相変わらず人気ありますね、ortofon SPU
一製品として冷静に見ると、何十年前から変わらぬその姿は幾らなんでも古いのですが、最新が必ずしもベストではないのが趣味の世界でありオーディオです。幸いにしてこの重量級の針を愉しめるアームを所有する方は、それを一度は経験しておいても損はないでしょう。
今回はお父様の形見なのでしょうか、かなり傷んでいたSPUですが、お客様よりどうにか現役復帰させたいとのことで、多少の力技で曲がっていたカンチレバーも何とか矯正してリード線も差し替えです。お客様の指名でortofon LW-800sと言う純銀線をあてがいました。
ひっくり返ったカブトガニの様な狭いボディ内でのリード線交換は結構技術が必要なので、ご自分でやられるお積りの方はくれぐれもご注意くださいね。特にSPUは、リードピンが殊更捻りに弱い構造なので、リード線を付け外しの際に不用意にピンを捻り回すと簡単に内部で断線致します。

 

まず最初の状態です、断線した線を一本差し替えてある様子です

 

ortofon LW-800sリード線に差し替えです

 

装着確認で音出しです、取り敢えず3.5gで再生してみました、店内にSPU特有の厚みのある音が響きます。相当古いモデルですがダンパーは元気ですね。針を介した盤とボディの間隙が写真でもお分かり頂けますね?

 

最後に毎度お馴染の顕微鏡確認をして針の健全性を証明してから納品です。新いリード線と新たな性能を纏って、時間がたったこの針でも当分は楽しんで頂けるのではないでしょうか?

 

高価だったり貴重だったりするSPUなので、何から何までリード線交換みたいな事は個人的にはお勧めしていませんが、もう限界が来てしまった様なリード線は流石にオリジナルに固執しても始まらないので、思い切って交換するのも良い手でしょうね。因みにAシェルはその構造と華奢さ故に正直あまり関わりたくないのが本音ですが、ともかく困った事があったら、でんき堂なりにお答えできる範囲でお付き合いさせて頂きますので、古いSPUが出て来たけど音出るかなって思った方は一度ご相談下さいませ。今回はリード線代金以外に作業費として2,500円頂戴と言ったところでしょうか…

 

お父様の形見も、オークションで落札したものも、昔から使っていた物も、大型カメラ量販で購入したものも、SPUで困った時にはでんき堂まで→0466-20-5223