お断り

以下に連なる駄文は、オーディオや車が好きでしょうがない、価値感の古い愚かな男が書いた物に過ぎません。故にそれに関わる企業の姿勢にその鋭利な言葉の剣が突き刺さるかのような表現が散見されますが、全てはそれそのものに対する愛ゆえにです。よって古い車にも長く使えるオーディオにも興味がない方はお読みになられない方がいいかも知れないと、予めお断りさせて頂きます。

さて、本題。

英国ノッティンガム社にスペースデッキと言う大層洒落て美しいアナログプレーヤーがあります。結構昔から売られていますので愛用者も多い事でしょう。非常に優れたデザインとシンプルな構造ですが、システム的発展を有していて、アーム増設に対応しています。現在の国産プレーヤーが絶対考えない部分です。40年前はマイクロとかビクターがやってましたがね。今度鍵盤楽器で超有名なブランドがアナログプレーヤーをこさえて有名なシリーズ名冠して復活するんですって、その時どんなプレーヤーにするべきか彼らの会議でまとまった結論が

①キャビネットは絶対四角く有る事
②絶対にアクリルの蓋が付いてる事
③ユニバーサルアームで有る事

の三点だったそうです、また聞きですが。③番目はそりゃそうだと思うけど、前の二つに固執している限りは、欧州勢のあの美しくて音の良いプレーヤーに我が国産アナログ機が伍して戦う日は当分と言うか、未来永劫訪れないのでしょうね。別に僕は舶来信者じゃないですよ、確かに昔私が居た、社長が店長殴っちゃったり社員がアルバイトを倉庫で殴っちゃうような超ブラックな相模原系の家電量販屋で肩身を縮めて労働に従事していた頃に、Aの付く高級アンプ揃えてトリオのプレーヤー使って、改造費500万はする様なスカイライン命の一回り年配の先輩社員に、SMEとかネイムとかスペンドール愛してセンターストライプ入れたMG乗り回す僕に向かって「この英国カブレがぁ!」と罵られた事は確かに有りますが。
せめて、

①何よりも美しい
②長きに渡って使える発展性
③生産終了後7年経っても補修を気持ち良く受ける企業姿勢

の三点でアナログプレーヤー作りませんか?皆さん。1970、80年代、下手すりゃ2000年代製でさえ、大手企業がこさえて高価なプレーヤーどれ一台としてメーカーからまともなサービス受けられないのに、その事おくびにも出さずに同じ名前騙ったモデル出して復活謳うとか馬鹿じゃないですかね。同じ1980年代に日本製信奉者が見下していた欧州の機械製造のミッチェルやノッティンガムやリンやトーレンスやロクサンかっときゃよかった事になりませんか、それって。だってまだ修理出来るし所有者皆幸せそうじゃん、金掛かっても治って良い音出てるから。勤勉で真面目な国民性が生み出す高い品質と顧客サービスが優秀な事になっているらしい、四季の有る美しくい国でおもてなしとか恥ずかしげもなく騙る我がニッポンが誇るGT2000とかP3とかSP10Mk2とかKPとかDPとかTTとかのすんごいの持っていても、壊れた人たち皆不幸そうな顔してますよ。だって生産当事者がそれに関わりたがらないから、ね、メーカーの皆さん。SONYのPS-X9とか最悪だよね、その対応。だって当時さ、店頭でコレにするかトーレンスにすっか悩んだ訳でしょ、皆さん。スンごい高いんだから、どっちも。でもあん時のSONYって光り輝いてたわけじゃん、英国製のなよいSMEなんか搭載してふやふやしたプラッターのしかもベルトなんかで回してるトーレンスよか、SONYのハイテク満載のメカの方がよさげに見えたんじゃないすか?それに怪しげな商社の扱う輸入品よか信頼の日本の一流ブランドの方が当然信用できた訳ですよね?じゃぁSONYのこれもそうだし鍵盤楽器屋さんの名機の誉れも高いGT2000もそうだけど、壊れりゃ修理不能のゴミですよね、でもトーレンスとSMEのアームは未だにゴミじゃないですよね。英国病に掛かって労働者全然やる気なくてロンドンがゴミの山だった全然駄目駄目だった暗黒期の英国製が未だに使えて、いけいけどんどんだった時期の日本製がオーディオも車も現在何一つ満足に治して使えない、メーカーもその気がないって、この国の物作りの姿勢とか概念は異常じゃないかと、そろそろ皆さん考えませんか?いつまでも軽薄短小でいいのですかね?
閑話休題、どんなに高価なカートリッジ一個だけ持った所で、複数のアームを配したプレーヤーからMM、MCその他タイプやモノラルカートリッジを付け替える事なく愉しめるのはWアーム、トリプルアームしか有りません。これは複数プレーヤーを所有するのとは違い、一枚のディスクから同時に複数の針の音色を聴き分ける事が出来る訳です。私の場合多少時間と心に余裕がある時等は、三種三様のアームに種々のタイプのカートリッジを配したアームを同時に同じトラックに下ろし、入力切替対応型トランス(←どっかメーカーさん出してよぉ、アントレーET-100のコピーでいいじゃんよぉ・・・)で瞬時に聴き比べて「う~ん、今日の気分とこのディスクはTypeⅢ、否、F-8Lだね、やっぱ」とかほぼ変態遊びしています。その間に浮いたアームの内の一本の針を再生中のディスクの音途切らさずに着け替えて再びセレクタ触って「しやしや、シェルターもえぇのぉ」とかね。ハッキリ言ってアーム一本じゃそんな事やる気にもなりません、だって音途切れるしカートリッジ着け替えるたんびにボリューム絞るとか大変だもん。それに沢山次々ディスク聴ける貴重な休みの日に、モノラルとステレオ盤混在で聴くのどうしますか?DJみたいに景気良く色んなディスクとっかえひっかえ次々針下ろしてどんどん好きな音楽聴きたい時の、あの針の交換の時間は致命的でありせっかく盛り上がった気分が萎えます。肝心な時にもたもたした男がモテる訳ないのは世の摂理でしょう。スパっとパンツ下ろすじゃない、カートリッジ変えてさっと次の音出しですよ、やっぱ。
話が逸れた、それで今回はお客様の依頼でそのスペースデッキ用の増設アームベースの手配です。結構な金額と一カ月もの時間を頂戴してしまいましたが、輸入元の関係でオーダーの度に態々英国本国で削らせたりするので止むをえません。何故削るかと言うと、お客様が選ぶアームによってベースに開ける穴径や位置は当然違うからですね、よってアームベースの在庫と言う概念は基本的には有りません。SMEの様な世界的な普遍モデルは違うでしょうが。今回はJELICOのセミロングを選択です。お客様はかなり遠方なので全て電話のみの話し合いで済ませて取り付けは本人に頑張って貰う形になりましたが、必要な情報と十分な話し合いさえ出来ればなんら問題無い内容です。じゃなんでお客様お住まいの地域から500キロも離れたでんき堂スクェアに態々この話が持ち込まれたかと言うと、その方のお住まいの地域にもノッティンガムを扱えるオーディオショップは幾らでも有るでしょうが、アーム増設等の話を総合的に応じられる方に巡り会えなかったのでしょうね、きっと、残念な事に。

 

 

写真は英国から届いたアームベースです。オーダー頂いたアームの実機と念の為に咬み合わせ確認もしておきます。更に今回アームを増やすに至ったそもそもの動機が、スペースデッキに当初から装備されているストレートアームではSPUは愉しめないしDL102も聴きたいけど実質ストレートアームには取付不可能だしと言う所なので、これを同時に購入頂いたそのDL102を、アーム付属のシェルにMatrixAR-C2monoも奢って装着してと言う訳です。店頭でチェックするその音は実に立派なもんでした。後はお客様宅でどう響くかですよね。
ともあれオーディオ、特にアナログは付き合い方一つでその世界はいかようにも変わります。皆様も近所の信用出来る専門店で色々相談さって見て下さい。因みにそういったお店の見極めポイントはですね、売り場面積が広いとかメーカー締め上げて高そうな物が置いてあるとか、年商何千億何兆円で有名な量販店だからさぞ社員も高等教育受けてて信用出来てなんでも知識があって技術もありそうとかじゃなくて

「リード線買うんでこの針とシェルに装着して下さい、勿論手間賃出しますから」

の一言で方付きます。以上ご参考までに。

 

 

そうそう、聞くまでもなく世界各国の高級針よりどりみどりで激安ポイント付きで売り場に並べながら同時にアナログ針の取付は行いませんって張り紙してある超大型カメラ家電量販には態々そんな質問始めからするだけ無駄なので、お客様の時間も勿体ないし、彼らの手を煩わせない様に気を付けましょうね、老婆心ながら一応一言まで。
世間ではこういうのをひと言多いと言うのでしょうね・・・

 

 

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