昨晩の台風は凄かったですね。店でケーブル作ったり作業を終えてすかり午前様の駐車場までの道のりが、強風で前に進めずうっかり開いた傘はおちょこになって飛んでってしまいと散々。しまいにゃ雷まで光り始めて漸く乗り込んだ車は風に煽られ蛇行して、最後にワイパーも役に立たない滝の様な豪雨に見舞われ、前が見えなくて流石に短い間とは言え運転諦めハザード焚いて車を端に寄せました。
台風一過の翌朝は一転晴れ渡り、空気も澄んでこんな日はオーディオの音も調子いいんですよね。店に出たら早速好きな音楽掛けて作業開始です。今日はDL103を、と書いたら皆さん、また剥いた話か、あんたも好きだねぇ~とか早合点はいけません、今日はごく普通にDL103をシェルに取り付けるのが仕事です。ここでは毎度DL103にリード線奢った話やボディ換装した話やネイキッド化したら凄かった見たいな話が頻出するので、丸でそうでなければいけないかのような錯覚を一部の方には覚えさせてしまうかも知れませんが、本来はコレが標準であって普通の姿であって、ノーマルのDL103に普通のシェルをキチンと組んで正しくアームに装着設定して、それで十分綺麗に愉しい音が出る筈なのです。ここを正しく理解せずにやみくもな上位機志向や改造系志向は私は少し違うかなと感じています。まずは標準を十分知って愉しんで、その上で他と違う何かを探索探究に向かえばいいと思います。その際は幾らでもお手伝いをさせて頂きたいと思います。

 

 

さて、この針は装着後は配送されてお客様の手元に届きますので、プレーヤーへの的確な設置調整はお客様側の腕に委ねるとして、そこまでが私の仕事で故に正確さも求められます。予めご利用のプレーヤーを確認しておきました。それによるとシェル根元アーム側端から針先までが52.8mm前後0.5mmと判明したので、そこ目指して可能な限り近似値へ正確に位置出しして装着です。リード線の経路も出来るだけ綺麗な配線を心掛けています。

 

 

装着が済んだ後は確認の音出しです。見た目的にはカンチレバーの走行状態時の様子や適正針圧下でのカンチレバーの傾き、音的には音場感や定位、全体バランスを確認しています。

 

 

毎度お馴染みの顕微鏡拡大写真です。針先に問題がない事の確認を目視します。アルミカンチレバーの先端に切欠き部があって、そこに無垢のダイヤモンドが削りたての鉛筆の先端の様に立っているのが見えます、この針はコニカル形状ですね。ダイヤモンドはカンチレバーアルミパイプを貫通してその針先の反対側で接着固定されています。スタイラスクリーナでアルコール成分等が含有されたタイプを忌諱される方が居るのはこの辺りが所以です。無垢針はまだそれほどかもしれませんが、接合針タイプは尚更ですね。顕微鏡で針先等眺める方なぞ余り居られないでしょうから書き添えますと、ダイヤモンドの針先が擦り減っただの丸くなった的な声高な武勇伝的話ってのは実際にはイメージであって、ビニール素材でダイヤモンドを削る方法は私はあまり知りませんが、古いMMタイプに多い接合針等は、ほんの僅かな三角形のダイヤモンド部が接合部から落ちた際は基部だけが台形に残るので、確かに虫眼鏡程度では丸くなったように見えるのかもしれませんね。
閑話休題、納品時はこの写真も添えてお出ししています、注文下さったお客様方からはこの針先写真結構好評ですよ。

 

 

最後に納品状態も確認、ここまでが私の責任の範疇と言う訳ですね。皆様もDL-103に限らず、アナログカートリッジの購入や取り付け御座いましたら御相談下さいませ。リード線のみ交換やシェル付け替え等も承ります。
立派なオーディオコーナーの有る大型カメラ量販店頭でカートリッジもシェルも買ったのに、何故だか取付けはしません!と堂々と開き直られて困った方の持ち込みも最近結構多くなって来ましたね、そう言った場合も遠慮なくどうぞ、多少の工賃で承りますよ。

 

普通を普通に当たり前の作業を正確に→0466-20-5223