皆様、正月ボケも流石に通り越してインフルエンザの脅威に怯える毎日を無事お過ごしでしょうか?
関東地方では驚異的な期間の雨雪なしだったようで、異常な乾燥に喉もすっかりやられ気味、皆様もくれぐれもご用心下さいませ。

さて、今日のお仕事は比較的オーソドックスな作業で、極めて標準的なシェルのテクニカMG10にDENONのDL103Rを当店オリジナルのアルミスペーサーを介して装着し、リード線にはSAECのSR500を奢ります。
その組み合わせに於いて、正しく組み付けてセッティングさえ決まれば試聴前から十分いい音が出る事は決まった様なもんもですが、それ以外の注意点を幾つか・・・

①テクニカの螺子穴が切ってあるタイプのシェル、MG10の場合、4っつ選べる螺子穴位置が4mm間隔なのですが、最先端側に留めてもそれが103系列の場合、シェル-アーム接合部起点針先までが実測51mm程度となり、最近の54mmを採用するDENON DP1300や500に於いては厳密に言うとオーバーハング的に見て少々ズレている組み合わせと言えます。この場合は違うシェルをお薦め致します、シェルターのMODEL1011 何かが使い易くていいですよぉ。
因みにテクニクスSL1200系列の場合、1mm程度のズレですので余程神経質にならない限りは一般論に於いては許容範囲と申し上げておきます。
あと思い出した、このMG10、手掛けの部分が別パーツで螺子留めでそれ自体は悪い話ではないのですが、僅かなズレでシェル座面側に浮いて留っている個体を最近数多く見かける様になりました。このまま針付けるとカートリッジがキチンと付きません、針正面から見ると段差に乗って斜めの状態になりますよ。必ず一度手掛けの留めねじを精密ドライバーで緩め平行を出し直したうえでカートリッジをお付け下さい。何言ってんだか分からない方はもう安心してでんき堂にお任せ下さい、その方が話早いです。

 

Shelter Model1011/L

 

②テクニクスSL1200は沢山出回っていますのでDENONの針と組まれる率も高いのですが、このプレーヤーは面妖な事に、非常に使い易く優れたアーム高さ調整機構を有しながらもそもそもその起点が高いと来ていて、なぜ高いかと言うとその昔の自社の出していたカートリッジをどうやら基準にしてる帰来があるのですが、例えば人気のortofon MC20等もカートリッジ座面から針先までの高さが約20mmと比較的高く、この場合は高さ調整機構をあげれば良いのですが、同じく14mm程度のDL-103系列はSL-1200のプレーヤ-にそのまま使うとまず間違いなくアームお尻側がかなりのヒップアップ状態となり、本来針先はレコード溝に限りなく垂直に立つのが理想ですから、この場合はスペーサーなりマットの厚み増しなどでの対応が必須となりましょう。
また、その際に、フォノファイルからアームと盤面との水平を知るのに大変使い易いゲージ、PP-A01(←間違いなく便利、傑作、アイデアが良い)が用意されていますので、アナログをおやりの方は是非一つ手元に置いてあげて下さいませ、勿論当社で販売してございます。

 

 

③リード線等を交換される方へ。例えば今回のSAECのリード線の場合は線材としてかなり固い方です。シェルのリードピン配列はグレース以外は基本的に同じですが、針側の配列はそれこそまちまちで、同じブランド内でもその並びは設計如何によって不統一ですので、シェル→カートリッジ側に置いてリード線がまっすぐそのまま刺さる関係の方がまず珍しいとご理解下さいませ。必死になってリード線こねくり回してるうちに針先なくなってたり、リード線その物をぶっちぎる事故は実に多いのです。
またリードチップとリードピンの関係においてもそもそも統一規格等存在する訳ではないので、大概がガバガバかキツキツな訳でして、適切な圧力で接合を願う男子諸子勿論女性方においても、必ずチップを締めるか拡げるかの作業が必要になります。が、これハッキリ言って難しいですよ。
果敢にトライしてチップをペンチで噛み潰した人もニードルで拡げようと勢い待って手刺したりチップ破壊した方々を両手両足の指では数えきれないくらい眺めて来ましたので、まぁその針やシェルやリード線等を購ったお店がたまたま超優秀企業の超大型家電カメラ販売店の超高級オーディオ販売コーナーの超優秀な店員さんだったりしたら、一応念のためにそういう事やってくれるかどうか尋ねてみた上で、予想に反して、或いは予想通りに売るだけ売って何もしてくれなかった場合は、持ち込みで結構ですから不幸な事故起こす前にでんき堂まで声掛けて下さいな。

ま、今日はこんなところですかね。

あ、そうそう、失礼でなく忌憚なく申し上げますが、針の事故は100%お客様側の積にございます。たまに自分で買って針を付けようとしたら折れてた的物言いをされる方をごくごくまれに、今コチラを読んで下さっている皆様の事では決して御座いませんが、ごくたまに結構頻々に見掛けますが、そんなの顕微鏡で破断面覗けばすぐわかります、皆さん自分で折ったのです。
繰り返します、折れてたのではなくて折ったのです。屋上屋を重ねますが針は自然とは折れません、悪しからず。故にそういった作業はご購入店か、でんき堂スクェアにどうぞお任せ下さいませ。→0466-20-5223