写真は、ここでも再三登場しては『付けるの難しいですよ』と言っている、DENONのモノラルカートリッジDL102です。もう出てから60年近いのかな、この製品は。何しろ1964年登場のDL103が55年経ってますからね、もうすぐ東京オリンピックの2回目を跨ぐ訳ですよ、この針達は現役のまま。
二回のオリンピックの期間にこの国もすっかり変わった訳でして、この針を取り巻く環境も大きく変わりました。そもそも当時コレを扱ったコロンビアは既に関係なく、DENONブランドも当時はデンオンと呼んでたモノが今では国際的な通称に合わせてデノンになったし、営業的には本来何の関係もなかったマランツブランドと親会社の関係で統合されてと、針自体は奇跡的に変わらずに供給されてますが、それ以外は人も物も環境も状況も全部変わってしまったと言ってもいいですね。
当時はこのDL102の長く伸びたピンに直に線を半田付けしたのでしょうが、令和の御代のオーディオは流石にそういう訳にも参りません。所がスピーカーが一本のモノラル再生時代に作られたカートリッジをステレオ時代に聴くと言う事は、それはあくまでステレオ機材用に接続する事であって、二本のスピーカーそれぞれから同じ信号を出して再生する事をダイフォニック再生と言って、実際にはスピーカー一本のモノフォニックとは意味合いが異なるのですがその話はさておき、ともかくステレオカートリッジならリードピンが赤白緑青の4本出てる物を、DL102は2本のみなのです。即ち片側に信号線(赤/白)を繋ぎ、もう片側にグラウンド(緑/青)を繋ぐのですね。
しかしこの一本のピンに二本のリード線を差しこむのは実に難しいと言うよりは至難の業で事故も大変多いのです、と言って先程言った様に半田でピッて訳にも・・・
そんあ事もあろうかと、でんき堂では以前からベルドリームさんにお願いしてDL102用にY字型リード線を作って貰っています。コチラ大変便利なアイテムで、ベルドリーム主催のS氏も、『作れと言われた時はこれほど需要が高いとは思いませんでした』と言う程の売れ行き。但し、Y字型の専用設計にした所でDL102の装着の難しさには変わりませんので、でんき堂では基本的には店頭での購入時や持ち込みでの装着をお勧めしています。
今日のお写真もその流れの一環ですが、リード線はオーディオリファレンスインクさんに頼んで作って貰っている、ブラックキャットケーブルの高価な銅線材を転用してのDL102専用Y字型リード線です。価格は11,880円税込、6,480円のグレードも用意してありますよ、とても細い線材の撚り合わせで、装着時に掴みどころ誤ると断線してしまいますが、なるほどDL102とは大した実力なんだなと思い知るには十分な違いを体感出来ますので、是非コチラも併せてでんき堂までご依頼頂けると嬉しいですね。

 

 

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