皆さん今晩は、全くもってのお久し振りです。

ここ数年ずっとそうなのですが、かつてのペースでここに顔を出せない最大の理由は、とにかく全国津々浦々の皆様から多様で多彩なお仕事の依頼を数多頂戴出来たからに他なりません、そこは本心より感謝申し上げます。
よって結果として正直作文も作業も口以外はとりわけ早い訳では無い私は、そのどちらかに能力を投じる限りもう一方には時間が割けない訳です。要するに日中営業時間帯はオーディオ屋としての来店、電話問わずの接客や、配送設置に通販関連の出荷作業とか、メーカー、商社との商談業務なりで閉店時間迄過ごし、実際に作製系の作業やブログ関連は21時以降に漸く落ち着いて臨めるって塩梅なんですね。で、ここ数ヶ月は圧着工具が使い過ぎで損耗するは半田コテを冷ます暇も無いはの作製作業の連続で、毎晩1時過ぎ迄頑張って漸く持ち越してお客様方をお待たせしていた作業にも出口が見えたところです。
意外な事に、ここを楽しみにしてるので早う更新せよとの声も結構頂き嬉しいのですが、実際に納品を待ってるお客様方からしたら、ここで私がクダ巻いてる様な文面でダラダラと、部下殴ったりお茶かけるような暴力社長の君臨する家電量販の思い出や、選民思想的取引条件を好む高級アンプブランドの姿勢を揶揄してるのを目にしたら、そんな暇あったら俺のケーブルはよ仕上げろとなるのは火を見るより明らかですもんね。

よって久しぶりにコチラはごく普通に作業の紹介です。年始早々喧しかった国内外の世相や馬鹿で愚かな税金泥棒みたいな議員が跋扈する政党の事とか『金の掛かった試聴室を態々ぶち壊した上で敢えて壁の薄くて店内放送がガンガン流れる使い物にならんオーディオコーナ作り直した接客ナンバーワンを謳う家電量販店』の話みたいな余計な事には口を慎みますね。

 

 

さて、今回はお客様お持込みのスピーカーケーブルの再生作業です。物はSAECが取り扱う薄い水色の被覆と、見栄え音質共々繊細で抑制の効いた上品さが印象的なSUPRAで、プラグには世間一般で最も皆様が行き当たる確率が高いブランドの物が、写真で分かる通り二個のイモ螺子で取り付けられております。因みに職業柄30有余年に亘って数多の人様が仕上げたケーブルの端を眺めて参りましたが、この方は非常に正確で丁寧な作業をされている事が伺えます。要するにペア一対のケーブルの左右長さの切り分けの均等さと+-両極への又裂きの加減、被覆の剥きしろに導体のカット断面の姿で凡そその方の性格や技量は判ってしまうものです。中には親の仇みたいな勢いで引き千切った様な被覆に左右両極適当な長さでイジケて縮れた端末なんて幾らでも目にして来ました。そういえば20年以上前ですが秋葉原の老舗の店頭に居た頃も絶望的な仕上げをする同僚が居ましたね。そういう奴に限ってプライドだけは高いんだよね、自分の方が社歴が長いとか前職では役職だったとかね。前者は線材の芯線中1/3の本数は不器用な手先で切り落としてすっかりやせ細った端末にプラグ付けていたし、後者は自信満々にショート寸前の自作ケーブルを誇らしげに部下の僕らに上司の立場で売らせようとしてたね、どっかのアンプメーカー崩れのコミュ障みたいな奴だったけど。因みにその威張り腐った副店長の彼はその前職のアンプブランドがOB同窓会を開く際に唯一声が掛からなかったって話はごく一部で語り草だとその主催幹事に私は聞かされました、まぁどうでもいい話か。

 

 

閑話休題、ではこのケーブルの作成された方が丁寧な作業をされたからそれで完璧全てお終いかと言うと、残念ながらそうもいかないのがオーディオの面白さと言うか、日本のケーブル端末ビジネスの残念さと言うか、つまりこの方の作業は正直言って必要にして十分かつ大概の方より綺麗で丁寧な作業であり、さっきチラッと思い出話を書いたどっかのオーディオ店の店員(←安心して下さい、もう両名とも秋葉原にもオーディオ業界にも居ません、古い話です悪しからず)より遥かに作業は正確です。何しろこの方はSUPRA特有の細くて多芯で百本は超す線材を殆ど切らずに被覆を剥けています。
ただそれでも構造的に、即ちこのケーブルをこのプラグでこの要領で組む限りはどんなに丁寧に慎重に技術を投じても、この方が組まれたケーブル以上の性能は、たとえ私が或いはそれ以上の技巧者が臨んでも結果の優劣に差異は生じません、つまり工法的構造的性能限界です。
写真を見れば上端で六角レンチに据えたイモネジが線材を押さえているのが見て取れると思います、これがこのケーブルがこのプラグの内部での姿であると容易に想像出来ますよね?作製時に筒内にたくし込んだ複数の線材に捩じ込んだイモ螺子を締めた際の手応えは確かに感じられた筈ですが、更に締め上げればそれはネジ山を通り越して線材の束の中に埋没する訳だし、適度な所で留めてまぁまぁな手応えで仕上げれば、まぁそんなことする必要は無いのですが、プラグを握って引けばそれはある程度の力で容易に線材から抜けてしまう事もご理解できるでしょう。電気なんだから触ってればいいじゃんと言う向きもおられましょうが、これだけの多芯線の一部だけが螺子が接して他はそれぞれの力加減で触ったり触ったりしていない姿って、よりよい音楽再生の魅力を求めて音質追及するオーディオの世界で果たして、悪くこそすれ良い結果を生む事ってあり得るでしょうか?

 

 

よって手前共の様なお店の存在理由が出て来ます。まずケーブルの剥き直し、どんなに古くても被覆不良で内部が酸化していない限りはケーブルは剥いてしまえば新品です。
そして新たに用立てた英国QED AIRLOCのプラグをあてがいます。結構ギリギリの太さですね、このギリギリさが後の圧着時に重要になって来ます。そしてここで一本も余さず洩らさず挿入するのが技術ってもんだしオーディオ販売店の存在理由です。
尚、余計な事承知で研ぎたてのスケートリンクで油塗った筆を滑らす程度の控えめさで書かせて頂けるならば、オーディオを扱う家電量販店なぞで会社規模が大きくて資本も潤沢で店舗が大きくてスタッフが多ければ多い程、その順に優れた優秀なオーディオ的エキスパートな人材も多いでしょうから、皆様も私の作業より更に高見を望む際には是非市場規模知名度併せて大きい高い順に、定価売りを標榜する国内高級有名アンプブランドが取り扱える事を誇りにしてる店舗順にケーブル端末処理の依頼でもしてみて下さいね、その結果に対しての責は負いかねますが。

 

 

無事挿入、使用プラグは英国QED AIRLOC BANANAです

 

 

QED AIRLOC作業の姿、相当な力作業です。通常の上下圧着と違い、全周囲から超強力に圧着を施し筒内の線材共々完全に彼らQED側が呼称する『冷間溶接』作業、事実上の鍛造に近い状態に持ち込みます。
尚この工具は完全にQEDの専用設計プラグ専用品で、ブランドからの斡旋価格も高いのなんの、得られる結果が唯一無二なので仕方が無いのですが…

 

 

こちらがAIRLOC処理を終えたプラグ姿です、尚QED既製品は圧着ポイントが一点に過ぎないのですが、私は絶対的な圧着を狙って前後方向に長く圧着を施しています。

 

 

そしてこれが実際にQED AIRLOCが施されたプラグ内の断面です、勿論お客さんのプラグ切断出来ないので、写真は違う線の物を技術系のお得意様が好意で綺麗に切断して下さったものの断面を写した物ですが、筒と内部のケーブルが強力な力で溶着融着完全一体化している姿はお伝えできるかと思います。尚この処理をした限り他のプラグと違って決してそれを外しての再利用等は出来ませんので、ケーブル変更の際には改めてAIRLOC処理し直しです。

 

 

さて完成、生まれ変わったSUPRAケーブルの感想は是非お客様より試聴結果を伺ってのお愉しみですね。

さて長々と書き連ねましたが、今までも再三ここにQED AIRLOCの事を書いて来て更に屋上屋を重ねる様な今回の文章に飽きを感じた方々御免なさい、お伝えしたかったのはまだこのQED AIRLOCを体感頂けていない皆様方に対してであり、また諸般の事情で興味はあれど未だ実行には至って居ない方々に対して、或いはこの効果を既に体感済みも更に追加をお考えの皆様方です。何故なら残念ながらここ昨今の国内外の諸般の例に洩れず、QEDも今後猛烈な値上げが、それこそ私の工賃以外の全てに対してそれが予定されており、彼らの頬る数多の製品群にあってAIRLOCプラグもその範疇の例外にありません。
でんき堂にとってもこれは重要な案件なので、恐らくAIRLOCプラグの正規日本国内流通在庫分の推測8~9割方は値上げ前に押さえさせて頂きますが、このペースでの処理案件が続くとして、やむを得ずの値上げの案内を出す日もそう遠くは無さそうなのです。よってこの素晴らしいい端末処理に興味をお持ちになられた方は、ともかくお早めに店頭まで一声おかけ下さいませ、何卒。

 

追記、ここまで読んで下さった心の広い皆様誠に有難う御座います、冒頭で余計な事には口を慎む等としおらしい事を書いたにも拘らず、読み返してみるとその内容は大分怪しいもんですね、コリャ。まぁ久方ぶりのコチラ、更にはもう夜中の1時回ってるんで筆者も寝ぼけてるのですよ、きっと、多分。流石に帰りたいのでもし文中誤字脱字明らかな過ちが見受けられた場合は全部政治が悪いんだって事にしといて下さい、また上記文面中筆者はとぼけた事や筆が滑った様な事を随分と書き散らしてる様子ですが、文章中の作業に関してのみは極めて真摯な対応と技術の提供をお約束出来るのでそこだけは信じて頂いて、部下を殴るはお茶かけるはの勇ましい社長がいる家電量販の話とか、ケーブルも満足に剥けない店員の“居た”老舗オーディオ販売店とか、前職ブランドのOB会にハブにされたり部下に人の客取ったとか因縁つけて逆に返り討ちに遭って泣き入れた副店長の話等は全て、寝ぼけた私の夢遊病的戯言妄言だと思って読み飛ばして下さいな、眠いです、ごめんなさい、以上。

 

QED AIRLOC 急げ!→0466-20-5223