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2005年より、濃尾平野が拡がるその周縁部、水のきれいな岐阜県大垣市にその本拠を構え、高いセンスと企画力で、高品位でまとまりの良い製品を市場に送り出すムジカの一連の品々は、手にとって「なるほど」、聴いてみて「なるほど」と、一々納得いくものばかりのなかなかの製品力で魅力が尽きません。

最近はより既存オーディオからの価値観、特にそのスタイルから脱却を図った製品を同社WEB上でも確認頂けるかと思います。

そのムジカが、少しだけ前にシリーズとして揃えていた形式100番台の商品群は、その中にあって比較的スクェアなサイズのオーディオ的ラインアナップでした。

何種類か揃っていたそのシリーズ中、特にフォノイコライザーのPHO100が比較的使い易いサイズと価格が相まって特に高く、正面からのデザイン上は完全に一体化された筺体を持ちつつ、完全に別体化された電源部とイコライザーの二構成の筺体を各々前後のパネルで挟んで構成した造りには、MUSICAの面目躍如たるものを感じさせられました。

勿論その凝った構成から得られるサウンドは、アナログカートリッジから繊細で滑らかな音楽再生帯域を紡ぎ出す極めて心地よいなりで、この辺りからMUSICAを知った方も結構おられるのではないかと思います。

さて、今回ご案内出来るのはその素敵な音のMUSICA PHO100の程度の良い中古なのですが、今回のは特別です。

メーカー自らの手によって特別仕様としてほんの僅かのみ、本当に数える程度が造られたMC対応型特別仕様です。

当時PHO100は通常品が99.800円税込みで用意されていて、この特別仕様は二系統あったMM入力のうちの入力1がMC対応を施された物で、確か当時カタログの隅に小さく記載されていたような記憶が僅かに有ります。特別仕様は138.000円税込みで主にオーダーの形で受注生産され、私も当時お客様の要望でMUSICAへ発注した記憶も残っています。

フォノイコライザーも色々ありますが、入力一系統で内部でMM/MCを切り替えるタイプと、入力二系統でそれぞれがMMとMCに分かれているタイプの物は、その目的が一緒の様で実のところ使い勝手は似て非なるもので、特にWアームや複数のプレーヤーを所有する向きにはその存在感と使い勝手の良さは絶大なる物が有って、入力切り替えで瞬時に違うアーム、違うプレーヤー、二つの異なるカートリッジから音を出せた瞬間の面白さはこれはもう経験して頂くしかないかなと思います。ちょっと文章で表現するには無理がある快感です。

ということで、Wアームの方にもプレーヤー二台の方にも既存のアンプの内蔵フォノイコの性能に不満をお感じの方にも手持ちのフォノイコのスケールアップをお考えの方にもそうでない方にも、とにかく貴重で希少でお買い得の今回の中古品はお薦めし易いです。

この機種に限らず、使い勝手の良いフォノイコライザーアンプやトランスはどうしても品薄状況です。感じが良い中古品は一期一会の積りで考えるより行動の方が良い物を得られる傾向が強いですね、どうしても。

完売しました。