ここ最近、木製ボディの眺めもたおやかな、GRADO/ グラド のアナログカートリッジの指名が増えてきました。興味持って同社のカタログなんぞ眺めていると、薄ぼんやりとしか知らなかった話が詳しく出ていて楽しいですね。
そもそもMC、MCと普段気軽に口にしていますが、MC=moving coil / ムービングコイル式のフォノカートリッジを最初に開発したのはこのグラドの創業者のJoseph Grado / ジョセフ・グラド氏(米)なんだそうで。更に当たり前の様に使っている赤白緑青のリード線の色分けも彼が決めたのだとか。へぇ~って正直感心してしまいました。皆さんご存知でした?私は知りませんでした、30年オーデイオやってて。普段知った様な事口にしては居ますが、まだまだ知らない事は山の様にありますね。まぁその辺の詳しい話は彼らのカタログに詳しいので譲るとして、そのカタログを開いて見るととても安価な物からかなりの高額品まで実に多くのカートリッジが掲載されていて眺めていて楽しいのですが、途中アレ?と気が付いたのが、このカタログにはMC型が一つもない。おかしいな、だってあんたがたオリジナル開発者でしょ?と思って最後の頁に目をやると「MCカートリッジとの別れ」なる含み出しに詳細書いてありました。要するにMCカートリッジの開発者故にその限界も良く知っている様で、彼らなりの判断で早くも1970年代にはMCには見切りをつけて、今ではFB / Flux Briger 方式でアナログカートリッジを追求してる様ですね。

 

それで今回のお仕事はそのGRADOの中堅どころの Statement Sonata 2を、Shelter / シェルターのModel1011シェルの軽量型にANALOGRELAXの吟醸リードを介して装着です。組み上がったカートリッジを早速試聴です、最初は僅かにタイトな印象でしたが、二三曲流してる内に全体に電気が行き渡ったのか、木製ボディ由来の厚みのある音色と音場を店内一杯に展開してくれました。まぁこの針に限らず、新規に組み上げたおろしたてのカートリッジなぞは大概最初はそうですが。
ところでこのカートリッジ、ボディ構造の関係で専用ネジの上留め型です。よって一部存在する雌螺子切ったシェルには使えません。また少々ボディが大柄だったり、鼻先がかなりながかったり、あまり経験がない方がいきなり手にすると特にシェルへの装着はかなり戸惑う筈です。今回使った吟醸リードも硬めの線で、取り回しにはある程度の経験とセンスが求められるタイプです。シェルターのシェルとの組み合わせを含めてお勧めしたい構成ですが。一般的にはご自身でのシェル装着は正直言ってあまりやられない方が良いかもしれませんね。とても良い音で広く皆様にも愉しんで頂きたい針ですので、装着も含めて是非でんき堂スクェアまで一声お掛け下さいませ。

 

 

グラドもそれ以外もアナログカートリッジのご用命、装着は→0466-20-5223