1月12
PSB SPEAKERS Synchrony One B
on 2013年1月12日聞き慣れないブランドですね、PSB
私も初めて聞いたブランドで初めて聴きました。
カナダの国籍を有したスピーカーで、彼の地のHPを眺めるとPSBブランドは大変立派な会社である事が伺い知れ、エントリーからハイクラスまで広く商品展開をしている事が分かります。
カナダと言うと何だか大自然に囲まれた寒そうで爽やかそうで風光明媚で、赤毛のアンみたいな世界ばっかり思い浮かぶのですが、実際には北米に位置する広大な土地と豊富な水資源を利用した工業が非常に盛んで、隣にある一大消費国の製造部門を大きく請け負ったりしています。
特に第二次世界大戦中は英国米国が戦車に航空機にその他沢山生産が手いっぱいの状態で、大きくカナダの生産に頼った名残で戦後も長く航空機産業等に関わっていた事はあまり知られていないのかもしれません。
今でも英国系の流れを組んだカナディアンの航空機は結構飛んでますね、ボンバルディアとか。
閑話休題、その良くわからなくて意外な国カナダではオーディオも盛んで、調べてみると実際かなりのブランドを確認出来るのですが、これが面白いのですが、日本でオーディオ専門店に行けば、表紙が凄そうな高級専門大家的雑誌を恭しく紐解けば、それこそ英米仏独伊丁瑞おまけに中国大陸&島及び隣国の半島その他のブランドが百花繚乱、一体全体我が国が誇る家電メーカー共は何しとるがやという状態の、まさに江戸時代末期的異国かぶれ西洋かぶれ全開の日本のオーディオ市場に於いて「加」即ちカナダの製品だけは殆んど見かけないんですよね。
数年ごとに思い出したように上陸するのですが、なかなか根付かないというか知名度を得られないままに「そういえば」って感じで消えていきます。
もしかしたらここいらは開国以来の、日本と西洋の歴史的関わり方に大きく関係してるのかもしれません。
大英帝国を宗主国と仰ぐカナダからすれば、極東の島国の日本とのやりとりはあくまで帝国本土主導だったでしょうし、手前に態度も声も大きな国が居るしね、割って入るほどの機会はなかったのかも。
世界全体的に見ればカナダのオーディオも多くのブランドの一つとして多数のブランドのなかで広く流通してる様子で、海外のオーディオ誌では良く見かけますが、そしてここが一番肝なのですが、それらの雑誌で見かけるブランドは、日本のオーディオ雑誌で見かける人気ブランドとはだいぶ構成が違うという点です、特にHi-Fi系は。
試しに日本では圧倒的に人気の、我々がこれぞオーディオこれぞ自由の国アメリカ万歳、彼らは皆これを使っているんだみたいに信じて疑わない青いバッフルの巨大スピーカーとか、英国の録音スタジオはみなこれを使ってる的ありえねぇ幻想を教え込んでくれている角の生えた人気スピーカーとかは、そう、どこに載ってんですかね?
話がそれすぎましたね、で、その本題のPSB
黒いゲーム機とかB級のゲーム機の略じゃないですよ、とても出来の良いスピーカーです。
PSB SPEAKERS Synchrony One Bは彼らのシリーズ中上位クラスを担当し、その中でのブックシェルフスタイルが今回の紹介モデルです。
ここで紹介されるに至った理由ですが、一昨年には実は現地と輸入商社で話がまとまり、先行試聴機を日本に入れた上で販売価格も決まって後はカタログ展開やメディアへのPRと言う段階であの震災が起きた事を大きな要因とし、社会状況経済状況を鑑み、一旦販売が見送りとなった経緯があった悲劇の商品です。その時の先行導入機が今回回って来たのですね。
ならしてみるとどうしてこれが大変に良いスピーカーで、一緒に展開したトールボーイの方はその音に感銘頂けた方に即座にご成約頂けた次第。
ブックシェルフのこちらも想像以上の骨太の低域を展開し、現代のスピーカーに漏れずに繊細で高精細な中高域を描き出し、一般家庭での常識的音量範疇で十分に聴き手を音場の漂う広い空間へと誘います。
もし正式に輸入販売されていれば、先の角が生えているスピーカーより沢山売れたなどとは言いませんが、583,200円税込ペアと設定されていたその価格の範囲で同クラスと比較して十分に健闘した事は容易に想像できる鳴り映えです。
そしてこの度のこの商品は、扱いとしてはメーカーデモ機の展示処分特価品という形を取らさせて頂きますので、販売価格はなんと150,000円ペア税込です。
初めからこの近辺の予算で小型ブックシェルフ考えていた方からすればブランドさえ厭わなければ圧倒的なお買い得感です。
もしそんな方がいればですが、たまたまこのスピーカーを知っていて、狙っていた方にはブッチギリのお買い得ですね。まぁ惑星直列とハレー彗星の同期ぐらいの確率でしょうが。
ともあれそれらを差し置いても耳を通して頂ければ良い品である事は伝わると思います、ハイ。
オーディオは音も含めその存在感もが選択の対象だとすれば、確かに知名度の高いブランドの魅力には抗しがたい物が確かにあるのですが、その知名度が日本国内だけのヒエラルキーであったり、海外では著名なブランド製品が日本国内では知名度故に音の方では全く評価されていなかったりは少々勿体ない気もしますよね。
いずれキチンと輸入される日が来るとすれば、結構人気出るんじゃないかなぁ、PSB
完売しました。