2月も中旬を迎え、乾燥気味の関東の冬空の下を年末以来寒い寒い言いながらインフルエンザの脅威をどうにかかわしたかと思ったのも束の間、今度は花粉ですよ、全くもう・・・

今日もケーブルですいません、なんだか本当に日々ケーブル作業が溜まってしまっていて、その仕上がりを褒めて頂いての再注文の方も多くて有難い限りなのですが、日々此処を眺めて下さってる方にはちょっと飽きられちゃうかも知れないな、と、少しは心配もしています。
言い訳がましい事を書かさせて頂くなら、でんき堂スクェアと致しましては、オーディオ全般を扱うのは当然として、それそのもを最大限に活用し愉しんで頂くために機材は勿論ですが、それに纏わる接続の確実性を重要視しています。スピーカーケーブルもラインケーブルもデジタルケーブルも電源ケーブルも然り。
高価で高純度な線材も高級高品質なプラグ類も、それこそ超大型家電カメラ量販店の、それが一体何であるかさえ分かっていない(かもしれない、或いはついそう感じてしまう)店員からさえ購入は誰でも叶うでしょう。しかしケーブルやプラグと言った類の製品は、その高純度さや高性能さも結局は料理の食材と似たようなもので、活かすも殺すも調理次第です。
私自身は料理の才能は無いので、どんなに良い食材を与えた所で、それを得意と、或いは専門とする方々には到底敵いません。逆にいえば、今回紹介する様なケーブルやプラグに関しましては、もし私どもにその仕上げを関わらさせて頂ければ、大概の方々よりは綺麗で性能を確保した仕上げに致しますと、そこは専門店としてある程度のレベルでのお約束は間違いなく致します。
更に言葉を重ねると、そういった作業を請け負ってこそ専門店だと私自身は考えているのですが、実際にはそのような作業を引き受けるオーディオ販売店は極めて少ない様子で、当店のそうした作業の存在を知った各地のお客様方から、端末処理と言った作業の依頼受ける様になりました。
相変わらずの前口上に既に飽きた方もおられましょうが、要するにまだこういったサービスの存在を知らずに適当に切った線を捩って高価なプラグに留めただけの状態のままオーディオ機材に繋いでいる、全国のでんき堂スクェア未経験者に向けてのアピールとして、日々の端末作業を掲載しています。
それらの内容は全て、他店購入済みのものであれ、既にお使いの製品へのリフレッシュ作業としてのお持ち込みであれ、喜んでお受け致しますので、遠慮なくお申し付け下しませと広く皆様にお伝えしたいと願っています。
勿論、普通にどーんっと箱モノ下さいってご注文は喜んで承りますよ、決してケーブル加工専門店で無い事も重ねて申し上げておきますね。あくまで、端末処理も大変重視しているオーディオ専門店であるとご理解頂ければ幸いです。

さて、ゴタクは済んだのでお仕事開始・・・

コチラ、ACROLINKの7N-S1400 leggendaと言う、メートル当たり16,200円もする大変高価なケーブルで、7N銅の線材の採用にとどまらず、複層のシース構造に銅箔を巻いたり導電性の制振材を介して電磁波吸収材も内包したりといった凝った高性能仕様。お客様の要望はコチラにFurutechのFP-201(R)と言うロジウムメッキを施したY型プラグの取り付けです。剥いた部分から端末エンドまでの長さの指定や、端末自体への伸縮チューブの被せ等も細かく承った案件ですので、こちらもそれなりの構えで応じます。おおまかに作業手順を撮りましたのでご参考までにどうぞ。

 

↑カットした姿です、凄い内容ですね、居合わせたお客様が剥いた中身の凝った作りを目にして見て感心していました。

 

端末がお客様の求める長さに見合うように、プラグ取り付け分を考慮しカットし剥きだします。
想像以上に結構な技量が必要ですよ。
基部には伸縮チューブを被せて見栄えも整えます。
このケーブルだと15φの伸縮チューブが必要になります、伸縮チューブって、各種径を必要数用意しておくのって、結構値が張るのですよ・・・

 

はい、剥きました。この状態で直接プラグ付けちゃったり、捩ってターミナル直留めってのが実際殆どなのでしょうね・・・
勿論その行為を否定する気も資格も無いのですが、より良い可能性を求めての他の選択肢がある事も是非知っては頂きたいものです。要はそれを知った上でそうするかしないかの選択であって欲しいのです。

 

こちらが当店が得意としていて、是非皆様にも知って頂きたい、QED AIRLOC応用の角圧着仕上げです。
線材がスリーブを介して高圧でプレスされ、線材間の空気を追い出された高密度状態の一本の金属棒と化しています。

 

その上でプラグを強固にイモ螺子で締めあげます。何枚か上の写真の状態の撚り線状態に対してコチラを力いっぱい締める方が大半ですが、撚り線相手に幾ら力んでも、引っ張れば抜けます。或いはその時点から千切れ始めて時間の経過とともに勝手に抜け落ちます。
この写真の状態の留は、相当の力で引いても抜けません、つまりそれだけ確実な接点を有しています。

 

最後に接続部以外の金属露出部に伸縮チューブを被せます。
同じ作業を1ペア分即ち8箇所行います。

 

こんな感じに出来上がりました。勿論丁寧に時間を掛けて臨めばどなたでもこの見栄えは得られますよ、但し内部での留め具合いとそこから得られる音質的優位性は、残念ながらそう簡単には得られません。

皆さまも宜しければ是非、ケーブル作成、端末処理をでんき堂スクェアへ申しつけ下さいませ→0466-20-5223