アンプ及びスピーカー間のスピーカーケーブルの確実な受け渡しはとても大事ですよね。皆さんケーブルの材質やブランドには大層お詳しく深い愛情を持って接せられておられるご様子で、販売側としても趣味的目線でも大変喜ばしいのですが、何故かそれを実際に各機材に繋ぐと言う面ではその拘りが急にトーンダウンしてしまうように感じるのです、私の思いすごしなら良いのですが。

ここにある写真をお見せします。バナナプラグで端末処理された完成組の高級スピーカーケーブルです。この製品自体のブランドや銘柄は今回は重要では有りません、世の中の大概のスピーカーケーブルの現状の代表的一例として上げさせて頂くだけなので悪しからず。

 

 

上の写真が今回お客様より端末変更処理の御依頼を頂いた、メーカー組み上げ済みの相当高価なスピーカーケーブルです。その端末処理されたバナナプラグを、当店でお馴染みQED AIRLOC化するに当たって元のプラグを外した姿です。私も長年各社色んなケーブルの完成版の端末処理を眺めて来ましたが、バナナプラグの種類に違いこそあっても、中の状態は皆一緒、ほぼ9割方は撚った線をイモ螺子留めです。これはプラグとケーブルを各々用意されて自作された方にとっても大差は無い部分でしょう。

 

 

先程の写真の先端ですね、顕微鏡で30倍にして写しました。円内中央僅かに下の銅線が少し弄れている辺りにどうやらイモネジが触って居た様子ですね、他の線は隣で遊んでいます。勿論多少は触れてるでしょうが、全線に均等に螺子の先端の力が伝達される事はその構造故にまず有り得ません。線自体もどうしたって捩っただけで真鍮のプラグ筒内ではこんなもんです、要するにグチャグチャしています。これはブランドやランクが違ってもイモ螺子留めは皆こうなります。無論裸のままアンプやスピーカーのターミナルに直接捻じ込む方々の線もこういう状態である事には変わりありません。

 

 

こちら、QED AIRLOC処理された部分を電気で輪切りにして貰ったものの顕微鏡写真です、みごとじゃありませんか?切断後少々時間が経ったので切断面が多少酸化しておりますが、全ての線材の一本一本が余すことなく隙間なくぎっしりとプラグ内に確実に揃っている姿、即ち空気を追い出す、故に彼らがそう呼ぶAIRLOCの由来が確認頂けたのではないでしょうか。この写真のはこれでも各線材の整列具合が分かりやすいように多少緩く噛んだ物を切って貰って有りますが、実際には境目が分からなくなるくらいの加圧力で全方位から銅線を押しつぶします。

 

 

そうしてAIRLOC化されコチラのケーブルは、新たな性能と能力を身に付けて再びお客様の元へと帰って行きます。どんな音の変化が愉しめたのか、今からお客様の感想が楽しみですね。

 

QED AIRLOC 端末処理ご希望は→0466-20-5223