でんき堂スクェアではカートリッジのシェル装着やリード線交換を積極的に承っております。
店主自体がその作業を好きという面が多分にありますが、もう一つは、たとえ自分にとって直接関わりのない方の針であっても、針が折れる様な事故を見聞きするのは、当店が販売した針でなくともとても悲しいからです。
よって既にお使いのカートリッジに対してのリード線やシェルの交換、余所で購入された針を手持ちのシェルに付けて欲しい、プレーヤーが代わってオーバーハングが変わったから任意の位置に調整し直して欲しい等々、私の技量で応じれる範囲の内容ならばどんどんお持ち込み下さい、SPUの側剥いて一般シェルに付けよなんて依頼もお受けしています。

 

 

さて、そんな際に見過ごされがちな事があるのですが、針のシェルに対する取り付け位置ですね。
実際のところはそんなに神経質にならずにシェル首側根元、アーム接触側から測って50mm地点に針先呼び込めれば大概は問題なく愉しめるのです。ところがですね、現在の市場に於いての、初中~中上級で最も一般的と思われるプレーヤーにDENONのDP-1300及び後継にして現行機種のDP-1300Mk2及びその弟分のDP-500と言うモデルがありまして、コチラ人気で市場での流通もご使用の方も大変多いかと思うのですが、このシリーズが採用した針先位置がなんと54mmと妙に長い。まぁその数値はメーカーの設計と必要の結果ですから良い悪いの問題ではないのですが。
ともかく流石にオーバーハング4mmずれると特に内周は駄目ですね。それで針の調整や装着のご依頼承る際には必ずその旨確認はするのですが、時たまシェルと針の指名のみで注文を受けて、あとから確認したら実は希望は54mmなんて事があるのですね。そんなのシェルの螺子緩めて調整し直しすればいいじゃないかと思うでしょ、皆さん。でも物理的組み合わせに於いて出来ないシェルと針の組み合わせってあるんですよね。

今回ここでハッキリ指名しておける組み合わせは、DP-1300とそのMk2及びDP-500をお使いの上でのオーディオテクニカMG10のシェル+DENON DL-103系列の組み合わせです。

尚、MG10自体はとても使い易いシェルで、DL-103と組む事自体は悪い組み合わせではないのですよ、本来一般的には。念のために書き添えておきます。ただ、コチラの組み合わせでは最大で針先位置51mm+1mm以下範囲の少々なのですね、実測。
テクニカのMG10には計4箇所の針位置調整ポイントがあるのですが、DL-103の取り付け穴及び針先位置の関係でシェル側最先端の取り付け穴を用いてもこの数値です。正直テクニクスのSL1200系列が指定してくる52mmポイントに対してギリギリ許容範囲と言ったところですね、この組み合わせだと。
今回はお客様の指名する針シェルの組み合わせがご利用のプレーヤーにマッチしない事が予め判明しましたので、新たにSHELTER/シェルターのMODEL1011Lと言うシェルを提案し直して無事納品に至りました。こちらならDL103と組んでも針先まで54mm稼げるし重量的にもMG10に質量の近い比較的軽めのシェルですね。

 

 

当初のテクニカMG10からSHELTER MODEL1011Lに変更後54mm針先ポイント調整しSAECのSR-500リードシェルを奢られた状態でのDL-103納品前音出しテストの図、いい音してましたよ。
*MG10が悪い訳ではありません、念の為

 

皆様、特にDENONのDP1300系列及び500をお使いの方おられましたら、一度ご自身が選んだシェルと針の組み合わせを疑ってみて下さい、特にMG10にDL103系が付いてる方はオーバーハング3mmずれています、悪しからず…

まぁ何の事だか良く分からなかった方も他店で満足な説明を受けられなかった方も、アナログの調整などでお困りでしたら一度でんき堂までお声掛けてみて下さい。

 

あ!オーバハングずれてるぅ!調整してくれぃ!→0466-20-5223