アコースティックソリッドの使い易い優等生モデル、Solid Classic Wood MkⅢ
ベルトドライブ方式でモーター部分離式、同社としては入口を担当するクラスですが、思想や造りは基本的に上位機種と変わりません。
キチンと設定を詰めていけば、大概の方には喜んで頂ける音を楽しめるでしょう。
現行機では有りますが、今回所有オーナー様が変わるので、一旦引き取ったお店の努めとして、アームの組み直し含めて一から全部やり直しました。
今回搭載されたアームはポールスターですね、こちらも今時貴重な高すぎない価格のユニバーサルアーム。一見シンプルですが、カートリッジ毎のベストを尽くそうと願えば触るポイントは多岐に渡ります。
一通り調整を済ませてフォノイコを通したり幾つかの針を装着して何枚かのLPを聴きました。いいですね、この瞬間。
人様の物になるとはいえ、或いはだからこそなのかも知れませんが、徐々にプレーヤーが仕上がっていき、最初はただ音が出ているだけだった状態の機械が、最後には音楽を音楽として奏でる特別な装置に昇華した瞬間が。
アナログプレーヤーの調整自体には魔法は存在しません、ただひたすら基本に忠実で有るだけなのですが、針を通して出てくる世界は音楽という魔法であり、その一端に関われた事を私は誇りに感じています。
 
以下、いつもの御託の羅列です、耐性無い方にはお読みになられれない方が良い旨お伝えした上で、それでも読んでくだされる方には御礼とNCを併せてお伝えさせて頂きます。
 
アナログの調整にはどうしても取扱説明書だけでは掴み切れない部分も存在します。
実の所この組み合わせは、その辺の大型家電 / カメラ量販のオーディオコーナーに行けば誰でも売ってくれて誰でも購う事が出来るのでしょうが、誰が本当の意味でそれを楽しめるレベルに調整出来るのかは極めて疑問ですネ。
勿論最後は使い手の愛情と努力に委ねたいと思いますが、購入時の最初の基本的部分は、オーナーが余程のオーディオ的遣い手で経験者で無い限り、誰かそれを得意とする人間に任すのが賢明ではないかと思います。
 
先日新聞で派手な広告うった有名な家電メーカーのオーディオブランドのアナログプレーヤーがありましたが、あれもあの会社が優位な条件で卸す販売店ほど、アナログプレーヤーの調整が得意には見えないのが面白いですネ。
この辺の事はそろそろ、オーディオの専業誌及びそれらに関わる執筆者や評論家方々にも、オーディオに気軽に関わっては自社の都合でそれを手放しユーザーを放置するメーカーへの警鐘として指摘願いたい物です。
メーカーの持ち込んだ新製品を、音聴いて感想述べてるだけでオーディオが発展や安泰と言ってられる段階はとっくに終焉を迎えています。
今、有る程度発言力の有る方々が、趣味としてのオーディオの、物流を含めて顧客への手渡され方を含めて製品評価を下す段階ではないかと、大した発言力も無い私は思うのです。
要するに大型家電カメラ量販では激安ポイント付きで大した知識も無い店員から買えて、それがとても得意なオーディオ専門店では取引の力関係上安く買えない様な家電ブランドのアナログプレーヤーを、高い趣味性を謳うオーディオ雑誌が強く勧めてる場合ですかネ?という事です。
 
私自身はテクニクスのSL1200シリーズと言う不朽の名作プレーヤーをとても愛しています。
Mk2、Mk3、LTD、Mk4、どれも思い出深いです。
シリーズの親にあたるSP10Mk2は今でも手元で回って居ます、当事者がメンテナンスを放棄したので松下以外の修理専業に直しては貰いましたが。
SL1200シリーズをより楽しむ為のノウハウも音出しの仕方も大概の方よりは心得ている積りです。
また、それを所有するユーザーがより楽しめる様なアクセサリーも複数開発もして来ましました。
但し、現時点でハッキリ言える事は、でんき堂スクェアに限らずです、日本中の全てのアナログプレーヤーに長けたオーディオ専門店が、この優秀なプレーヤーをロクな知識も無い大型家電カメラ量販店が売り散らかす価格より、取引条件に於いて不利な提示をパナソニックから提示され続ける限り、私達オーディオ専門店としては、その製品の目指す目的と流通方法の祖語に甚だ疑問を感じると明確に宣言致します。
因みにでんき堂スクェアが皆様に提示できるSL1200シリーズの価格は定価です。
よっぽど店として仕入れるより、個人的に大型カメラ量販店からポイント付きで購入して来た方が、パナソニックの営業とやらが提示する取引条件より遥かにマシだと申し上げておきましょう。
まぁ要するにアナログに詳しいオーディオ専門店には、テクニクスブランドなんか扱って貰いたくないと言う事なのでしょう。企業規模で話せば、そりゃオーディオ専門店なんて彼らが大事にする大型量販に比べれば小さいもんです、ハイ。
物流とは即ち物量なので、大量消費前提の生活必需品や白物家電製品はそれで一向に構わないと私自身感じています。
しかしですね、アナログプレーヤーという極めて専門性と高い技量を求められる、ましてやSL1200はフルマニュアルプレーヤー、大した流通量ではない趣味性の高い製品をもその論法で扱うセンスは、オーディオとアナログプレーヤーを愛していると公言する立場の私としては、彼らがそれに対して示す姿勢は全く意味が良くわかりませんですね、以上。
 
追伸
 
現在、でんき堂スクェアではSL1200シリーズを皆様方に気持ち良い価格で提供出来る状態ではございませんが、それをすでに手にされている方々に、気持ち良い音で楽しんで頂く為のノウハウの提案やお手伝いは幾らでも出来ます。上記文章中、私が厳しく糾弾したかの様に感じられる各大型量販店での購入で一向に構いませんので、それが皆様の手元でいま一つ鳴り切っていない物を感じた際は、遠慮無くいつでもご相談下さい。
要するに、彼らの営業手段を憎んでもそのアナログ製品は憎まずという事です。
 
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