高級ブランドとして名の通っているラックスが、’70年代の頃の身軽さを取り返してきました。
同社は当時から勿論高級アンプを中心とした展開でしたが、実は平行してラックスキットや比較的求めやすい価格帯のセパレートアンプなどを、’80年代初頭まで用意していたのです。
彼らは重厚長大さのもたらす充実感を理解していると同時に、身軽さが呼込む高性能も良く知っています。
紆余曲折を経て、’90年代から再建に入ったラックスはまず、前者の方のイメージの再興に一応の成功と実績を収め、その資産を今度はもう一方の彼らの得意分野に投入してきた、ここ最近の彼らの息を吐かせぬ商品展開とは、そういったところなのだと感じます。
実はここがラックスの一番の得意分野であり強みなのかもしれません。
何故なら特に国内では、このクラスは他の高級ブランドを自認するメーカーには、過去の歴史とプライドからまず手が出せない商品価格帯であって、唯一ラックスだけが(現存)オーディオ専業メーカーとして高級からこのクラスまでの実績を有しているので、決して違う土俵にやって来たことにはならない点です。
先行したDA-200はUSB DACとして捕らえられていますが、実のところプリアンプとしての性能が恐ろしいレベルに纏め上げられていて、このM-200と組んでの、一体型プリメインではなかなか得られない開放感を愉しめるのは、これからアンプを買い換えられる方々の特権ですね。
A.I