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このジャケを目にしたり、ワンフレーズ耳にした途端、主に30年前に青春期があった方々からは、

「あ〜!あったあった、いたいたそんなの、あのアレ、なんかCMとかで結構かかって、なんか水玉みたいなのが流行ってさぁ~・・・」

云々と、皆さん虚覚えのまま、恐らく記憶の彼方に消え去り一生耳にする事もおそらく無いであろう、’80年代英国というかスコットランド発の女性ニューウェイヴ/ポップデュオ、ストロベリー スウィッチブレイド/STRAWBERRY SWITCHBLADE

まぁ要するに完全な一発屋の括りではありますが、今聴くと当時の空気感を程よく総括した音作りなんかが象徴する、両面通しで聴き切れる良質なポップ盤です。
CDで態々探してまで買う気はしないけど、ネット上の音源で聴くには惜しい音が入ってるので、ここはやっぱりアナログ盤でしょう。

彼女達にとっての、最初で最後のアルバムであるこの盤が出たのが1985年ですが、当時既に訳もわからないままにデジタルサウンドとかいう言葉に踊らされてほぼCDが市場のイニシア恥部チブを握っていた我がニッポンとは違って、英国市場は実質アーティスト達が、あくまで録音フォーマットをヴィニール盤と捉えての録音であり音作りや編集を行って居たので、この時期の洋盤は一発アイドルじみた内容でも、LPというフォーマットの伸びやかな音場収録能力と、それ故の時間的収録限界のバランスが、人間の本来持つ感覚的側面に綺麗に合致しているお陰もあって、案外楽しく聴けちゃうもんなのですね。
多少洋楽的視点で邦楽を俯瞰できる向きには、この盤のプロデューサーが、それまでの英国ポップロックの中から広く拾い集めて来てたサウンドコラージュや手法、そしてこの盤以降の邦楽への影響の様子が容易に感じられるかとは思います。それに対して表面的な部分のみの印象で

「何々と似てるぅ~」

とかやりだすと話のレベルが一気に落ちるので、ここは是非ご自身の耳で聴いて確かめましょう。
大変綺麗な盤で帯も付いてます。
以前ならば、真面目な洋楽聴きを自称する類の面々からは、持っているだけで笑われかねない盤でしたが、今となっては、遠い昔の少し切ない思い出みたいな物で、盤自体も最近目にする機会の減った貴重な物となってきました。
それに伴い最近市場価格も上がっている様子です、まだ知らない方も昔聴いた貴方もぜひお早めに。

ストロベリー スウィッチブレイド/STRAWBERRY SWITCHBLADE

ふたりのイエスタデイ

ワーナー・パイオニア P-13120

中古LP販売価格 3,000円(税込)

完売しました。

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