皆さん今晩は。

もはや一昔どころではないな、3~4昔になってしまいますが、ここ最近勢力を盛り返してきているアナログプレーヤーってそもそも、モーター部としてのターンテーブル、DENONのDp3000とかTechnicsのSP10とかを決めて、ショップか自分で用意した積層合板かなんかのキャビネットに組んで、SAECとかグレースとかクラフトとかFRとかSMEとか、とにかく好みのアームを選んで必要箇所に孔を開けて据えて完成って代物だったんですよね。その流れで少し大きく作ったキャビネットならば二本目三本目のアームを据えていけた訳です。
その後メーカー側が予めキャビネットを用意する様になって、アームボードの追加等で自由にアームを選べたり増やせたりするようになったりもしたのですが、段々トリオのKP900とかパイオニアのPL-50とかテクニクスのSL-1200の様な完成系としてのプレーヤーが主流の位置を占めるようになって来て、徐々にダブルアーム、トリプルアームは一部のマニアか超高級品以外では実現し難い遊びになって行ってしまいました。

そう、遊びなんです、アーム増やして愉しむと言う行為は本来。

MCのDL-103聴きながらMMのV15TypeⅢも同時に聴いてみたい、モノラル盤聴く度にDL102への針の付け替え、針圧の変更は煩わしい、或いは同一の盤でSME3012のスケール感とオルトフォンのダイナミックバランス型アームの安定感と、SAECのWE308SXの繊細さを同時に体感したい、そういう時は二本三本とターンテーブルを取り囲むようにアームを並べて使うのが一番なのです。
40年前ならそんなに高価なプレーヤーでなくともWアームは実現出来ましたが、完成系のプレーヤーが大概の現在では、端からアームの増設に応じた設計のプレーヤーは極一部を覗いて大概が100万に手が届く様な物かそれ以上の高級品ばかりとなってしまいました。勿論それらを買える方には是非買って頂きたいのですが、まだオーディオ歴の浅い青年が純粋な好奇心からやってみたいの気持ちで臨むには、ちょっと一般論的には価格が高くなりすぎてしまっています。
私の場合は、購買側の立場としてのそういったクラフト系オーディオの最盛期には間に合わなかった世代なのですが、幸いにしてそういった物を入手し易い環境に居られたおかげで、それに対して好奇心さえもって臨めれば、多少の工夫と高過ぎない金額でキャビネットにモーター組んで各種揃えたアームをキャビネットに孔開けたりロングアーム用のボードを追加したりしてトリプルアームを組む経験が出来ました。
勿論据えたアームの数だけ、対応した数の入力を有したトランスやイコライザーがあった方が便利なのですが、ともかく一度でもWアーム、トリプルアームを経験した方にはお分かりだと思いますが、ハッキリ言って今更アーム一本には戻れません。便利だし愉しいし、また、プレーヤーが2台あるのとも全く意味が違うのですね。
この面白さを是非皆さんにもなんとか常識的な価格の範囲で伝えられればなぁ、なんとかメーカーさんやってよぉ、と、この20年くらいずっと唱え続けては居たのですが、まぁ当然誰も相手にはしてくれませんでした。

 

 

さて、写真はクライナさんのHPからお借りしたモノですが、彼らが『クライナロングアームマウントシステム』と呼ぶ、既存のプレーヤーに第二第三のアームを追加する為の独立型追加アームベースですね。待ってました、嬉しいですね、こう言う姿勢のメーカーの存在は。
アルミプレートとステンレスの支柱で組まれたシンプルな構造ですが、JELCOのロングアームを中心に、今後はプレートの追加で他社製アームも対応を広げていく予定の製品です。要するに既成のアームの載ったプレーヤーをモーターと捉えて、その脇に第二のアームを本体に干渉なく増やす為のベースです。その気になれば第3のアームだって可能です。
今時キャビネットに直接ホールソーやドリルで丸孔直接開けろって言われても、簡単にいかない製品構成、時代になった訳ですね。因みに、かつてのオーディオ専門店には、キャビネットに丸孔開ける為のジグや工具が揃っていて、客の求めるアームに応じた孔をその場で開けたりしていたそうですよ。

さて、今回クライナさんの努力で、既存のプレーヤーに孔を開けたり超高額製品に頼らなくとも、例えばテクニクスのSL1200系列でもセカンド、サードアームを体験できる様になった訳ですが、かなり楽になったとはいえ、やはりこの遊びは販売側購入側ともに相当な知識と経験は必要とされる訳ですね。
よって今回クライナさんはこの製品に関しては、完全に彼らがこういった特殊性の高い製品を扱わせても問題ないと、その技量を見込んだお店を指定して展開する方針と決められた様子で、KRYNAさんの該当ページでのその錚々たるアナログの遣い手が居並ぶ専門店方々の中に交じって

『でんき堂スクェア』

の名も含めて頂けました。嬉しいですね、皆さんどんどん当店にも相談下さいねって喜びながら彼らのホームページを眺めたら、おいっ!でんき堂の電話番号ちげーよ!

 

KRYNAさんのアームベース買ってどんどんアームを増やしましょう!
お客様にもクライナさん担当者殿にも当店電話番号はコチラ!!!
→0466-20-5223