皆さん今晩は。

最近ソフトにおける録音時/再生時における位相の問題ですっかり頭が混乱気味の店主です。
大変問題を含みながら非常に重要な部分なので、このあまりにも根本的ながらオーディオ趣味的には長期に亘って等閑に付されてきた部分での、何か分かりやすい説明を思いついたら時期を見て報告させて下さいね。店頭での体感ならば比較的簡単に説明できるのですが、文章に起こすのは私の理解力と文章力と表現力では些か荷が重いですね・・・

さて、今日も良く降る雨の下、地下に籠ってお客様から預かったケーブルの端末を弄ったり針先顕微鏡で覗いたりです。

 

 

まずコチラ。お客様から預かったスピーカーケーブルの先端ですね。剥いて捩ってターミナルなりプラグに締め込んでいた事が伺えます。これはどなたの処理であっても一般的にはこんな感じで、店頭でお預かりして眺める数多のケーブル先端は大概こんなもんです。後は今回はゾノトーンを預かったのですが、ゾノトーンはその仕上げが被覆が固く線材に食い込むタイプでして、剥く際に写真でもお分かり頂けそうですが、内部の線材をかなり切り落とす、千切れてしまう事が多いのですね。コチラは全体の1/5程は失っている様子です。勿論それでも音はちゃんと出ますし、一本も切り落とさずにこのタイプの線を剥ける人の方が滅多にいない事も記しておきますね。

 

 

こちらは先程の先端を切り落として新たに剥き直した姿です。頂いた仕事である以上は最善を尽くして剥きます。綺麗でしょ?
勿論私でも多芯構造の細い線の集合体のタイプの場合は、1,2本は切り落としてしまう事もありますが、基本的にはほぼ完璧の状態で剥けるように配慮しています。今回の写真のは一本も漏らさず残して綺麗に剥けました。また、この大変固い被覆は、ワイヤーストリッパーで線材傷めずに剥くのは事実上難しく、結局は内部に傷を付けない様に外周に刃を当ててて切り目を設けてから引き抜くしかないのですが、その際爪立てて剥こうものなら下手すれば爪失うし、指先も痛くてかないません。そこで円周状に切り目を入れてからケーブル伸張方向に縦にカッターナイフなどで切れ込みを入れて剥ぐように取り去る方法を推奨したりする場合も見受け、実際に私も暫くそうしていましたが、やはり内部の銅線に傷を入れない観点では完璧とは言えないので最近はやめました。
じゃどうすんのさと言う話ですが、オーディオを愉しむのに魔法とか裏技はありませんので、それに相応しい道具と工夫で写真の様に剥いてるのだとご理解ください。

 

 

そしてコチラ、右側が先程剥いた線材先端に、当ブログでも度々紹介しているQED AIRLOC応用の角圧着処理です。線材に専用スリーブを被せた上で専用の高圧プレス機で全周囲から圧着を施し、複数の線材が一本の金属棒の様に生まれ変わった姿です。
左側がその状態にした物へ、フルテックのバナナプラグを留めた状態です。写真にある様に二点のイモ螺子で締めるのですが、どこで話がそうなったのか、このプラグを使う殆どの方がここに剥いた線材をそのまま挿入してイモ螺子締めして上手く締まらないとかすぐ抜けるとかおっしゃています。否定的断定は本来避けたいのですが、要するにそれ間違ってます。撚り線捩って螺子締めても力掛かりません、こればかりは道理です。右手の金属棒状態になら実に強固にイモ螺子が締め上がり、相当の力で引いてもまず抜けません。結果としての確実な接続が確実な接点を約束し確実な信号の受け渡しが確実な再生を与えてくれると私自身は考えています、要するに何を使うかではなくどう使うかの部分のお話ですね。

 

 

さて完成です。先程のフルテックの基部、金属露出部分も伸縮チューブを掛けておきます。これは抜け防止ではなく、もしものショート防止と見栄えを兼ねた処理ですね。右側は当店お馴染QED AIRLOC処理ABSバナナ仕様です。今回はお客様のご意向にてせっかくのフルテックプラグも再活用したいとの意思を汲んでのこの様な仕上げとなりました。
尚、写真中新たに当店が用意したモノは右手のAIRLOCプラグとそれに纏わる両端の加工のみで、線材もフルテックのピストル型プラグも全てお客様からの持ち込みです。
でんき堂はこう言った使用中の線材のリフレッシュ作業や他店購入品への加工も喜んで承りますので、当店で対応できるサービス内容が御座いましたら何なりとご相談を下さいませ。
本日は開店から閉店まで始終こう言った作業の日でした。最近とてもこういった依頼が増えて来ていて、場合によってはお客様方にお時間を頂く事も御座いますが、頂いた仕事には最善の姿勢で臨みますので、是非とも宜しくお願い致します。

 

オーデイオアクセサリー、買い替えも勿論愉しいですが、一度、今お使いのケーブルを綺麗に接続し直して音の変化を体感してみませんか?→0466-20-5223