ゾノトーンのケーブルは剥き難いと言う話が巷間実しやかに囁かれていますね。
まぁ分からなくもないのですが、今まで沢山この青い色した人気ケーブルをさわって来た立場での意見としましては要するに

経験を重ねて技術を高めて道具を揃えて十分な準備と時間をかければ全然難しくないし、いきなり取り掛かればそりゃ大変でしょうねと。それはこのケーブルに限らず何だってそうでしょうが・・・

今日のお仕事はその難しいと言われがちな、特にシールドや被覆が凝っていて硬い造りの6NSP-Granster2200α及び5500αへの端末加工作業です。

 

 

たとえば上の写真は6NSP-Granster2200αをシンプルに剥いて先端を半田処理したものです。このケーブルは確かに硬く、どのタイプのワイヤーストリッパーを用いても線径の関係で線材を傷付けたり切ったりせずに剥くのはまず無理です、何しろ被覆内でケーブル自体が偏芯してるし。
結局は撚り線を一本たりとも切り落としたくなければ、剥きたい長さにそっと線毎の被覆へ刃物をそっと当てての作業ですが、無事切り込みを入れても、この被覆が爪立てて引いたぐらいでは抜けません。半ば線材と溶着するくらいの強度で融合しています。ベストは切り込みを入れた後にヒートガンであぶってビニールを柔らかくしてから引き抜きます。ここまでして初めてこの銅線の撚り状態が一本も欠損せずかつ綺麗な撚り状態で取り出せます。だので半田を流しても非常に綺麗な見栄えで仕上がります。1セット仕上げるのにケーブル外身両端左右分を四回剥いて、防振で入ってる木綿糸も同じく4箇所分切り落として、内線を先程の作業をプラスマイナス両端左右8回繰り返して、半田も8回流して伸縮チューブも4箇所炙って付けて漸く完成です。これらを一般的には30分で行えればまずまずの遣い手でしょうね。

 

 

こちらは6NSP-Granster5500αです、実質2200αの4芯仕様と思って頂いて構いません。つまり向き工程では先程のおよそ二倍近い手間が掛かると理解下さい。写真の仕上げはでんき堂ではお馴染にしてかなりの人気なシングルバイワイヤ仕様にQEDのAIRLOCです。
先程述べた切り込みいれて炙って剥いての作業を16回済ませて更にQEDのAIRLOC専用工具で12回の端子圧着作業で、流石に私でも1時間近い時間を要します。
AIRLOC自体は経験や技量に関係なく個人では実質行えない処理ですが、この仕上げを体感したお客様方からの驚きや感想が励みで嬉しくもあり、然程苦にはなりません。確かに時間が掛かりますが・・・

 

剥き難そうなZonotoneケーブルの端末加工依頼は→0466-20-5223