*PHONOPHILE/フォノファイル 高さ及びVTA調整ゲージ(写真奥側)&オーバーハングゲージ付きEPアダプター(手前)

 

月が変わるや否や、いきなり米国SHURE/シュアーのアナログカートリッジ全面撤退の報で、ささやかなブームにしがみつく様に沸いていた規模の小さいオーディオ業界に冷や水浴びせる如く始まった五月晴れの連休後半を皆様如何お過ごしでしょうか。
海の向こうの夷狄の地の企業が決めた事ですから口の挟みようもありませんが、要するにアナログブームの及ぼす彼らへの金額的貢献等、シュアーと言う巨大企業にとってはたいして関係無かった訳でしょうね、企業的そろばん勘定に於いては。ともあれ終わっちゃうものは仕方がありません、個人的にもSHUREのカートリッジには大分アナログを教わったので寂しい事は確かですが、消えゆく物は素直に諦めて、いつまでも昔のTypeⅢの思い出話とかしていても商売的には前進が無いので、ここではこれからの製品を紹介していきましょう。

で、またかと言われそうですが、今日もPHONOPHILEさんのとても使い易い実用品を二点。
例えば前出のシュアのV15なんか型番にも表れていますが、(一応補足しますと、ShureV15の15はカンチレバーの盤面に接する角度です、15° 同じShureでも35や44や75や95や97ってシリーズの型番は角度に関係無いっすよ、念の為、悪しからず)アナログの音出しにおいてああだこうだと製品のブランドや優劣を語る以前に、ともかく一も二もなく重要なのはセッティング。セッティング以外に良い音出しなど有り得ないと断言しても問題無いぐらい設置設定セッティング。高価な製品やグレードや稀少性語るのはそれらが全部全て完璧に済んだ後の50番目ぐらい後で十分と言う位ともかくセッティングです、くどいけど。
プレーヤー自体の水平を揃えた振動に配慮した設置は当然として、アームの水平バランス取って適正針圧(それさえ結構怪しいもんですが)レベルは当然の話であって、再生時の降下させたアームの盤に対しての平行度合いやカートリッジ自体のカンチレバーの盤面に対する角度、VTA(Vertical Tracking Angle)や、アーム旋回軸延長線上に於いてのターンテーブル中心から何ミリ先を針先が通過する様にセットするかの、アーム毎に固有の数値を持つオーバーハングへの調整など、アナログ再生はまともな音が出るまでの手順が実に多く、これらを如何に手際よくしかも楽しみながらスマートにこなしていくかが、その再生の要でしょうね。
この辺負担に感じてしまうともう趣味ではないし楽しくもないし、いつの間にか話がずれて便利で簡単で誰でも扱えるCDみたいな調整不要で使えるフルオートプレーヤーはないんですか?みたいな話になるんですよ。しまいにゃひっくり返すのが面倒とかパチパチ音がやだとか、初めっからCD聴いてればいいのにって類の本末転倒な話が最近増えましたね。要するに恰好から入って古のクラシックカー欲しがりながらそれに対してエアコンだATだ燃費だメンテナンスフリーだって言ってんのと大して変りがありません。
CDやネット環境下の便利なモノが揃っている今の時代に、態々アナログ盤再生するって要するに不便を愉しむ行為です。実の所愉しんでる側からすると不便でさえ無いんですがね。

 

*盤面に対してのアームの平行度合いを見ている所です

 

ともかく話が長くなりましたがセッティングです、これしないと愉しめないしそれ自体を愉しみたいです、特にアームの盤面平行はその方法に決定打的解決策があまりなく、使い手が各自各様に工夫して解決して来たか或いは全く関知しないで過ごして来たかの部分なのですが、(何しろプレーヤーによってはユニバーサルアームを採用しながら高さ調整は付いていないみたいな凄いのがあるぐらいなんで・・・)因みに私は5㎜桝の線が引かれた製図用のアクリル製定規をあてがって調整したりしますが、これも定規抑えてる手が一本御留守になるので調整が手間なんですよね。
写真のフォノファイルさんのゲージは、サイズと線入れが極めて適度でかつ自立します。故にカートリッジ装着バランス調整後の盤面アーム平行面を見るのにとても便利で、片手で定規抑えて見てた時に比べて作業の負担は大分軽くなりました。また、カートリッジの正面に据えて針の盤面に対する垂直角=VTAを見るのにもとても便利で、今までは鏡を下に置いたりインナーグルーブの光沢面に映して対面する鏡像と実物の傾きのずれを見たりしていた物が、一目で適正な位置に調整出来るので、プレーヤーの脇にコチラ一つ置いておけばカートリッジ交換する度に、今まではつい億劫になって有耶無耶にしていたアーム高さ調整とVTAが、ほぼ適正値へ大した煩わしさも感じずに調整が行えると思いますよ。
まぁアナログへの適正は性格に起因する部分もままあるので、多分ですがと先の言葉に付け加えて言い直しておきましょうか。

 

*盤面に対してのカートリッジの左右への傾ぎを見ている所です

 

PHONOPHILE 水準器付きアーム高さ及びVTA調整ゲージ  PP-A01 税込み2,000円

PHONOPHILE オーバーハングゲージ付きEPアダプター  PP-A02 税込み   800円

 

*オーバーハングゲージEPアダプター概観

 

最後に、アナログをやっている、或いはこれからやりたいのだけど、実の所ここに書いてある事が何だかさっぱり意味が良く分からないと感じた方いらっしゃいましたら、どうぞ来店下さいませ。今回ご紹介頂いたゲージの一つでも購入くだされれば、その使い方を御案内出来るので、おのずとその意味もアナログオーディオの奥深さの一端もきっと、興味をお持ちになられている方には楽しく理解頂けるようになると思いますよ。
勿論他店、特に大型カメラ家電量販店で機材だけは購入したけど、そこのスタッフからロクな案内も貰えずに、やむを得ず自己流なりネット上に渦巻く怪しげな神業に惑わされながら今一つ満足いかない状態に感じておられる方もどうぞ。あと、最近やたらと増えた、オークションで手に入れた、ハードオフで手に入れたんだけど使い方良くわかんないんだけど教えてくれますかぁ?的な方はどうしよっかな、まぁ今後当店でお買い物頂くお客様になって頂けるならどうぞ遠慮なく(笑)
また、私なぞ及ばないレベルの技量や腕をお持ちのベテランの皆さんには尚更、この製品の便利さは私の100の御託より一目でご理解いただけたと思います、つべこべ言わんと是非買って下さいね。

 

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