにスピーカーケーブルが加わりました。

長楕円断面の中に並行二芯の信号線とドレインを持ったシンプルな構造のスピーカーケーブルです。OFC(高純度無酸素銅)の採用自体は珍しくも無いのですが、この会社はその製品造りの際に徒にスペックを誇る目的の部材や素材を投入する事を全面に押し出すことは少なく、音楽全体のトーンを麗しく響かすための製品の造り方のバランス調整が長けているように感じます。

要するに圧倒的な数値を誇る凄い言葉が並んだ部材素材を掻き集めて組んだ結果に過ぎない、性能は良いけど聴いてみたら極めてバランスの悪い音が出ている類の、カタログ修飾用のスペックと素材の羅列に終始した様な製品も案外世の中には多いと言う事です、どれとは言いませんが。それ自体が悪いとは言いませんし内容自体はお金が掛かっているのは事実ですが、その手の製品はよくいえばマニア好み、悪く言ってもマニア好みの物であって、普通に使う側には何かと面倒が増えると言う事です。

翻ってラックスはというと、今回のケーブルを含めて、極端な性能偏重には陥らない音楽を楽しむ事を前提とした同社の物造りの良き伝統を未だに守っているので、マニア的に感じられるオーディオ趣味の中で、実は皆さまがこのブランド名を耳にした際に感じる一般的なイメージ、即ちややこしげな雑誌に偉そうに語られているオーディオ機器やアクセサリーの組み合わせだ相性だと言ったしょうもない伝聞に左右されずに

「なんだかよさそう」

と感じて頂けたら、その製品が予算の許す範囲であれば遠慮なくお使い頂き、お好きな音楽を愉しく奏でてくれるはずです。ラックスはそういうブランドです、というよりオーディオは本来それで良いのだと思います。

現代の一部のオーディオ発信者を中心に、一部の誌上やネット上で語られがちな、機材が音楽を選んだり組み合わせがお客様の選択の自由を狭める様な表現展開は、正直言って異常な話なのです。

勿論オーディオですから、どんなブランドにも機材にも個々の差異や特色は当然存在しますが、それ自体が音楽を制約したり貶めたりする筈もなく、要はそのブランドや機材を通して再生された音楽が聴き手側にとって愉しいかどうかの問題にすぎません。その意味で組み合わせは存在しますが、良い悪いは正直言って、人様の食べ物の好き嫌いや塩胡椒加減に口挟んでる様な物で、絶対基準等本来は存在しません、つまり辛いか甘い、おいしいかそうでないかは受け手側の感受性次第です。

さて、そんなゴタクはともかくとして、ラックスの製品はどなたにもおいしいと感じて頂けるよいブランドです。

普段お使いの機材に今回のラックスのスピーカーケーブルをちょっと手挟んでみるだけでも、途端に同社の目指す豊な音調音色を感じていただけるかもしれませんね!

今回使用環境に応じて選択が出来る、造りの良いバナナプラグとYラグも同時に発表され、実際にケーブルを噛ましてみるとよく考えて作られている事がすぐに判りました。

手始めに裸剥きでスピーカーケーブルを繋いでみて、少しでも得られるものが感じて頂けたなら、その次には是非この端子類も使ってみて下さい。勿論他社のスピーカーケーブルにもどんどん用いてみましょう、ここではこれ以上申しませんが、やはり裸剥き結線と端末処理を丁寧に行ったモノの間に横たわる差異はなかなか深くて面白い物なのです。あれ、さっきと言ってる事違っちゃったかな・・・

http://www.a-sq.net/search/search.php?rd=1&search_name=luxman(販売はこちら)